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家が檻のようになるか、安らげる居場所になるかは、大人である私次第だと思う。
深月くんとふたり暮らしするには、ちょっと手狭やから、引っ越しをしようと考えた。
オジギ荘というところに、内見に行くことにする。
「近所のコンビニとかの様子を知りたいんやけど」
見た感じ、治安は良さそうやんなぁ。
ふと、なんだか分からない植物が目に止まった。
品種改良したオジギソウ?
それはともかく、105号室へ入る。
「広めの一部屋をひとりで持てるのはいいやんねぇ」
ダイニングキッチンも広くていい。
「いい物件やねぇ」
「うん」
部屋を一通り見終わったその時。
突然、真っ暗になる窓の外。開かない玄関ドア。
私と深月くんは、部屋に閉じ込められてしまった。
「悟、これ……」
「うーん。前に住んでた家族が出て行ったらしいし、事故物件かもしれんよ?」
「そうかもな」
洗面所を見に行った際に、深月くんが水が生臭いと言う。
貯水槽に何か入っとるんかなぁ?
洋間が見取り図より狭いことに気付いた。
この家、謎のスペースがある。
地下室への階段を発見。
ライトをつけようとしたら、スマホが使えない……。
地下は、ひとつの明かりもない暗闇だった。
壁に等間隔に窪みがあり、謎の像があることが分かる。
降りた先。
スイッチを押して明かりがつくと、生活感のある部屋が見えた。
深月くんには見えないらしい。
私は、耳が聴こえず、鼻も利かない。
深月くんは、目が見えず、味覚もない。
「目ぇ見えんと危ないやんなぁ。私と手繋ごう?」
「うん」
ふたりで手を繋ぐと、五感が全て戻った。
どうしても、テーブルの上のプレゼントボックスに視線が行く。
中身は、ありがとうございますとひたすら書かれたメッセージカード。
なんか吸われた? なんやろ?
作りたてみたいな料理の数々。
新しい歯ブラシ2本。
温かいお湯が張られたお風呂。
「まるで、ここに住めって言われてるみたいやね」
「そうだな」
お風呂場の天井を見る。
「ここ、どこにも繋がってないんやないかな? 通気孔の中が真っ暗なんよ」
「マジか」
テレビをつけると、ホームビデオが流れ出した。
そして、最後に意味深なメッセージ。
「ご協力ってなんのことやと思う?」
「少女を救うために、俺らが犠牲になれってことじゃない?」
「ベッドの上におって五感がないなら、植物人間になっとるとかやない?」
「なるほど……」
上にあった洋間の隙間を覗くと、小さな少女がいた。
「ありがとうございます! ありがとうございます!」と、ひたすらお辞儀を繰り返している。
「この子、目が見えないし、耳も聴こえてないんじゃないかな」と、深月くん。
手を繋ぐと、少女も五感が全て戻ったようだ。
「遊ぼ!」
「あなたの名前は?」
「アイコ」
「アイコさん」
「色鬼しよ! 知ってるよね?」
「いろ、いろ、何色?」
「金色!」
金色の鍋を発見して、勝つ。
「負けたー! 目隠し鬼しよ!」
「うん」
深月くんが鬼になり、アイコさんと隠れると、紙を渡された。
“あの子を殺せば、あなたには全部返してあげる”
私が深月くんを殺すワケないやん。むしろ、死んでも守らないと。
深月くんが、アイコさんを見付けた。
「負けちゃった!」
銀色の小さな鍵をもらう。洋間3の鍵やね。
アイコさんのお父さんの部屋みたいや。
私たちは、胎内巡りをさせられた?
お母さんが傾倒していた新興宗教。オジギ様。
神様を喚ぶ祝詞を覚え、儀式を行わなければならんらしい。
別の隙間には、地下への道があった。
「行くしかないんやろうね……」
「行くか……」
私たちは、覚悟を決める。
「アイコさん」
「なに?」
「遊ぼう。一緒に歌を唄おう」
「うん!」
儀式をすると、色彩が弾けた。
「深月くん、神様? は見聞きしたら帰ってくれるんやない?」
「そうだな。ふたりでやるしかない」
向こうの攻撃が私に当たる。内側から、無数の剃刀が通り抜けたような痛み。
「うっ…………」
その後も、攻防は続いた。
死ぬかと思ったけど、帰ってくれたみたい。
気付けば、私たちはオジギ荘の廊下にいた。
105号室から、麦わら帽子の少女が出て来る。
アイコさんの家族は、みんな救えたようだ。
「部屋、別のとこ探さんとねぇ」
「そうだな。ま、結果オーライじゃね」
一件落着やけど、深月くんと手を繋いでいないのが不思議と寂しい。
私は、深月くんとどうなりたいんやろう?
