一頁のおまけ
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私は、人を殺そうとした。
赤を巻き付けてくれ。
不快だ。気持ち悪い。赦すだなんて。
「懲役3ヶ月。それが、私の食らった罰」
「罰じゃなくて、治療だろ」
当真くんは、そう言った。
「退屈で退屈で退屈で退屈で退屈で退屈で、死にそうだったよ。そういう刑だったんだ」
「砂子さん、まだ死にたいのか?」
「死にたくない。私は、生きたい」
誰に迷惑をかけてでも。
「私は、役に立つだろ? 苦しんでる人に出来ることがあるなら、それを使命と呼ばせてほしい…………」
「んなもんは、捨てちまえ。あんたは、がんばり過ぎだ」
「がんばってないよ、何も。努力って嫌いなんだ」
溜め息をつく。私は、出来ることしかやらないんだ。
「なあ、俺と逃げようぜ」
「私…………脅しじゃないけど、俺次第なのにな。みんなの精神の安寧。心の平穏。ボーダーの先行きにも、多少は関わってる」
「砂子さんが、ひとりで背負うものじゃない」
「しょうがないだろ。私しかいないんだから」
逃げられない。逃げてはいけない。
「代わりはいるはずだ」
「そりゃあ、そうだけど。その代わりの人は、遅かれ早かれ潰れるよ。でも、私は潰れないから。都合がいいだろ?」
「あんたは、ただの人間だ。その荷物は重過ぎる。潰れなくたって、傷付くだろ」
「だから?」
それくらい、安いものだ。私に、生傷が絶えないことくらい。
「砂子さんのことが、心配なんです」
「心配?」
「はい」
「私は、大人だ。私は、カウンセラーだ」
やめてよ。
「関係ねーよ。砂子さんは、ただの人間だって言ったろ」
「…………」
やめろ。
「俺を引き戻すな……ただの罪人に…………」
「俺の手を取れよ」
「いらない」
私は、差し出された手を払った。
余計なお世話だ。
それに、君は子供じゃないか。私が守るべき者。
君には、私に巻き付けられた赤色のタグが見えてるのか?
赤は、最優先治療群。ただちに処置を行えば、救命が可能な者。
でもね、この血の色が酸化して、黒色になったって、私は構わないんだよ。
多くの人に読まれた私は、決して死なない。現海砂子という物語は、生き続ける。それでいいんだよ。
だけど、君が悲しそうな顔をするから、私は、どうしたらいいのか分からない。
「当真くん。どうして、そんなに私のことなんか気にするの?」
「それは……俺が…………」
当真くんは、黙り込んでしまった。
「ごめんね。君のこと、何も分からなくて」
「謝るなよ…………」
君は、私のせいで傷付いてるの?
「俺はただ、あんたを独りにしたくねーだけなんだ」
そう言って、彼は、私の腕を掴む。
そこにあるタグは、何色?
赤を巻き付けてくれ。
不快だ。気持ち悪い。赦すだなんて。
「懲役3ヶ月。それが、私の食らった罰」
「罰じゃなくて、治療だろ」
当真くんは、そう言った。
「退屈で退屈で退屈で退屈で退屈で退屈で、死にそうだったよ。そういう刑だったんだ」
「砂子さん、まだ死にたいのか?」
「死にたくない。私は、生きたい」
誰に迷惑をかけてでも。
「私は、役に立つだろ? 苦しんでる人に出来ることがあるなら、それを使命と呼ばせてほしい…………」
「んなもんは、捨てちまえ。あんたは、がんばり過ぎだ」
「がんばってないよ、何も。努力って嫌いなんだ」
溜め息をつく。私は、出来ることしかやらないんだ。
「なあ、俺と逃げようぜ」
「私…………脅しじゃないけど、俺次第なのにな。みんなの精神の安寧。心の平穏。ボーダーの先行きにも、多少は関わってる」
「砂子さんが、ひとりで背負うものじゃない」
「しょうがないだろ。私しかいないんだから」
逃げられない。逃げてはいけない。
「代わりはいるはずだ」
「そりゃあ、そうだけど。その代わりの人は、遅かれ早かれ潰れるよ。でも、私は潰れないから。都合がいいだろ?」
「あんたは、ただの人間だ。その荷物は重過ぎる。潰れなくたって、傷付くだろ」
「だから?」
それくらい、安いものだ。私に、生傷が絶えないことくらい。
「砂子さんのことが、心配なんです」
「心配?」
「はい」
「私は、大人だ。私は、カウンセラーだ」
やめてよ。
「関係ねーよ。砂子さんは、ただの人間だって言ったろ」
「…………」
やめろ。
「俺を引き戻すな……ただの罪人に…………」
「俺の手を取れよ」
「いらない」
私は、差し出された手を払った。
余計なお世話だ。
それに、君は子供じゃないか。私が守るべき者。
君には、私に巻き付けられた赤色のタグが見えてるのか?
赤は、最優先治療群。ただちに処置を行えば、救命が可能な者。
でもね、この血の色が酸化して、黒色になったって、私は構わないんだよ。
多くの人に読まれた私は、決して死なない。現海砂子という物語は、生き続ける。それでいいんだよ。
だけど、君が悲しそうな顔をするから、私は、どうしたらいいのか分からない。
「当真くん。どうして、そんなに私のことなんか気にするの?」
「それは……俺が…………」
当真くんは、黙り込んでしまった。
「ごめんね。君のこと、何も分からなくて」
「謝るなよ…………」
君は、私のせいで傷付いてるの?
「俺はただ、あんたを独りにしたくねーだけなんだ」
そう言って、彼は、私の腕を掴む。
そこにあるタグは、何色?