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短編

俺は、吹雪君と仲が良い。


何というか、気があった。
というよりは似ている、と言った方が正しいのかもしれない。

俺達は同じものを持っていた。
いや、持っていないと思っていることが同じだったと言った方が正しい。

誰かと居ても感じる、言いようのない孤独感。
別にチームメイトのみんなに納得がいっていないわけでも、溶け込めていないわけでもない。
それでも感じるのは、胸にポッカリと穴が開いてしまっているかのような言い知れない感覚。
それを俺達は、互いに持っているように感じていた。


確証はなかったし聞いたこともないけれど「ああ、この人なら」と思ったのは本当。
きっと吹雪君もそう思っている筈だ。

けれど俺達はお互いのこの空白を埋め合っているわけじゃない。
ただ、そう思っているのは自分一人じゃないんだと思って安心しているだけ。


例えば、俺は円堂君が好きだし一緒に居るのも好きだけれど、彼と居ると開いた胸が妙にキリキリと苦しくなる。
円堂君のせいではないけれど、例え話したところで彼には絶対にこの気持ちは理解出来ないだろう。それがまた苦しくなる。


けれど吹雪君ならそれがない。
たったそれだけで少し楽になれるような気分になる。
だから少し安心する。


多分吹雪君も俺と同じ。
この隙間は彼であっても埋めることは決して出来ないだろうけど、痛みを少し和らげてくれる。
ただそれだけで、一緒に居る価値はある。



そんな関係間違ってるって思うかい?
でも俺達は、それを止めるつもりは毛頭ないよ。




ふぶきやま萌える。
なんかさ、単に仲良いだけじゃなくてこう暗い部分で繋がってたりするといいよね、みたいな。
うん、ふぶきやま萌え。


>>2010.11.25

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