君と貴方と私
「守くんって、ヒロトさんのこと好きですよね」
突然冬花さんに言われた言葉に驚いた。
冬花さんと2人で話すこと自体少ないのに、いきなり確信を持って言い切られたから。
いや、それだけじゃなくて、その内容も。
俺が円堂君を好き、と見抜かれたのなら事実そうなのだから否定のしようもないけれど、言われた言葉がその逆だったから。
しかも妙に自信があるようで、俺は正直ムッとした。
よりにもよって君がそんなことを言うのか。
「俺は、円堂君は君のことが好きだと思う」
俺の思うところを正直に打ち明けると、冬花さんは一瞬驚いたあと疑わしげに顔をしかめて、首を振った。
「そんなはずない。だって守くん、ヒロトさんが他の人と話してる時必ずと言っていいほど割り込んで邪魔してるもの。多分本人としてはさりげなくのつもりだと思うけど。心当たりがないわけでもないでしょう?」
確かに、思い当たることがないわけでもない。
一度や二度どころでもない。
でも、それは冬花さんにも言えることだ。
「でも円堂君は、冬花さんが他の人と話してる時も必ずと言っていいほど割り込んで邪魔してると思うな。多分本人としてはさりげなく。心当たり、あるだろう?」
状況は、多分同じ。
冬花さんにも思い当たることはあるようで、反論はなかった。
でも、それってつまりどういうことなんだろう?
そこに現れたのは、その当事者本人だった。
「ヒロト!ふゆっぺ!」
そこには今にも泣いてしまいそうな所を必死に耐えているような、そして真っ赤な顔で俺達を見る円堂君がいた。
円堂君は少しためらってから、「聞いてほしい話がある」と切り出した。
その内容に俺も、多分隣にいる冬花さんもとても驚いた。
だってそれってつまり、俺のことも冬花さんのことも全く同じように好きだということじゃないか。
けれど、それで全てが繋がったような気がする。
円堂君は俺達の“どっちが”好きなんじゃなくて“どっちも”好きなんだ。
「なぁ、俺どうすればいいんだと思う?」
困ったように聞いてくる円堂君を見て俺と冬花さんは自然と顔を見合せて、笑いあった。
さっきまでどちらかというと険悪な感じだったのに何の意味もない言い争いだったとわかって、そんな思いが途端に馬鹿馬鹿しく思えた。
「ほらまた!モヤモヤするんだって言ってるだろ!?」
怒る円堂君も可愛い。
自然と微笑みながらちらりと冬花さんを見ると、大体同じように思えた。
意外と息が合うのかもしれない。
円堂君がどっちかを選べないくらいには。
「円堂君」
「守くん」
俺と冬花さんはほとんど同時に手を伸ばして、それぞれ円堂君の手を握った。
「「3人で一緒にいればいいと思うよ!」」
その言葉にぽかんとした円堂君はその顔をみるみる笑顔に変えて行き、そしてとても嬉しそうに俺達の手を握り返してくれた。
さっきまでの泣きそうな顔が嘘みたいに幸せそうな円堂君を見て、俺まで嬉しくなって、心から笑った。
さりげなく片思いまで叶ってしまうなんて、俺ってなんて幸せなんだろう。
大好きな円堂君と、これからもずっと一緒にいられると思ってもいいんだろうか。
多分同じように思っているだろう冬花さんと目が合った。
そして俺達は「多分いいんだろう」という思いを共有して、嬉しくなって、また笑い合った。
「ところでさ。3人でいるのは別にいいんだけど、俺達ってそんなに特別仲良くなんてないよね?」
「これから仲良くなればいいんじゃないかな?」
ヒロ冬流行れしマジで(←
ていうかこのトリオ流行んないかなホント。
皆かわいくて愛しい。
あ、タイトルに深い意味はないです。直感です。いつも以上に。
>>2011.3.23
突然冬花さんに言われた言葉に驚いた。
冬花さんと2人で話すこと自体少ないのに、いきなり確信を持って言い切られたから。
いや、それだけじゃなくて、その内容も。
俺が円堂君を好き、と見抜かれたのなら事実そうなのだから否定のしようもないけれど、言われた言葉がその逆だったから。
しかも妙に自信があるようで、俺は正直ムッとした。
よりにもよって君がそんなことを言うのか。
「俺は、円堂君は君のことが好きだと思う」
俺の思うところを正直に打ち明けると、冬花さんは一瞬驚いたあと疑わしげに顔をしかめて、首を振った。
「そんなはずない。だって守くん、ヒロトさんが他の人と話してる時必ずと言っていいほど割り込んで邪魔してるもの。多分本人としてはさりげなくのつもりだと思うけど。心当たりがないわけでもないでしょう?」
確かに、思い当たることがないわけでもない。
一度や二度どころでもない。
でも、それは冬花さんにも言えることだ。
「でも円堂君は、冬花さんが他の人と話してる時も必ずと言っていいほど割り込んで邪魔してると思うな。多分本人としてはさりげなく。心当たり、あるだろう?」
状況は、多分同じ。
冬花さんにも思い当たることはあるようで、反論はなかった。
でも、それってつまりどういうことなんだろう?
そこに現れたのは、その当事者本人だった。
「ヒロト!ふゆっぺ!」
そこには今にも泣いてしまいそうな所を必死に耐えているような、そして真っ赤な顔で俺達を見る円堂君がいた。
円堂君は少しためらってから、「聞いてほしい話がある」と切り出した。
その内容に俺も、多分隣にいる冬花さんもとても驚いた。
だってそれってつまり、俺のことも冬花さんのことも全く同じように好きだということじゃないか。
けれど、それで全てが繋がったような気がする。
円堂君は俺達の“どっちが”好きなんじゃなくて“どっちも”好きなんだ。
「なぁ、俺どうすればいいんだと思う?」
困ったように聞いてくる円堂君を見て俺と冬花さんは自然と顔を見合せて、笑いあった。
さっきまでどちらかというと険悪な感じだったのに何の意味もない言い争いだったとわかって、そんな思いが途端に馬鹿馬鹿しく思えた。
「ほらまた!モヤモヤするんだって言ってるだろ!?」
怒る円堂君も可愛い。
自然と微笑みながらちらりと冬花さんを見ると、大体同じように思えた。
意外と息が合うのかもしれない。
円堂君がどっちかを選べないくらいには。
「円堂君」
「守くん」
俺と冬花さんはほとんど同時に手を伸ばして、それぞれ円堂君の手を握った。
「「3人で一緒にいればいいと思うよ!」」
その言葉にぽかんとした円堂君はその顔をみるみる笑顔に変えて行き、そしてとても嬉しそうに俺達の手を握り返してくれた。
さっきまでの泣きそうな顔が嘘みたいに幸せそうな円堂君を見て、俺まで嬉しくなって、心から笑った。
さりげなく片思いまで叶ってしまうなんて、俺ってなんて幸せなんだろう。
大好きな円堂君と、これからもずっと一緒にいられると思ってもいいんだろうか。
多分同じように思っているだろう冬花さんと目が合った。
そして俺達は「多分いいんだろう」という思いを共有して、嬉しくなって、また笑い合った。
「ところでさ。3人でいるのは別にいいんだけど、俺達ってそんなに特別仲良くなんてないよね?」
「これから仲良くなればいいんじゃないかな?」
ヒロ冬流行れしマジで(←
ていうかこのトリオ流行んないかなホント。
皆かわいくて愛しい。
あ、タイトルに深い意味はないです。直感です。いつも以上に。
>>2011.3.23
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