クロスオーバー
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もうダメなんだよね。どうしようもないの。
私には、大好きなものがたくさんある。それを詰めてる箱があるんだ。
そして、時に私は、それに序列をつけて、細分化しなくちゃならない。
「君のことは、好きだよ」
「じゃあ、どうして?」
「例えば、アイドルものの話。私には、担当がひとりと、推しがたくさんいるの」
当真くんは、怪訝な顔をした。
私は、話を続ける。
「当真くんのことは、一番好き。だけど、私には、ゼロ番がいる。だから、その人を選ぶよ」
「その人ってのは?」
「……言えない」
本人にさえ、私は言えない。
諏訪洸太郎くんのことが好きで、どうしようもないの。
私が付き合いたいのかは、よく分からない。
恋とか愛とか、あんまりはっきりしてるワケじゃない。
ただ、不誠実なのは嫌だった。
「そうか。んー。ちょっとひとりで整理するわ」
「ん? うん。ごめんね」
当真くんは、カウンセリングルームから出て行った。
これで、よかったのかな。
他に、どうしたらいいか分からない。
私は、冷めたココアを飲み干した。
◆◆◆
後日。当真勇くんが、私の元にやって来て、告げた。
「3人で付き合えば解決すんじゃねーか?」
「はぁ?!」
「俺と砂子さんと、ゼロ番の奴で」
とんでもないこと言うな、この子。
「そもそも、その、ゼロ番の人には、恋人がいるんだよ」
「あー。じゃあ、ダメか」
「私は、彼らの恋を応援してきた身だしねぇ。それに、彼の恋人って凄く重たい人なんだよ。きっとモノガミー的だし、複数人交際が出来るタイプじゃないね」
「また、なんか考えて来るわ」
「…………」
諦めないんだ。
私には、そんな価値ないのに。
君が知ったのは、私の真実の一部に過ぎないのに。
再三、私は、ろくでなしだって言ったんだけどな。
当真くんを見送り、私は、マグカップを手にした。紅茶の水面には、冴えない私の顔が映ってる。
諏訪くんの恋人、貝瀬直くんに私のことを知られたら、殺されるかもしれないよな。実は彼は、激情家だから。哲学で武装してるけど、本性は獣だ。彼をカウンセリングしてきたから、それは間違いない。
私の恋は、元カレにズタズタにされてから、機能不全だし。
砕かれたガラス細工を、懸命に治した貝瀬くん。
壊れたままの私。治す力もない。
当真くん。私抜きで幸せになってほしい。とか。そんなことも願えないでいる。
私には、大好きなものがたくさんある。それを詰めてる箱があるんだ。
そして、時に私は、それに序列をつけて、細分化しなくちゃならない。
「君のことは、好きだよ」
「じゃあ、どうして?」
「例えば、アイドルものの話。私には、担当がひとりと、推しがたくさんいるの」
当真くんは、怪訝な顔をした。
私は、話を続ける。
「当真くんのことは、一番好き。だけど、私には、ゼロ番がいる。だから、その人を選ぶよ」
「その人ってのは?」
「……言えない」
本人にさえ、私は言えない。
諏訪洸太郎くんのことが好きで、どうしようもないの。
私が付き合いたいのかは、よく分からない。
恋とか愛とか、あんまりはっきりしてるワケじゃない。
ただ、不誠実なのは嫌だった。
「そうか。んー。ちょっとひとりで整理するわ」
「ん? うん。ごめんね」
当真くんは、カウンセリングルームから出て行った。
これで、よかったのかな。
他に、どうしたらいいか分からない。
私は、冷めたココアを飲み干した。
◆◆◆
後日。当真勇くんが、私の元にやって来て、告げた。
「3人で付き合えば解決すんじゃねーか?」
「はぁ?!」
「俺と砂子さんと、ゼロ番の奴で」
とんでもないこと言うな、この子。
「そもそも、その、ゼロ番の人には、恋人がいるんだよ」
「あー。じゃあ、ダメか」
「私は、彼らの恋を応援してきた身だしねぇ。それに、彼の恋人って凄く重たい人なんだよ。きっとモノガミー的だし、複数人交際が出来るタイプじゃないね」
「また、なんか考えて来るわ」
「…………」
諦めないんだ。
私には、そんな価値ないのに。
君が知ったのは、私の真実の一部に過ぎないのに。
再三、私は、ろくでなしだって言ったんだけどな。
当真くんを見送り、私は、マグカップを手にした。紅茶の水面には、冴えない私の顔が映ってる。
諏訪くんの恋人、貝瀬直くんに私のことを知られたら、殺されるかもしれないよな。実は彼は、激情家だから。哲学で武装してるけど、本性は獣だ。彼をカウンセリングしてきたから、それは間違いない。
私の恋は、元カレにズタズタにされてから、機能不全だし。
砕かれたガラス細工を、懸命に治した貝瀬くん。
壊れたままの私。治す力もない。
当真くん。私抜きで幸せになってほしい。とか。そんなことも願えないでいる。