私という一頁の物語
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
パン売り場をうろうろしていたら、お茶に合いそうなパウンドケーキを見付けた。ので、ドサドサと買い物かごに入れる。
「砂子さん」
「お、弓場くん。こんにちは」
「こんにちは。それ……」
「あ、パウンドケーキ? 買うの?」
「はい」
「いくつ?」
「5つです」
「了解。戻す戻す」
かごから、パウンドケーキを出した。
「ありがとうございます」と、弓場拓磨くんは一礼する。
「いやいや、気にしないで」
「いつも、砂子さんが用意を?」
「そうだよ。おかげで、私が食べたいものを選べる」
「……でも、カウンセリングに行った奴らは、自分の好みのものが出てきたって」
「あー、それはまあ、出来るだけそうしてる」
少しでも、リラックスしてほしいから。
「私は、わりとなんでも食べられるから、大丈夫」
「そうですか」
「うん」
「……カウンセリングを受けるほどじゃないんですが、話したいことがあります」
「連絡先交換する?」
「お願いします」
「オーケー」
私は、スマホを取り出して、QRコードを見せる。
「気軽にメッセージしてね」
「はい」
弓場くんは、また一礼して去って行った。
そうなんだよなぁ。カウンセリングルームに来ない子も結構いるんだよなぁ。
ちょっとしたことでも、来ていいんだけどな。
カウンセリングは、医療行為じゃない。もっと、欧米みたいにカジュアル化しないもんかね。
白衣、やめた方がいいのかな? 私が好きで着てるだけだし。でも、黒スーツもそれはそれで威圧感があるような気がする。
考え事をしながら、会計を済ませ、帰路につく。
弓場くんの話したいことってなんだろう? ランク戦で負けたこと? 個人的なこと?
いずれにしても、私は、誠心誠意対応しよう。
「ただいま」
「おかえり」
帰宅すると、弟が起きていた。もう昼だからな。
「砂子、また甘いもの買った?」
「うん」
「太るぞ」
「うるせー。頭脳労働だから、仕方ないんじゃー」
反論する私。弟は、呆れ顔をしている。
部屋着になり、ソファーに寝転んだ。
スマホでインターネットを徘徊し、二次元の前髪両メカクレ・金髪褐色肌チャラ男・美少女などを眺める。
少しして、弓場くんから、メッセージがきた。
『神田が抜けたからこそ、勝ちたかったです』
ストレートな気遣いだな、と思う。
『君は、神田くんの指揮のおかげで、闘いに専念出来ていたもんね』
『エースと指揮を両立させるのは、難しいことだよ』
『それを目指したことに価値があるくらい』
『叶わなかったことに意味がないとは、私は思わないな』
その後悔は、過去は、いずれ宝石になるから。
「砂子さん」
「お、弓場くん。こんにちは」
「こんにちは。それ……」
「あ、パウンドケーキ? 買うの?」
「はい」
「いくつ?」
「5つです」
「了解。戻す戻す」
かごから、パウンドケーキを出した。
「ありがとうございます」と、弓場拓磨くんは一礼する。
「いやいや、気にしないで」
「いつも、砂子さんが用意を?」
「そうだよ。おかげで、私が食べたいものを選べる」
「……でも、カウンセリングに行った奴らは、自分の好みのものが出てきたって」
「あー、それはまあ、出来るだけそうしてる」
少しでも、リラックスしてほしいから。
「私は、わりとなんでも食べられるから、大丈夫」
「そうですか」
「うん」
「……カウンセリングを受けるほどじゃないんですが、話したいことがあります」
「連絡先交換する?」
「お願いします」
「オーケー」
私は、スマホを取り出して、QRコードを見せる。
「気軽にメッセージしてね」
「はい」
弓場くんは、また一礼して去って行った。
そうなんだよなぁ。カウンセリングルームに来ない子も結構いるんだよなぁ。
ちょっとしたことでも、来ていいんだけどな。
カウンセリングは、医療行為じゃない。もっと、欧米みたいにカジュアル化しないもんかね。
白衣、やめた方がいいのかな? 私が好きで着てるだけだし。でも、黒スーツもそれはそれで威圧感があるような気がする。
考え事をしながら、会計を済ませ、帰路につく。
弓場くんの話したいことってなんだろう? ランク戦で負けたこと? 個人的なこと?
いずれにしても、私は、誠心誠意対応しよう。
「ただいま」
「おかえり」
帰宅すると、弟が起きていた。もう昼だからな。
「砂子、また甘いもの買った?」
「うん」
「太るぞ」
「うるせー。頭脳労働だから、仕方ないんじゃー」
反論する私。弟は、呆れ顔をしている。
部屋着になり、ソファーに寝転んだ。
スマホでインターネットを徘徊し、二次元の前髪両メカクレ・金髪褐色肌チャラ男・美少女などを眺める。
少しして、弓場くんから、メッセージがきた。
『神田が抜けたからこそ、勝ちたかったです』
ストレートな気遣いだな、と思う。
『君は、神田くんの指揮のおかげで、闘いに専念出来ていたもんね』
『エースと指揮を両立させるのは、難しいことだよ』
『それを目指したことに価値があるくらい』
『叶わなかったことに意味がないとは、私は思わないな』
その後悔は、過去は、いずれ宝石になるから。