煙シリーズ
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雪が降っている。
三門市が死んだみたいに見えた。もっと降り積もれと思わなくもない。
季節が巡り、やがて春が来る。また、オレの両親を置き去りにして。
「ナマエ」
「洸太郎…………」
窓の外を見ていた俺の手を取り、恋人が心配そうな顔をした。
「どうした?」
「いつものことだよ。時の流れが恐ろしくて。それだけ」
「それだけってこたぁねーだろ」
自傷みたいな言葉を咎められる。
「……寒いのは嫌いだ」
「だな。帰ろうぜ」
オレと手を繋いだまま、雪降る街を歩いてくれるおまえに救われた。この温もりが、オレの全てだ。
当たり前のようにオレの家に上がり、共に過ごしてくれる。
「愛してるって、それだけ言って」
隣に座るおまえにワガママを言う。顔を上げられない。
「愛してるよ、ナマエ」
「うん。うん、ありがとう」
洸太郎の両腕が、オレの顔の方に伸ばされた。頬に手を添えられて、目と目が合う。
「泣いてねーな?」
「なんとか」
「俺は、おまえの笑顔が好きだ。でも、別に泣くのを我慢しなくていい」
「…………」
雪解けみたいに、涙が流れた。どうしようもなくて、洸太郎に抱き付く。
「……いなく、ならないでほしかった。ずっと一緒にいてほしかった。オレ、オレは…………」
恋人が、優しく背中を撫でた。
「ただ、独りでいたくなかった……!」
嘆きは、波のように寄せては返す。
「大丈夫だ。俺がいる」
「隣にいるのが、おまえでよかった…………」
愛してる。オレは、おまえを運命にしたんだ。
泣き止んでみたら、外は吹雪いている。
「泊まってけ」
「そうする」
半ば同棲してるみたいなもんだけど。いつでも新鮮に嬉しい。
「おまえは、無理に喋らなくていいし、無理に笑わなくていいし、独りじゃねぇ」
「ああ。ありがとう。オレ、もう大丈夫だから」
そう言って笑うと、頭を撫でられた。
「そういや、知ってっか?」
「ん?」
「俺たち、一部から、ヤンキーふたり組だと思われてるらしいぜ」
「おまえが金髪だからじゃん?」
「ナマエも、スーツの着こなしがヤカラみてーなんだよ」
「えー」
理不尽な。まあ、そんなものは跳ね返せばいい。
この世界は、偏見という抜け出せない檻で出来ている。
独りでは立ち向かえなくても、おまえがいれば戦えるよ。
オレは、言葉で。おまえは、散弾銃で。武器は違うけど、ボーダーの仲間だ。
ずっと、背中を追いかけてたが、今は並んでるから。
三門市が死んだみたいに見えた。もっと降り積もれと思わなくもない。
季節が巡り、やがて春が来る。また、オレの両親を置き去りにして。
「ナマエ」
「洸太郎…………」
窓の外を見ていた俺の手を取り、恋人が心配そうな顔をした。
「どうした?」
「いつものことだよ。時の流れが恐ろしくて。それだけ」
「それだけってこたぁねーだろ」
自傷みたいな言葉を咎められる。
「……寒いのは嫌いだ」
「だな。帰ろうぜ」
オレと手を繋いだまま、雪降る街を歩いてくれるおまえに救われた。この温もりが、オレの全てだ。
当たり前のようにオレの家に上がり、共に過ごしてくれる。
「愛してるって、それだけ言って」
隣に座るおまえにワガママを言う。顔を上げられない。
「愛してるよ、ナマエ」
「うん。うん、ありがとう」
洸太郎の両腕が、オレの顔の方に伸ばされた。頬に手を添えられて、目と目が合う。
「泣いてねーな?」
「なんとか」
「俺は、おまえの笑顔が好きだ。でも、別に泣くのを我慢しなくていい」
「…………」
雪解けみたいに、涙が流れた。どうしようもなくて、洸太郎に抱き付く。
「……いなく、ならないでほしかった。ずっと一緒にいてほしかった。オレ、オレは…………」
恋人が、優しく背中を撫でた。
「ただ、独りでいたくなかった……!」
嘆きは、波のように寄せては返す。
「大丈夫だ。俺がいる」
「隣にいるのが、おまえでよかった…………」
愛してる。オレは、おまえを運命にしたんだ。
泣き止んでみたら、外は吹雪いている。
「泊まってけ」
「そうする」
半ば同棲してるみたいなもんだけど。いつでも新鮮に嬉しい。
「おまえは、無理に喋らなくていいし、無理に笑わなくていいし、独りじゃねぇ」
「ああ。ありがとう。オレ、もう大丈夫だから」
そう言って笑うと、頭を撫でられた。
「そういや、知ってっか?」
「ん?」
「俺たち、一部から、ヤンキーふたり組だと思われてるらしいぜ」
「おまえが金髪だからじゃん?」
「ナマエも、スーツの着こなしがヤカラみてーなんだよ」
「えー」
理不尽な。まあ、そんなものは跳ね返せばいい。
この世界は、偏見という抜け出せない檻で出来ている。
独りでは立ち向かえなくても、おまえがいれば戦えるよ。
オレは、言葉で。おまえは、散弾銃で。武器は違うけど、ボーダーの仲間だ。
ずっと、背中を追いかけてたが、今は並んでるから。