A級9位!秋津隊
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ずっと、答えをはぐらかされていることくらい、気付いている。
「来馬」
「なに?」
「加古さんは、俺のこと、どう思ってるんだろうな?」
「嫌われてはないんだろうね」
「そうだな…………」
秋津豊久は、友人の来馬辰也の返答に納得した。
嫌われてはいない。嫌いなら、フラれるだろうから。
彼女は、告白も贈り物も、受け取ってくれてはいる。
でも、たまに怖くなる。鬱陶しくないか? うるさくないか?
「どうして、そんなに好きなの?」
来馬が訊く。いつの間にか、秋津は加古を好きになっていて、毎日のように告白しているから。
「……よく分からない。ただ、一目惚れだった。それで、中身も好きになっていったんだ」
加古望は、突然現れた秋津の人生を彩る花だった。
「舞台でなら、恋を何度も見てきた。だけど、いざ自分のこととなると、ままならないもんだな」
「ぼくは、秋津は凄いと思うよ。自分の気持ちを真っ直ぐ話せるところが」
「それしか取り柄がないんだ」
「そんなことない。秋津隊のみんなに慕われてる」
「来馬もだろ」
ふたりの隊は、和気あいあいとしており、少し似ている。
「あはは。ぼくたち、隊員に恵まれてるよね」
「ああ。みんな、いい奴だ」
秋津は、自然と笑顔になった。
「あ、あと、秋津は歌が上手い」
「そうか?」
「うん。また、舞台の歌聴かせてよ」
「俺でよければ」
秋津が唄う、枯れることなく咲き続ける花の歌が、来馬は好きである。それは、吸血種の少女を表す歌。
「今度、舞台のブルーレイ見ないか?」
「見てみたいなぁ」
「そのうち、うちの隊室に遊びに来い」
「うん。そうする」
腹芸や駆け引きや嘘が不得意な秋津を、不器用だとは思わない。いつだって真っ直ぐで、澄んだ泉のような男なのだ。
「そういえば、舞台を好きになったきっかけって?」
「母が舞台好きでな。家にDVDやパンフレットがあったからだ」
「そうなんだ……」
秋津の母は、彼を産んで亡くなったと聞いている。きっと、大切な母との繋がりなのだろう。
「秋津の男は、剣の道を生きるが、俺は、母の遺したものも大事にしたい」
「うん。それがいいよ」
柔らかく笑う来馬を見て、秋津は嬉しくなった。大切なものは、いくつあってもいいと肯定された気がして。
ふたりの間に、ひぐらしの声が響いた。
「来馬」
「なに?」
「加古さんは、俺のこと、どう思ってるんだろうな?」
「嫌われてはないんだろうね」
「そうだな…………」
秋津豊久は、友人の来馬辰也の返答に納得した。
嫌われてはいない。嫌いなら、フラれるだろうから。
彼女は、告白も贈り物も、受け取ってくれてはいる。
でも、たまに怖くなる。鬱陶しくないか? うるさくないか?
「どうして、そんなに好きなの?」
来馬が訊く。いつの間にか、秋津は加古を好きになっていて、毎日のように告白しているから。
「……よく分からない。ただ、一目惚れだった。それで、中身も好きになっていったんだ」
加古望は、突然現れた秋津の人生を彩る花だった。
「舞台でなら、恋を何度も見てきた。だけど、いざ自分のこととなると、ままならないもんだな」
「ぼくは、秋津は凄いと思うよ。自分の気持ちを真っ直ぐ話せるところが」
「それしか取り柄がないんだ」
「そんなことない。秋津隊のみんなに慕われてる」
「来馬もだろ」
ふたりの隊は、和気あいあいとしており、少し似ている。
「あはは。ぼくたち、隊員に恵まれてるよね」
「ああ。みんな、いい奴だ」
秋津は、自然と笑顔になった。
「あ、あと、秋津は歌が上手い」
「そうか?」
「うん。また、舞台の歌聴かせてよ」
「俺でよければ」
秋津が唄う、枯れることなく咲き続ける花の歌が、来馬は好きである。それは、吸血種の少女を表す歌。
「今度、舞台のブルーレイ見ないか?」
「見てみたいなぁ」
「そのうち、うちの隊室に遊びに来い」
「うん。そうする」
腹芸や駆け引きや嘘が不得意な秋津を、不器用だとは思わない。いつだって真っ直ぐで、澄んだ泉のような男なのだ。
「そういえば、舞台を好きになったきっかけって?」
「母が舞台好きでな。家にDVDやパンフレットがあったからだ」
「そうなんだ……」
秋津の母は、彼を産んで亡くなったと聞いている。きっと、大切な母との繋がりなのだろう。
「秋津の男は、剣の道を生きるが、俺は、母の遺したものも大事にしたい」
「うん。それがいいよ」
柔らかく笑う来馬を見て、秋津は嬉しくなった。大切なものは、いくつあってもいいと肯定された気がして。
ふたりの間に、ひぐらしの声が響いた。