一頁のおまけ
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“ひとりでいられなかったり、ひとりで行けないとこがあったりしたら、俺を呼べよ”
前に、砂子さんに言った台詞を思い出す。
でも、あんたは俺に頼ってくれない。
不満を考えながら歩いていると、ロビーの自販機前に、砂子さんが座っていた。
近付いてみると、眠っている。すやすやと。
壁を背にした彼女は、少しずつ倒れていっている。慌てて、隣に座って、俺の方に体を傾かせた。
砂子さんから、ひまわりの香りがする。
こんなに無防備なところを、初めて見た。
誰かに見られる前に、早く起こしたい。ずっと、このままでいたい。ふたつの気持ちが、俺の中で暴れる。
「砂子さん」
「…………ん」
「砂子さん、起きろよ」
「……はっ…………!? 当真くん?!」
「おはようさん」
砂子さんは、焦って体を離した。
「ごめん! 寝てた!」
「寝てたな」
ずれた眼鏡を直して、砂子さんは困り顔をする。
「誰かに見られたかな?」
「さぁ。俺以外は見てねーかもな」
「だといいんだけど…………」
へぇ。俺には見られてもいいのか?
少し嬉しくなった。
「なんかあったのか?」
「いや、昼ごはん食べたら眠くなったみたいで」
「そうか」
それなら、いい。なんかの事情で睡眠不足とかじゃねーなら。
「わっ!? もう休憩終わる! またね、当真くん! ありがとう!」
「じゃあな」
忙しなく去って行く砂子さんに手を振った。
「はぁ…………」
思わず、溜め息をつく。
あんたが困ってたら、喜んで助けるのにな。
「…………」
さっきの接触を思い出して、だんだんと平静を保てなくなってきた。
それに、なんだアレ? 俺に無防備な姿を晒したのに、全然気にしてねーの。
急いで作戦室に戻ろう。
足早に廊下を進み、定位置のソファーに座り込む。ニヤケちまうから、口元を手で隠した。
少しして、真木ちゃんが戻って来て、「顔が赤いけど、どうした?」と訊かれる。
「ちょっと、いいことがあっただけだ」
「あーそう。ちゃんと働け」
「へいへい」
生返事をして、砂子さんのことを反芻した。
ひまわりの香りのシャンプー使ってんだな、とか。寄りかかってきた重さとか。少し縮まった身長差とか。
それから、何より。俺は、寝てるとこ見てもいいのかってこと。
きっと、最大限崩れたあんたを見たことがあるからだろ?
見といてよかったよ、本当に。
いつか、全てを見せてほしい。
前に、砂子さんに言った台詞を思い出す。
でも、あんたは俺に頼ってくれない。
不満を考えながら歩いていると、ロビーの自販機前に、砂子さんが座っていた。
近付いてみると、眠っている。すやすやと。
壁を背にした彼女は、少しずつ倒れていっている。慌てて、隣に座って、俺の方に体を傾かせた。
砂子さんから、ひまわりの香りがする。
こんなに無防備なところを、初めて見た。
誰かに見られる前に、早く起こしたい。ずっと、このままでいたい。ふたつの気持ちが、俺の中で暴れる。
「砂子さん」
「…………ん」
「砂子さん、起きろよ」
「……はっ…………!? 当真くん?!」
「おはようさん」
砂子さんは、焦って体を離した。
「ごめん! 寝てた!」
「寝てたな」
ずれた眼鏡を直して、砂子さんは困り顔をする。
「誰かに見られたかな?」
「さぁ。俺以外は見てねーかもな」
「だといいんだけど…………」
へぇ。俺には見られてもいいのか?
少し嬉しくなった。
「なんかあったのか?」
「いや、昼ごはん食べたら眠くなったみたいで」
「そうか」
それなら、いい。なんかの事情で睡眠不足とかじゃねーなら。
「わっ!? もう休憩終わる! またね、当真くん! ありがとう!」
「じゃあな」
忙しなく去って行く砂子さんに手を振った。
「はぁ…………」
思わず、溜め息をつく。
あんたが困ってたら、喜んで助けるのにな。
「…………」
さっきの接触を思い出して、だんだんと平静を保てなくなってきた。
それに、なんだアレ? 俺に無防備な姿を晒したのに、全然気にしてねーの。
急いで作戦室に戻ろう。
足早に廊下を進み、定位置のソファーに座り込む。ニヤケちまうから、口元を手で隠した。
少しして、真木ちゃんが戻って来て、「顔が赤いけど、どうした?」と訊かれる。
「ちょっと、いいことがあっただけだ」
「あーそう。ちゃんと働け」
「へいへい」
生返事をして、砂子さんのことを反芻した。
ひまわりの香りのシャンプー使ってんだな、とか。寄りかかってきた重さとか。少し縮まった身長差とか。
それから、何より。俺は、寝てるとこ見てもいいのかってこと。
きっと、最大限崩れたあんたを見たことがあるからだろ?
見といてよかったよ、本当に。
いつか、全てを見せてほしい。