A級9位!秋津隊
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
謝らなくてはならない。
あれから、数日後。冷泉冬樹は、水上敏志と話している。
「水上、僕と、生駒さんに謝ろう」
「なに言うてんの? 自分」
「だって、勝手に片想いを潰そうとしてるんだよ?」
「潰した方がええやろ」
水上は、冷泉のことを見ずに言った。
「それは、水上の都合だろ。生駒さんのことが好きなら、彼の幸せを願ってあげようよ!」
「俺が、悪もんなん? 好きな人の幸せを願うべき。それ、冷泉の理屈やろ。あと、四季さんが男と付き合うとは思えへんしな」
「そうだよ……僕の思想だよ…………でも、四季さんの気持ちを決め付けるのはやめてくれ……」
冷泉は、懸命に話す。どうか、この言葉が届いてほしい。
「そんなら、イコさんが幸せになれる根拠はあるんやろうな?」
「ない。ただ、僕は、四季さんが生駒さんを悲しませることはないって信じてる」
「……どうせえっちゅうねん」
「生駒さんに、告白するように助言する」
「アホらし。女おる男相手に?」
冷泉は、ぎゅっと両の拳を握った。
「そんな状況にしたのは、僕らだろ」
「…………」
「僕は、ひとりでもやる」
「せやったら、俺は帰るわ」
水上は、冷泉に背を向けて歩き出す。
それを、冷泉は止めなかった。
◆◆◆
澪川四季は、自室で、生駒達人とテレビゲームをしている。
「ぎゃーっ! 今の投げ抜け何!? ズル! ズルした!」
「してへん」
格闘ゲームで対戦して、澪川は劣勢に立たされていた。
コントローラーを投げた澪川を見て、生駒もコントローラーを置く。
「なあ、四季」
「ん? なに?」
「好きや」
「うん?」
「俺は、四季のことが好きや」
「えっ!?」
昨日、生駒は冷泉に言われたのだ。「生駒さん、四季さんに想いを告げる勇気はありますか?」と。その問いの答えが、今の告白である。
「な、あ、冗談?」
「冗談やあらへん」
「俺、彼女いるんだけど……」
「それでも、言わずにはおれへんかってん」
「俺は…………」
澪川は、数分間沈黙した。そして、スマートフォンを取り出し、恋人に連絡をする。
「あー、元気? うん。そっか」
生駒は、静かに澪川を見ていた。
「ひとつ、大事な話があって。うん。俺と別れてください」
目を見開く生駒。
「俺が悪いんだ。ごめんね。さよなら」
通話を切り、元彼女の連絡先を消す。
「悪い、待たせた」
「いや、四季……今の……」
信じられないことが起こったと思った。そして、申し訳なさも込み上げてくる。
気を遣わせた? 無理をさせた?
「俺は、達人が悲しいのは嫌だ。これが、おまえと同じ気持ちかは分からないけど。でも、俺は、おまえのことが大切だよ」
澪川は、生駒を正面から抱き締めた。
「四季…………」
「愛してるから、そんな顔すんな」
「四季……」
「大丈夫。俺は、達人といるよ」
軽薄に大勢の女を追いかけていた男は、ひとりの男を選んだ。
ふたりの人生は続く。
あれから、数日後。冷泉冬樹は、水上敏志と話している。
「水上、僕と、生駒さんに謝ろう」
「なに言うてんの? 自分」
「だって、勝手に片想いを潰そうとしてるんだよ?」
「潰した方がええやろ」
水上は、冷泉のことを見ずに言った。
「それは、水上の都合だろ。生駒さんのことが好きなら、彼の幸せを願ってあげようよ!」
「俺が、悪もんなん? 好きな人の幸せを願うべき。それ、冷泉の理屈やろ。あと、四季さんが男と付き合うとは思えへんしな」
「そうだよ……僕の思想だよ…………でも、四季さんの気持ちを決め付けるのはやめてくれ……」
冷泉は、懸命に話す。どうか、この言葉が届いてほしい。
「そんなら、イコさんが幸せになれる根拠はあるんやろうな?」
「ない。ただ、僕は、四季さんが生駒さんを悲しませることはないって信じてる」
「……どうせえっちゅうねん」
「生駒さんに、告白するように助言する」
「アホらし。女おる男相手に?」
冷泉は、ぎゅっと両の拳を握った。
「そんな状況にしたのは、僕らだろ」
「…………」
「僕は、ひとりでもやる」
「せやったら、俺は帰るわ」
水上は、冷泉に背を向けて歩き出す。
それを、冷泉は止めなかった。
◆◆◆
澪川四季は、自室で、生駒達人とテレビゲームをしている。
「ぎゃーっ! 今の投げ抜け何!? ズル! ズルした!」
「してへん」
格闘ゲームで対戦して、澪川は劣勢に立たされていた。
コントローラーを投げた澪川を見て、生駒もコントローラーを置く。
「なあ、四季」
「ん? なに?」
「好きや」
「うん?」
「俺は、四季のことが好きや」
「えっ!?」
昨日、生駒は冷泉に言われたのだ。「生駒さん、四季さんに想いを告げる勇気はありますか?」と。その問いの答えが、今の告白である。
「な、あ、冗談?」
「冗談やあらへん」
「俺、彼女いるんだけど……」
「それでも、言わずにはおれへんかってん」
「俺は…………」
澪川は、数分間沈黙した。そして、スマートフォンを取り出し、恋人に連絡をする。
「あー、元気? うん。そっか」
生駒は、静かに澪川を見ていた。
「ひとつ、大事な話があって。うん。俺と別れてください」
目を見開く生駒。
「俺が悪いんだ。ごめんね。さよなら」
通話を切り、元彼女の連絡先を消す。
「悪い、待たせた」
「いや、四季……今の……」
信じられないことが起こったと思った。そして、申し訳なさも込み上げてくる。
気を遣わせた? 無理をさせた?
「俺は、達人が悲しいのは嫌だ。これが、おまえと同じ気持ちかは分からないけど。でも、俺は、おまえのことが大切だよ」
澪川は、生駒を正面から抱き締めた。
「四季…………」
「愛してるから、そんな顔すんな」
「四季……」
「大丈夫。俺は、達人といるよ」
軽薄に大勢の女を追いかけていた男は、ひとりの男を選んだ。
ふたりの人生は続く。