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短編

新しい必殺技グランドファイア。
結果的に試合は負けたけど、鉄壁の守りを誇るジ・エンパイアを相手に一点入れたことはかなり大きい。
そんなグランドファイアだけど、一つだけ予定と違っていたことがあった。


「豪炎寺さん!何で“イグニッション”って言ってくれなかったんですか!」

案の定、その技を決めた一人の虎丸くんが豪炎寺くんに詰め寄っているのが見える。


「“イグニッション”って?」
「この技を作った時に、俺と虎丸くんが“グランドファイア”って言った後に豪炎寺くんが“イグニッション”って言おうって決めてたんだよ」

不思議そうな風丸くんに説明してから、いつまでも諦めそうにない虎丸くんを止めに2人のもとに向かった。



 ◇◆◇


「助かった、ヒロト」
「どういたしまして、かな?」

何とか虎丸くんから解放された豪炎寺くんは少し疲れているようだった。
やっぱり虎丸くんは元気だな。


「でも、練習の時は「いい」って言ってたのに……やっぱり恥ずかしくなった?」
「いや、そういうわけじゃないんだが……」
「?」

少し言い淀んだ豪炎寺くんに首をかしげると、豪炎寺くんは少し恥ずかしそうに言った。


「……忘れてたんだ。仕方ないだろう」
「え」

その予想外な答えには、さすがに呆気に取られた。
それは、嫌だとかそういうことよりももっと単純すぎる理由で、思わず笑ってしまった。

「ふふ」
「笑うなっ」

恥ずかしそうに怒る豪炎寺くんはちょっとかわいかった。

「ごめんごめん。……でも、そうだよね」

全力で試合をやってるんだ。
そんな時なら確かにちょっとした約束なんて忘れてしまっても仕方ないかもしれない。
しかも今回は円堂くんと鬼道くんがいないというチーム全体が不安定な状態だった。
エースストライカーで2人とも仲が良い豪炎寺くんは、きっと誰よりも頑張っていたに違いない。
豪炎寺くんは、絶対に言葉にはしないだろうけど。

「やっぱり、豪炎寺くんはかっこいいな」
「……!?」

素直に思ったことを言ったら、豪炎寺くんは目を丸くした。
豪炎寺くんがこんなにわかりやすく表情を崩すなんて珍しい。
……少し嬉しいかもしれない、なんて。

「……ヒロト」
「何だい?」

ゆっくりといつもの真顔に戻った豪炎寺くんに笑顔を返せば、豪炎寺くんは少し困惑したように目を逸らした。

「……そういうこと、他のやつには言うなよ」
「え?」

そういうことってどういうことだろう。
それからすっかり黙り込んでしまった豪炎寺くんに俺はまた首をかしげた。




豪ヒロ増えろし。
豪ヒロは空気がかわいい。
一緒にいて会話がなくても何か落ち着く相手だと思うんだ、豪ヒロって。
豪ヒロマジ夫婦。

10/18は豪ヒロの日!!

……タイトル意味不でごめん。


>>2011.10.18

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