A級9位!秋津隊
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たった一度のキスで、世界の全てが変わってしまった。
少し前に、戯れのようにキスをした澪川四季と生駒達人。
澪川は、別段何も変わらなかった。変わったのは、生駒だけ。
あの時から、明確に澪川を意識するようになった。恋愛感情を持ち、それは今でも冷めない。
四季は、なんとも思ってへん。俺だけが、好きなんや。
生駒の考えは、正解である。
ふたりは、親友のまま。一方的に、かけ違えたまま。片想いを抱き締めている。
澪川が、“なんともなかった”から、生駒も、そういうことにしただけ。その小さな嘘が、日に日に自分を苦しめる。
「達人~!」
「なんや?」
「また、ののちゃんにフラれた~!」
「そら、残念やったな」
本当は、よかったと思った。
「ん?」
「どしたん?」
「いや、なんか冷泉からメッセージきて」
スマートフォンをふたりで覗く。
『四季さんのこと好きらしい女子がいるんですが、お繋ぎしますか?』
は?
「マジ!? ハッピーライフ!?」
「ええやん」
何もよくない。四季を奪らないでほしい。
別に、今までも澪川四季はハッピーだった。そのはずなのに、明らかに浮わついて、喜んでいて、嫌になる。嫌になることも、嫌だった。
以前の自分なら、一緒に喜んでいただろうに。
「どんな子かな~? キレイ系? カワイイ系?」
付き合うことを前向きに検討する四季。そんな彼に、思わず言葉を投げてしまう。
「四季、置いて行かへんといて……」
「達人? 置いて行かないって。俺が、彼女作ったって、マブと疎遠になるワケねぇじゃん」
「そうやな…………」
歯を見せて笑う四季に、そう返すしかなかった。
いつの間に、親友の幸せを祝えない人間になったのだろう?
◆◆◆
「イコさん。なんか落ち込んではります?」
隊室にて、水上敏志に訊かれた。
「せやねん。四季に彼女出来てな」
「ああ、それで寂しいっちゅう話ですか」
「そんなとこやな」
「でも、四季さん、別に普通にイコさんにも絡むやないですか」
それでは足りないという、この気持ちはなんなのだろう?
それは、渇望だった。心の底からの渇き。
「まあ、寂しいんやったら、俺らがおりますんで」
「そうやな。頼りにしてんで」
本心から、そう思った。大切な仲間を心配させたいワケでもなし。片想いなんて、いずれは薄れるだろう。時が経てば、きっと。
ただ、それだけが生駒の希望だった。
ふいに、ノックの音がする。
扉を開けたのは、冷泉冬樹だった。
「こんにちは、生駒さん。水上、お借りします」
「なんや、なんや」
「ちょっと、相談がある。うち、今、人いないから来て」
「了解。ほな、行ってきますわ」
「ああ。ほなな」
その後、他の隊員にも「寂しそう」だとからかわれて、いつも通りに過ごす。
片想いは、ただの勘違いだったのかもしれないと、自分に言い聞かせた。
少し前に、戯れのようにキスをした澪川四季と生駒達人。
澪川は、別段何も変わらなかった。変わったのは、生駒だけ。
あの時から、明確に澪川を意識するようになった。恋愛感情を持ち、それは今でも冷めない。
四季は、なんとも思ってへん。俺だけが、好きなんや。
生駒の考えは、正解である。
ふたりは、親友のまま。一方的に、かけ違えたまま。片想いを抱き締めている。
澪川が、“なんともなかった”から、生駒も、そういうことにしただけ。その小さな嘘が、日に日に自分を苦しめる。
「達人~!」
「なんや?」
「また、ののちゃんにフラれた~!」
「そら、残念やったな」
本当は、よかったと思った。
「ん?」
「どしたん?」
「いや、なんか冷泉からメッセージきて」
スマートフォンをふたりで覗く。
『四季さんのこと好きらしい女子がいるんですが、お繋ぎしますか?』
は?
「マジ!? ハッピーライフ!?」
「ええやん」
何もよくない。四季を奪らないでほしい。
別に、今までも澪川四季はハッピーだった。そのはずなのに、明らかに浮わついて、喜んでいて、嫌になる。嫌になることも、嫌だった。
以前の自分なら、一緒に喜んでいただろうに。
「どんな子かな~? キレイ系? カワイイ系?」
付き合うことを前向きに検討する四季。そんな彼に、思わず言葉を投げてしまう。
「四季、置いて行かへんといて……」
「達人? 置いて行かないって。俺が、彼女作ったって、マブと疎遠になるワケねぇじゃん」
「そうやな…………」
歯を見せて笑う四季に、そう返すしかなかった。
いつの間に、親友の幸せを祝えない人間になったのだろう?
◆◆◆
「イコさん。なんか落ち込んではります?」
隊室にて、水上敏志に訊かれた。
「せやねん。四季に彼女出来てな」
「ああ、それで寂しいっちゅう話ですか」
「そんなとこやな」
「でも、四季さん、別に普通にイコさんにも絡むやないですか」
それでは足りないという、この気持ちはなんなのだろう?
それは、渇望だった。心の底からの渇き。
「まあ、寂しいんやったら、俺らがおりますんで」
「そうやな。頼りにしてんで」
本心から、そう思った。大切な仲間を心配させたいワケでもなし。片想いなんて、いずれは薄れるだろう。時が経てば、きっと。
ただ、それだけが生駒の希望だった。
ふいに、ノックの音がする。
扉を開けたのは、冷泉冬樹だった。
「こんにちは、生駒さん。水上、お借りします」
「なんや、なんや」
「ちょっと、相談がある。うち、今、人いないから来て」
「了解。ほな、行ってきますわ」
「ああ。ほなな」
その後、他の隊員にも「寂しそう」だとからかわれて、いつも通りに過ごす。
片想いは、ただの勘違いだったのかもしれないと、自分に言い聞かせた。