一頁のおまけ
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うるせぇなぁ。ほっといてよ。
「無視すんなよ、砂子」
「なに?」
「俺と付き合え」
「嫌だが」
当真は、よくこういうことを言ってくる。私は、それが鬱陶しかった。
「なんで嫌なんだよ?」
「私は、私が嫌いなんだ。だから、好きとか言う奴は信用出来ない」
「へぇ」
当真は、私が何を言っても、ニヤニヤ笑ってる。
「忙しいから、どっか行け」
「本読んでるだけじゃねーか」
「今、いいとこなんだ」
普通は、読書してる私に話しかけたりしないんだよ。
私は、友人に借りたホラー小説のページをめくった。
ホラーやオカルト関連の本をよく読んでいると、一部の喧しいクラスメイトから、「死にたいの?」とか「魔女」とか言われる。そいつらよりは、当真の方がマシだけど、やっぱり邪魔だ。
当真の存在を無いものとして、私は過ごす。
そして、放課後。帰宅部の私は、直帰する。
玄関で、当真勇が待ち構えていた。しつこい。
「一緒に帰ろうぜ」
「……はぁ」
溜め息をひとつついて、私は靴を履き替えた。
帰路。なんかデケェ奴が歩幅を合わせて、隣を歩いている。
日除けにしかならない。
「当真は、なんで私なんか好きなの?」
「ろくでもないから」
「そこは一致してんだけどな。好きにはならないだろ、普通」
「おまえの普通だろ、それは」
それはそうだけど。
私は、友人がほとんどいないし、家族仲もよくないし。部活をやってないから、先輩と呼ばれることもない。
唯一、図書委員だけは真面目にやっている。
成績は、ピンキリで、学年一位から赤点まである。私が得意なのは、現代文と倫理と世界史。苦手なのは、数学。
当真とは、たまに赤点科目の補習で一緒になる。
よく遅刻するし、保健室に行くし、授業をサボるけど、何故か真面目そうに見られて、損をした。第一印象が真面目だと、後は株が下がるだけなんだから。
こんな人間を好きなんて、考え直した方がいい。
「君はさ、私が珍獣か何かに見えてんの?」
「いや、人間に見えるぜ」
「なんなんだよ…………」
私には、彼のことが分からなかった。考えても無駄なので、そんな思考にリソースは割かない。
「俺は、おまえが授業中に小説読んでるのを見てから、気になってたんだよ」
「はぁ、そう」
変人。言わないけど、変だよ。私もよく親に言われるけど。
「全然真面目じゃねーんだもんなー」
「別に私は、嘘をついてない」
「小賢しいよなー。そういうとこ好きだぜ」
「悪口だろ」
本当にワケ分からん。
「じゃあ、何か交換条件出してくれ。そんで、付き合おう」
「じゃあ、じゃねぇんだよな」
「好きだろ? 損得勘定」
「それは、まあ……」
身に染みついている癖だ。それもバレてんのかよ。
私は、何も与えたくない。もらったら、その分は返す。
貸しを作るのは好きだけど、絶対に返してもらう。どこまでも取り立てる。
「んー。じゃあ、私の嫌いな奴を殺してくれたらいいよ」
「了解」
「了解じゃねぇよ」
当真って、やっぱり変だし、怖い奴だよな。
私たちが、ふたりでいる未来なんて、あるんだろうか?
「無視すんなよ、砂子」
「なに?」
「俺と付き合え」
「嫌だが」
当真は、よくこういうことを言ってくる。私は、それが鬱陶しかった。
「なんで嫌なんだよ?」
「私は、私が嫌いなんだ。だから、好きとか言う奴は信用出来ない」
「へぇ」
当真は、私が何を言っても、ニヤニヤ笑ってる。
「忙しいから、どっか行け」
「本読んでるだけじゃねーか」
「今、いいとこなんだ」
普通は、読書してる私に話しかけたりしないんだよ。
私は、友人に借りたホラー小説のページをめくった。
ホラーやオカルト関連の本をよく読んでいると、一部の喧しいクラスメイトから、「死にたいの?」とか「魔女」とか言われる。そいつらよりは、当真の方がマシだけど、やっぱり邪魔だ。
当真の存在を無いものとして、私は過ごす。
そして、放課後。帰宅部の私は、直帰する。
玄関で、当真勇が待ち構えていた。しつこい。
「一緒に帰ろうぜ」
「……はぁ」
溜め息をひとつついて、私は靴を履き替えた。
帰路。なんかデケェ奴が歩幅を合わせて、隣を歩いている。
日除けにしかならない。
「当真は、なんで私なんか好きなの?」
「ろくでもないから」
「そこは一致してんだけどな。好きにはならないだろ、普通」
「おまえの普通だろ、それは」
それはそうだけど。
私は、友人がほとんどいないし、家族仲もよくないし。部活をやってないから、先輩と呼ばれることもない。
唯一、図書委員だけは真面目にやっている。
成績は、ピンキリで、学年一位から赤点まである。私が得意なのは、現代文と倫理と世界史。苦手なのは、数学。
当真とは、たまに赤点科目の補習で一緒になる。
よく遅刻するし、保健室に行くし、授業をサボるけど、何故か真面目そうに見られて、損をした。第一印象が真面目だと、後は株が下がるだけなんだから。
こんな人間を好きなんて、考え直した方がいい。
「君はさ、私が珍獣か何かに見えてんの?」
「いや、人間に見えるぜ」
「なんなんだよ…………」
私には、彼のことが分からなかった。考えても無駄なので、そんな思考にリソースは割かない。
「俺は、おまえが授業中に小説読んでるのを見てから、気になってたんだよ」
「はぁ、そう」
変人。言わないけど、変だよ。私もよく親に言われるけど。
「全然真面目じゃねーんだもんなー」
「別に私は、嘘をついてない」
「小賢しいよなー。そういうとこ好きだぜ」
「悪口だろ」
本当にワケ分からん。
「じゃあ、何か交換条件出してくれ。そんで、付き合おう」
「じゃあ、じゃねぇんだよな」
「好きだろ? 損得勘定」
「それは、まあ……」
身に染みついている癖だ。それもバレてんのかよ。
私は、何も与えたくない。もらったら、その分は返す。
貸しを作るのは好きだけど、絶対に返してもらう。どこまでも取り立てる。
「んー。じゃあ、私の嫌いな奴を殺してくれたらいいよ」
「了解」
「了解じゃねぇよ」
当真って、やっぱり変だし、怖い奴だよな。
私たちが、ふたりでいる未来なんて、あるんだろうか?