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短編

「ヒロトはさ、真面目すぎると思うんだ」
「え」

夕食が終わった後の食堂でくつろいでいたら突然正面に座った風丸君にそんなことを言われた。


「……それ、君には言われたくないな」
「俺は前より肩の力を抜いてるつもりだぜ?」

これで緩いと思ってるなら、前はどれだけ真面目だったんだろう。
そう思っていると、風丸君は真剣な瞳で言い切った。

「俺はまたダークエンペラーズの誘いがあっても絶対に乗らない」

ああ、そういうことか。
つまり風丸君は俺がもう一度宇宙人に戻ってしまうんじゃないかと思っているんだ。

「俺だって、昔とは変わったと思ってるよ」
「確かに変わったんだろうな。それはよくわかる。……だけど、今度は逆にお前が強くなるために俺と同じ選択をしてしまうんじゃないかって……不安になるんだ」
「え?」
それはつまり、俺が力を求めて自らの意志でエイリア石に手を出すんじゃないかって思われてるということか。


俺はたとえどんな条件であろうとそんなことは絶対にしない。
だって俺が目指すサッカーは円堂君や風丸君達と一緒にやる、普通のサッカーなんだから。
どんなに強くなりたくたって、そんなものに手を出したら何の意味もない。

それを、どうして風丸君が不安に思うのか。


「ふふふっ!」
「な、何笑ってるんだよ」
思わず笑ってしまった。

だって、

「やっぱり真面目なのは風丸君の方じゃないか!」
「え!?」

でもそれでこそ風丸君なんだろうな、とも思わずにはいられない。


「じゃあ、そんなこと考える前に、今から一緒に練習しようか!」
「い、今からか!?」
「うん。俺、真面目だから」
そう言って笑うと、風丸君は呆れて物も言えないみたいだった。




「お、2人共自主練か?俺も行く!」
「うん、大歓迎だよ」

そうして円堂君も加わった練習は、マネージャー達に「早くお風呂に入りなさい!」と怒られるまで続いた。




最後に円堂が出て来たのは私がこのトリオが大好きだからです。
誰か風丸とヒロトと円堂のトリオに呼び名をつけてくれ。
仲良しだったら幸せ。


>>2010.12.10

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