私という一頁の物語
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贖罪のつもりはない。奉仕のつもりはない。善行のつもりはない。
私は、ただ、救われたいだけ。
そんな気持ちを見せないように、今もカウンセリングをしている。
「諏訪くん、何か不安や懸念事項はある?」
「んー。特には。やれることをやりますよ」
「そう。それがいいよ」
適材適所。君は、本当に隊長に向いてる子だ。
「砂子さん、これ、この前借りたやつ。ありがとうございました」
諏訪くんが、私が貸した小説を差し出す。
「おっ。どうだった?」
「SFだから見落としてましたけど、ミステリ要素もあって、スゲー面白かったです」
「よかった、よかった。また別のやつ持って来るよ」
「お願いします」
小説をデスクは上に置き、私は思い出した。
「あっ! ホームズのイメージティーあるんだった! 諏訪くん、ちょっと待ってて」
「はい」
シャーロック・ホームズのイメージティーは、4種類ある。どれにしようかな?
少し悩み、私は、緋色の研究のティーバッグを手にした。
「はい、緋色の研究ティー」
「ありがとうございます。こんなのあるんですね」
「ね。オタクを狙い打ちしてるよ」
アップル・ハイビスカス・リンデンなどが使われたブレンド紅茶は、赤い色をしている。
「殺人を表す赤なんだってさ」
「物騒だ…………」
「それが許されるから、物語って最高」
「確かに」
全ては、虚構。架空のお話。
物語は、人生を豊かにしてくれる。
「私、探偵やるなら、諏訪くんと組みたいな」
「俺が助手ですか?」
「違うよ。ふたり組みの探偵」
「そりゃ、楽しそうだ」
「でしょ?」
私と諏訪くんは、笑った。
そういう、仮の話をするのは好きだ。あったかもしれない世界。
ボーダーがなくなったら、探偵になろうかな。
まあ、近界民の脅威があるうちは、そうならないだろうけど。
「砂子さん」
「なに?」
「今日、低気圧だろ? 大丈夫ですか?」
「薬飲んだから、平気。あんまり他人の心配ばかりしないように」
「……はい」
お人好しなんだから。それが、君の美点だけどね。
その後。私たちは、お茶をしながら、推理小説の話をした。
諏訪くんには、特に心配な点はない。
「お疲れ様。何かあったら、いつでもおいで」
「お疲れ様です。ありがとうございました」
一礼し、諏訪くんは退室した。
後片付けをしながら、考える。私が、城戸さんに拾われた意味を。
私が、やらなきゃ。
私しかいないんだから。
私は、ただ、救われたいだけ。
そんな気持ちを見せないように、今もカウンセリングをしている。
「諏訪くん、何か不安や懸念事項はある?」
「んー。特には。やれることをやりますよ」
「そう。それがいいよ」
適材適所。君は、本当に隊長に向いてる子だ。
「砂子さん、これ、この前借りたやつ。ありがとうございました」
諏訪くんが、私が貸した小説を差し出す。
「おっ。どうだった?」
「SFだから見落としてましたけど、ミステリ要素もあって、スゲー面白かったです」
「よかった、よかった。また別のやつ持って来るよ」
「お願いします」
小説をデスクは上に置き、私は思い出した。
「あっ! ホームズのイメージティーあるんだった! 諏訪くん、ちょっと待ってて」
「はい」
シャーロック・ホームズのイメージティーは、4種類ある。どれにしようかな?
少し悩み、私は、緋色の研究のティーバッグを手にした。
「はい、緋色の研究ティー」
「ありがとうございます。こんなのあるんですね」
「ね。オタクを狙い打ちしてるよ」
アップル・ハイビスカス・リンデンなどが使われたブレンド紅茶は、赤い色をしている。
「殺人を表す赤なんだってさ」
「物騒だ…………」
「それが許されるから、物語って最高」
「確かに」
全ては、虚構。架空のお話。
物語は、人生を豊かにしてくれる。
「私、探偵やるなら、諏訪くんと組みたいな」
「俺が助手ですか?」
「違うよ。ふたり組みの探偵」
「そりゃ、楽しそうだ」
「でしょ?」
私と諏訪くんは、笑った。
そういう、仮の話をするのは好きだ。あったかもしれない世界。
ボーダーがなくなったら、探偵になろうかな。
まあ、近界民の脅威があるうちは、そうならないだろうけど。
「砂子さん」
「なに?」
「今日、低気圧だろ? 大丈夫ですか?」
「薬飲んだから、平気。あんまり他人の心配ばかりしないように」
「……はい」
お人好しなんだから。それが、君の美点だけどね。
その後。私たちは、お茶をしながら、推理小説の話をした。
諏訪くんには、特に心配な点はない。
「お疲れ様。何かあったら、いつでもおいで」
「お疲れ様です。ありがとうございました」
一礼し、諏訪くんは退室した。
後片付けをしながら、考える。私が、城戸さんに拾われた意味を。
私が、やらなきゃ。
私しかいないんだから。