一頁のおまけ
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「誰にやられた?」って訊かれたから、恨んでる人間の名前を4人分答えた。
当真くんは、ぎゅっと口を引き結び、去って行く。
それから、数日後。
私のことを“悪”だと吹聴した奴が殺された。
それを鵜呑みにして、私から離れた奴も殺された。
私の“罪”を挙げ連ねてから去った奴も殺された。
私の努力を不意にした元カレも殺された。
「当真くん…………」
「……自首して来る。また、砂子さんに会いたいからな」
へぇ。殺したんだ。4人も。
「……あはっ!」
私は、口元を押さえて笑った。本当に愉快で。
ずっと、死んでくれと願ってたんだよ。毎日、酷い目に遭えと思ってたんだよ。
「またね、当真くん」
私は、笑顔のまま、ひらひらと手を振った。
「またな」
当真くんは、警察に捕まり、少年院送りに。
そして、5年以上の月日が流れた。
私は、平然とカウンセラーをして過ごしている。
でも、新しい傷は付いた。
自宅にひとりでいると、インターホンが鳴る。
「はい」
「砂子さん。俺だ。当真勇」
「今開ける」
玄関のドアを開けて、彼を招き入れた。
「久し振り」
「ああ、久し振りだな」
ソファーに座らせてから、私は紅茶を淹れる。
マグカップをふたつ持ってソファーに戻り、ひとつ差し出した。
「どうぞ」
「サンキュー」
「いい子でいたみたいだね」
「まーな。退屈だったぜ」
マグカップがふたつ、ローテーブルに並ぶ。
「私のこと好きなの?」
「愛してる」
「そう。ありがとう」
私は、両手で当真くんの手を取り、微笑んだ。
「また、私のことを害する人が出たの」
「…………」
ああ、飴が足りてないか。
「勇くんなら、なんとかしてくれるよね?」
「もちろんだ」
「ふふ。ありがとう」
彼を抱き締めて、耳元で囁く。
勇くんは、そっと私を抱き締め返した。
「今日、泊まってきなよ」
「いいのか…………?」
「うん。添い寝することになるけど」
「そりゃ、いいな」
その晩、私たちは並んで寝る。恋人みたいに手を繋いで。
朝、いつも通り5時に目が覚める。隣では、勇くんが眠っていた。
眼鏡をかけてから、洗面所へ向かう。朝のルーティーンをこなし、6時になった。
「勇くん、起きて」
「ん…………」
「おはよう」
「おはようさん」
「朝ごはん、用意するよ」
まあ、レンジで温めるだけだけど。
その朝食を、勇くんは、美味しそうに食べた。
その後、しばらくふたりで、のんびりしていたら。
「そろそろ行くよ」
「そっか…………」
私は、出て行く彼を見送る。
「さよなら、勇くん」
「ああ。じゃあな、砂子さん」
もう、「またね」は言えないね。
当真くんは、ぎゅっと口を引き結び、去って行く。
それから、数日後。
私のことを“悪”だと吹聴した奴が殺された。
それを鵜呑みにして、私から離れた奴も殺された。
私の“罪”を挙げ連ねてから去った奴も殺された。
私の努力を不意にした元カレも殺された。
「当真くん…………」
「……自首して来る。また、砂子さんに会いたいからな」
へぇ。殺したんだ。4人も。
「……あはっ!」
私は、口元を押さえて笑った。本当に愉快で。
ずっと、死んでくれと願ってたんだよ。毎日、酷い目に遭えと思ってたんだよ。
「またね、当真くん」
私は、笑顔のまま、ひらひらと手を振った。
「またな」
当真くんは、警察に捕まり、少年院送りに。
そして、5年以上の月日が流れた。
私は、平然とカウンセラーをして過ごしている。
でも、新しい傷は付いた。
自宅にひとりでいると、インターホンが鳴る。
「はい」
「砂子さん。俺だ。当真勇」
「今開ける」
玄関のドアを開けて、彼を招き入れた。
「久し振り」
「ああ、久し振りだな」
ソファーに座らせてから、私は紅茶を淹れる。
マグカップをふたつ持ってソファーに戻り、ひとつ差し出した。
「どうぞ」
「サンキュー」
「いい子でいたみたいだね」
「まーな。退屈だったぜ」
マグカップがふたつ、ローテーブルに並ぶ。
「私のこと好きなの?」
「愛してる」
「そう。ありがとう」
私は、両手で当真くんの手を取り、微笑んだ。
「また、私のことを害する人が出たの」
「…………」
ああ、飴が足りてないか。
「勇くんなら、なんとかしてくれるよね?」
「もちろんだ」
「ふふ。ありがとう」
彼を抱き締めて、耳元で囁く。
勇くんは、そっと私を抱き締め返した。
「今日、泊まってきなよ」
「いいのか…………?」
「うん。添い寝することになるけど」
「そりゃ、いいな」
その晩、私たちは並んで寝る。恋人みたいに手を繋いで。
朝、いつも通り5時に目が覚める。隣では、勇くんが眠っていた。
眼鏡をかけてから、洗面所へ向かう。朝のルーティーンをこなし、6時になった。
「勇くん、起きて」
「ん…………」
「おはよう」
「おはようさん」
「朝ごはん、用意するよ」
まあ、レンジで温めるだけだけど。
その朝食を、勇くんは、美味しそうに食べた。
その後、しばらくふたりで、のんびりしていたら。
「そろそろ行くよ」
「そっか…………」
私は、出て行く彼を見送る。
「さよなら、勇くん」
「ああ。じゃあな、砂子さん」
もう、「またね」は言えないね。