A級9位!秋津隊
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四季さんに、彼女が出来た。水上の思惑通りに。
冷泉冬樹は、生駒達人の失恋を見た。
ごめんなさい。僕らのせいで。
「ちょっと、相談がある。うち、今、人いないから来て」と言って、秋津隊の隊室に親友を呼び出した。
ふたりきりの作戦室で、しばし静寂が降りる。
「なんの用なん?」
沈黙を破った水上は、あくまで平静だ。
「四季さんの交際、長続きしないと思う」
「なんで?」
「彼女、なんか四季さんに理想を押し付けてるように見えたから」
「ふぅん」
さして興味がないらしい。
「水上は、生駒さんのことが好きなの?」
「さぁ。ただ、あの人が辛いのは嫌や」
「今、辛いのはいいの?」
「そのうち乗り越えるやろ」
水上の気持ちはなんだ? 僕のこの気持ちはなんだ?
冷泉には、分からなかった。
「ただいまーっす」
「香介……おかえり…………」
「あ、水上先輩、こんにちは。あれ? お邪魔でした?」
「いや、話は終わったとこや。帰るわ」
「うん。じゃあね」
水上は、去って行く。
「香介」
「はい」
春日井香介には、恋人がいる。だから、冷泉は尋ねてみた。
「恋って、どういうもの?」
「んー。どきどきして、楽しいものですけど」
「そうなんだ」
それなら君は、幸せ者なんだろうね。
「冬樹先輩、恋してるの?」
「よく分からない。僕は、違う気がしてるけど」
「なるほど。先輩、恋って人によっては、呪いらしいよ?」
「呪い…………」
ああ、そうだ。呪いだ。僕は、水上を呪っている。友情を手放したら赦さないと思っている。
「香介、僕は、ただただ呪う者になったらしい」
「冬樹先輩が?」
「僕は、親友を失うかもしれないな」
水上先輩を?
春日井は、訊けなかった。
「それでも…………」
間違いを正す必要がある。他人の恋を利用したこと。生駒さんの恋を葬ろうとしていること。
やめなくてはならない。
「僕の恋に至らないこの気持ちでさえ、持つのが苦しいのに、本当に恋をしてる人は、もっと大変なんだろうね」
「まあ、恋って負の側面もありますよねー」
春日井は、嫉妬を消したことがある。
「それにしても、香介は凄いな。奈良坂に自分から告白したんだもんな」
「凄くはないっすよ。おれは、ワガママなだけなんで」
「ワガママ、か……」
ワガママを通した春日井。我を貫く夏海。一途さを抱え続ける秋津。そして、自分本位なようで、他者を思いやれる澪川。
逃げているのは、僕だけか。
一度、崩された恋があった。ズタズタに引き裂かれた心があった。
だけど、過去は乗り越えられる。
冷泉冬樹は、生駒達人の失恋を見た。
ごめんなさい。僕らのせいで。
「ちょっと、相談がある。うち、今、人いないから来て」と言って、秋津隊の隊室に親友を呼び出した。
ふたりきりの作戦室で、しばし静寂が降りる。
「なんの用なん?」
沈黙を破った水上は、あくまで平静だ。
「四季さんの交際、長続きしないと思う」
「なんで?」
「彼女、なんか四季さんに理想を押し付けてるように見えたから」
「ふぅん」
さして興味がないらしい。
「水上は、生駒さんのことが好きなの?」
「さぁ。ただ、あの人が辛いのは嫌や」
「今、辛いのはいいの?」
「そのうち乗り越えるやろ」
水上の気持ちはなんだ? 僕のこの気持ちはなんだ?
冷泉には、分からなかった。
「ただいまーっす」
「香介……おかえり…………」
「あ、水上先輩、こんにちは。あれ? お邪魔でした?」
「いや、話は終わったとこや。帰るわ」
「うん。じゃあね」
水上は、去って行く。
「香介」
「はい」
春日井香介には、恋人がいる。だから、冷泉は尋ねてみた。
「恋って、どういうもの?」
「んー。どきどきして、楽しいものですけど」
「そうなんだ」
それなら君は、幸せ者なんだろうね。
「冬樹先輩、恋してるの?」
「よく分からない。僕は、違う気がしてるけど」
「なるほど。先輩、恋って人によっては、呪いらしいよ?」
「呪い…………」
ああ、そうだ。呪いだ。僕は、水上を呪っている。友情を手放したら赦さないと思っている。
「香介、僕は、ただただ呪う者になったらしい」
「冬樹先輩が?」
「僕は、親友を失うかもしれないな」
水上先輩を?
春日井は、訊けなかった。
「それでも…………」
間違いを正す必要がある。他人の恋を利用したこと。生駒さんの恋を葬ろうとしていること。
やめなくてはならない。
「僕の恋に至らないこの気持ちでさえ、持つのが苦しいのに、本当に恋をしてる人は、もっと大変なんだろうね」
「まあ、恋って負の側面もありますよねー」
春日井は、嫉妬を消したことがある。
「それにしても、香介は凄いな。奈良坂に自分から告白したんだもんな」
「凄くはないっすよ。おれは、ワガママなだけなんで」
「ワガママ、か……」
ワガママを通した春日井。我を貫く夏海。一途さを抱え続ける秋津。そして、自分本位なようで、他者を思いやれる澪川。
逃げているのは、僕だけか。
一度、崩された恋があった。ズタズタに引き裂かれた心があった。
だけど、過去は乗り越えられる。