煙シリーズ
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人間は、不可能性の生き物である。と、何かで読んだ。
オレは、出来ないことをしようとするのをやめて、出来ることだけすることにしている。
無理に話すのをやめて、煙たい喋りは卒業したし、戦闘員をやめて、メディア対策室に所属したんだ。
オレには、夢があった。また、家族5人で仲良く食卓を囲むという夢。
今は、4つの空席がある。そのひとつを、恋人の諏訪洸太郎が埋めてくれた。
それは、本当に嬉しいことで。オレは、幸せだ。
「なあ、洸太郎」
「どうした?」
「人が、不可能の青い薔薇を咲かせたように、オレの夢が叶う時が来るのかな?」
「ナマエの夢って?」
「おまえを、両親に紹介すること、とか」
「叶う。俺たちは、そこへ辿り着くはずだ」
洸太郎が、オレの手を握る。
「そうだよな。それがいい」
「まだ、真実を知るのが怖いか?」
「怖いよ。だけど、おまえがいれば大丈夫なんだ。未来を照らしてくれる気がするから」
月は、ずっと空にあるんだ。だから、オレは平気。
「オレのこと、見付けてくれて、ありがとう」
「そんな大層なことしてねーよ。おまえが強くなったのは、ひとりでも頑張ってたからだろ」
「うん。ありがとう」
どうしても、へらへら笑ってしまう。
おまえは、そう言ってくれるけど、“もしも”を考える。
もしも、洸太郎がいなかったら、今でも煙を吐いてただろう。居場所を失くしたままだっただろう。世界を呪う歪な化物だっただろう。
そして、これが一番嫌なんだけど。隣に座ってるのは、おまえじゃない誰かだったのかもしれない。
オレがボーダーに入った時に、最初に話しかけたのが、洸太郎でよかった。恋した相手が、おまえでよかった。
おまえを愛することに、見返りなんていらない。今は、そう思えるよ。
「洸太郎は、なんか困ってないの?」
「特にねーな。あっ」
「あっ?」
「ナマエが、結構モテてるのがムカつく」
「誰に?」
「俺は、おまえが、お喋りマシンガンと呼ばれてた頃から好きだってんだよ」
「……古参マウントじゃん」
恋人が可愛くて、おかしくて、笑った。
「最近、おまえ、スーツだしよ。ふざけやがって」
「しょうがないだろ……」
「スーツ着たくらいで……カッコよく見えて困る…………」
「照れるなら言うなよ」
いつか、不可能の青い薔薇が咲くように、いくつもの幸せが咲いたらいいな。
幸せは、いくつあってもいい。
技術の発展により、作ることが出来るようになった青い薔薇の花言葉は、「夢叶う」っていうんだ。
オレは、出来ないことをしようとするのをやめて、出来ることだけすることにしている。
無理に話すのをやめて、煙たい喋りは卒業したし、戦闘員をやめて、メディア対策室に所属したんだ。
オレには、夢があった。また、家族5人で仲良く食卓を囲むという夢。
今は、4つの空席がある。そのひとつを、恋人の諏訪洸太郎が埋めてくれた。
それは、本当に嬉しいことで。オレは、幸せだ。
「なあ、洸太郎」
「どうした?」
「人が、不可能の青い薔薇を咲かせたように、オレの夢が叶う時が来るのかな?」
「ナマエの夢って?」
「おまえを、両親に紹介すること、とか」
「叶う。俺たちは、そこへ辿り着くはずだ」
洸太郎が、オレの手を握る。
「そうだよな。それがいい」
「まだ、真実を知るのが怖いか?」
「怖いよ。だけど、おまえがいれば大丈夫なんだ。未来を照らしてくれる気がするから」
月は、ずっと空にあるんだ。だから、オレは平気。
「オレのこと、見付けてくれて、ありがとう」
「そんな大層なことしてねーよ。おまえが強くなったのは、ひとりでも頑張ってたからだろ」
「うん。ありがとう」
どうしても、へらへら笑ってしまう。
おまえは、そう言ってくれるけど、“もしも”を考える。
もしも、洸太郎がいなかったら、今でも煙を吐いてただろう。居場所を失くしたままだっただろう。世界を呪う歪な化物だっただろう。
そして、これが一番嫌なんだけど。隣に座ってるのは、おまえじゃない誰かだったのかもしれない。
オレがボーダーに入った時に、最初に話しかけたのが、洸太郎でよかった。恋した相手が、おまえでよかった。
おまえを愛することに、見返りなんていらない。今は、そう思えるよ。
「洸太郎は、なんか困ってないの?」
「特にねーな。あっ」
「あっ?」
「ナマエが、結構モテてるのがムカつく」
「誰に?」
「俺は、おまえが、お喋りマシンガンと呼ばれてた頃から好きだってんだよ」
「……古参マウントじゃん」
恋人が可愛くて、おかしくて、笑った。
「最近、おまえ、スーツだしよ。ふざけやがって」
「しょうがないだろ……」
「スーツ着たくらいで……カッコよく見えて困る…………」
「照れるなら言うなよ」
いつか、不可能の青い薔薇が咲くように、いくつもの幸せが咲いたらいいな。
幸せは、いくつあってもいい。
技術の発展により、作ることが出来るようになった青い薔薇の花言葉は、「夢叶う」っていうんだ。