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短編

「はぁ……」

物憂げにため息をつく冬花さんは絵になっていると思う。

何て言ったって冬花さんは美少女なのだ。
夏未さんも綺麗な人だとは思ったけれど、冬花さんは一目見た瞬間に「あ、かわいい」と思わず口に出しそうになったくらいだった。


そんな冬花さんがイナズマジャパンマネージャーになって大分経った。
人見知りが解けたのかどうか、少し明るくなった彼女はよく笑顔を見せるようになっていた。
わたしはそれが嬉しくて、もっとその笑顔を見たいと思った。
わたしのために笑ってほしいと、思うようになっていた。

けれど、笑顔が増えたのと同じ頃からため息をつくことが増えたような気がして心配だった。

だから、つい尋ねてしまったのだ。


「どうしたんですか?冬花さん」


その返事を聞いて、後悔したのはもう何日も前のこと。

コトアールから戻って来た夏未さんがイナズマジャパンのマネージャーに加わって、数日が過ぎた。

わたしは知っている。
一見キャプテンを取り合っているように見える木野先輩と夏未さん。
けれど夏未さんが愛しているのは、本当は木野先輩のことだった。
木野先輩がそれに気付く様子はないけれど。


どこか聡い冬花さんは、そのことに気がついているようだった。


「好きな子に、同じ男の子を好きな仲間やライバルと思われて、ことあるごとにその人の名前を幸せそうに語られて……夏未さんかわいそう。秋さんも残酷よね」
「……そうですね」


夏未さんを見てそう分析する冬花さんは、どこか闇を孕んでいるようにも見えた。
そして、その言葉にただ同意するしか出来ないわたしを置き去りに、彼女は愉しそうに微笑むのだ。


「私だったら夏未さんにあんな顔させない。守くんなんてどうでもいいもの。夏未さんの前で他の人の名前なんて出さない。夏未さんにも出させない。私の全てが夏未さんになって、夏未さんの全てが私になってしまえばいいのに」


わたしはただ、何も言えなかった。
これが彼女の本性なのか、ただ報われない愛にすれてしまったのか、わたしにはわからないけれど。

わかっているのはただ一つ。
彼女が以前語った通り、冬花さんは夏未さんに想いを寄せているという事実。

そしてあの時尋ねてしまったわたしは、たびたびその想いをぶつけられるようになったのだ。
果たして、わたしの想いを知っているのか知らないのか。



ああ、残酷なのはどっちだろう。




タイトルの読み方は「しゅうかとうしゅん」です。まんまや。

アニメ終盤の春奈のふゆっぺ大好きっぷりとうちの冬夏と夏→秋合わせたらこうなった。何という。
春←秋とは続きません。
無理やりループにするなら秋→円→鬼→春かな(オイ)

秋ちゃんは女子にもモテるけど本人はノンケなイメージ。
まあ百合成立してもおいしいけどね!

百合おいしいです幸せです。


>>2011.7.22

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