深月くんとふたり暮らしするには、ちょっと手狭やから、引っ越しをしようと考えた。
オジギ荘というところに、内見に行くことにする。
「近所のコンビニとかの様子を知りたいんやけど」
見た感じ、治安は良さそうやんなぁ。
ふと、なんだか分からない植物が目に止まった。
品種改良したオジギソウ?
それはともかく、105号室へ入る。
「広めの一部屋をひとりで持てるのはいいやんねぇ」
ダイニングキッチンも広くていい。
「いい物件やねぇ」
「うん」
部屋を一通り見終わったその時。
突然、真っ暗になる窓の外。開かない玄関ドア。
私と深月くんは、部屋に閉じ込められてしまった。
「悟、これ……」
「うーん。前に住んでた家族が出て行ったらしいし、事故物件かもしれんよ?」
「そうかもな」
洗面所を見に行った際に、深月くんが水が生臭いと言う。
貯水槽に何か入っとるんかなぁ?
洋間が見取り図より狭いことに気付いた。
この家、謎のスペースがある。
地下室への階段を発見。
ライトをつけようとしたら、スマホが使えない……。
地下は、ひとつの明かりもない暗闇だった。
壁に等間隔に窪みがあり、謎の像があることが分かる。
降りた先。
スイッチを押して明かりがつくと、生活感のある部屋が見えた。
深月くんには見えないらしい。
私は、耳が聴こえず、鼻も利かない。
深月くんは、目が見えず、味覚もない。
「目ぇ見えんと危ないやんなぁ。私と手繋ごう?」
「うん」
ふたりで手を繋ぐと、五感が全て戻った。
どうしても、テーブルの上のプレゼントボックスに視線が行く。
中身は、ありがとうございますとひたすら書かれたメッセージカード。
なんか吸われた? なんやろ?
作りたてみたいな料理の数々。
新しい歯ブラシ2本。
温かいお湯が張られたお風呂。
「まるで、ここに住めって言われてるみたいやね」
「そうだな」
お風呂場の天井を見る。
「ここ、どこにも繋がってないんやないかな? 通気孔の中が真っ暗なんよ」
「マジか」
テレビをつけると、ホームビデオが流れ出した。
そして、最後に意味深なメッセージ。
「ご協力ってなんのことやと思う?」
「少女を救うために、俺らが犠牲になれってことじゃない?」
「ベッドの上におって五感がないなら、植物人間になっとるとかやない?」
「なるほど……」
上にあった洋間の隙間を覗くと、小さな少女がいた。
「ありがとうございます! ありがとうございます!」と、ひたすらお辞儀を繰り返している。
「この子、目が見えないし、耳も聴こえてないんじゃないかな」と、深月くん。
手を繋ぐと、少女も五感が全て戻ったようだ。
「遊ぼ!」
「あなたの名前は?」
「アイコ」
「アイコさん」
「色鬼しよ! 知ってるよね?」
「いろ、いろ、何色?」
「金色!」
金色の鍋を発見して、勝つ。
「負けたー! 目隠し鬼しよ!」
「うん」
深月くんが鬼になり、アイコさんと隠れると、紙を渡された。
“あの子を殺せば、あなたには全部返してあげる”
私が深月くんを殺すワケないやん。むしろ、死んでも守らないと。
深月くんが、アイコさんを見付けた。
「負けちゃった!」
銀色の小さな鍵をもらう。洋間3の鍵やね。
アイコさんのお父さんの部屋みたいや。
私たちは、胎内巡りをさせられた?
お母さんが傾倒していた新興宗教。オジギ様。
神様を喚ぶ祝詞を覚え、儀式を行わなければならんらしい。
別の隙間には、地下への道があった。
「行くしかないんやろうね……」
「行くか……」
私たちは、覚悟を決める。
「アイコさん」
「なに?」
「遊ぼう。一緒に歌を唄おう」
「うん!」
儀式をすると、色彩が弾けた。
「深月くん、神様? は見聞きしたら帰ってくれるんやない?」
「そうだな。ふたりでやるしかない」
向こうの攻撃が私に当たる。内側から、無数の剃刀が通り抜けたような痛み。
「うっ…………」
その後も、攻防は続いた。
死ぬかと思ったけど、帰ってくれたみたい。
気付けば、私たちはオジギ荘の廊下にいた。
105号室から、麦わら帽子の少女が出て来る。
アイコさんの家族は、みんな救えたようだ。
「部屋、別のとこ探さんとねぇ」
「そうだな。ま、結果オーライじゃね」
一件落着やけど、深月くんと手を繋いでいないのが不思議と寂しい。
私は、深月くんとどうなりたいんやろう?
