短編①
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それは何気なくアクセサリー売り場を見に行った時だった。
女の子に向けた可愛いアクセサリーが並ぶ中、
目に入った文字。
『ペアアクセサリーコーナー』
・・・・ペア、かぁ。
吸い寄せられるように売り場に足を進めた。
シンプルながらもなかなか可愛いものが多い。
あ、これいいな。
こういうのも好き。
・・・・女1人でこのコーナー見てると寂しい女って思われるかな。
私のカッコ良くて優しくて、素敵な恋人は。
・・・・・・もう1か月、会ってない。
仕事が忙しいから。
今何してるかなあ。
お昼ご飯、もう食べたかな。
今頃忙しく走り回ってるんだろうか。
今日くらいに電話してみようかな。
・・・私の、お世辞にも綺麗とは言えない指と。
シャンクスの太くてごつい指。
・・・・ペアリングなんて、似合わないよね。
「アコ?」
「え?」
あれ、幻聴?
あまりにも会いたくて幻聴が聞こえた!?
「アコ」
「あ・・・・」
・・・・幻覚まで見えてる。
「こんなところで何してるんだ?・・・1人か?」
シャンクス、だ。
この鮮やかな赤い髪、
精悍な顔つき、
優しい声。
・・・間違いない。
思わず両手を伸ばして、
「・・・・・アコ?」
シャンクスの両頬を、両手で包んだ。
「・・・・本物?」
呆然と呟いた私に、シャンクスが目の前で笑った。
「何ならここでキスしてみせようか?」
「あ、本物だ」
こんなこと言うのはシャンクスしか居ない。
「俺は取引先がここだったんだが・・・」
「あ、そうなんだ。お疲れ様」
「このまま連れ去りてェな・・・」
「うん、連れて行って」
なーんて、と続けて言おうとした瞬間強く腕を掴まれた。
「・・・こっちだ」
「え」
そのまま引っ張られて、階段の端まで連れて来られた。
足が止まってすぐ、
「・・・・・ん・・・」
唇が重なった。
「・・・悪い、我慢出来なかった」
「・・・久しぶり、だもんね」
「ああ・・・でも来週は会えそうだ」
「ほんと?」
「今夜電話する」
「うん、待ってる。・・・仕事、戻らなくていいの?」
予想外に会えたのは嬉しいけど、
シャンクスはまだ仕事中で。
シャンクスは私の問いに難しい顔で、
「・・・戻らなきゃいけねェのはわかってるんだが。こうしてアコに会っちまうとなァ」
「来週はゆっくり会えるんでしょ?」
「そりゃそうだが・・・・そういやアコは何でここに居たんだ?」
「目的のない買い物」
「欲しいモンあったか?」
「・・・ううん、なかった」
・・・ないことは、なかったけど。
でも言えないから。
「そうか?あっても買わなくていいぞ、俺が買うから」
「別に自分で買えるよ?」
「今まで会えなかった詫びだ、それくらいさせてくれ」
「・・・うん、あったらよろしくね」
と答えたところでシャンクスの携帯が鳴った。
すかさずシャンクスが出ると、
『何処で酒飲んでんだあんたは!』
・・・知ってる人(ベックマン)の怒鳴り声。
「わかってる、今戻るさ」
「じゃあ、私も家帰るね。仕事、頑張って」
「愛してる、アコ」
最後に頬にちゅ、と音付きのキスを残して走って行った。
・・・・社長は大変だ。
夜、宣言通りシャンクスから電話があって。
1週間後に久しぶりのデートが決まった。
「食べ過ぎた・・・・」
「見事な食いっぷりだったな、可愛かった」
「・・・・あんなの可愛いって言ってくれるのシャンクスだけだよ」
「問題ないな」
「・・・まあね。シャンクスこの後何処行きたい?」
「俺は何処でも。アコの買い物に付き合おう」
「じゃあそこのショッピングモール行ってもいい?」
「ああ、欲しいものあるのか?」
「ううん、見るだけ」
「この間も言ったが見つけたら俺に言うこと」
「はーい、よろしくお願いしまーす」
目的のない買い物が好きだけど、
興味ないものは基本見ないので。
見るのはだいたい服や雑貨、小物関係。
「私は楽しいけどシャンクス大丈夫?」
「楽しそうなアコを見てるだけで楽しい」
「・・・私、幸せ者だね」
これ以上を望んじゃいけない。
そう思った。
だからさっきちらりと目に留まった、
『ペア』の文字はスルーしよう。
そう思うのに、
すれ違うカップルの手にペアリングらしきものを見ると心がうずいてしまう。
・・・言ってみようかな。
ペアリングが欲しい、って。
あああ!でもなぁ・・・っ!!
「欲しいのか?」
「へ!?」
「これか?」
「え、あ・・・・・・」
声に出てた!?
シャンクスがにっこり笑って指さしたものは、
「や・・・さすがにもうお腹いっぱい、だよ」
・・・まさかのたい焼き屋さん。
さっきお昼ご飯いっぱい食べたのにまだ食べるのかコイツって思われてそう・・・!
「あるんだろう、本当は」
ドキッ。
「な、何が?」
「欲しい物。俺に遠慮してるんなら怒るぞ?」
こつん、とおでこにシャンクスの拳が軽く当てられる。
・・・全然痛くないけど。
「・・・とか言ってシャンクス怒ったのほとんど見たことない」
「俺だって怒ることもある」
「でも私には怒らないもん」
「泣き顔は夜見れるからな、それでいい」
「・・・・馬鹿」
ふて腐れた様子を見せてもシャンクスは笑うだけ。
「で、何が欲しいんだ?」
「え・・・・と」
・・・ここまで言われてまだ、ペアリングが欲しいと言えない私。
私だけの指輪なら喜んで買ってくれるだろうけど、
シャンクスも一緒にって言ったらどんな反応されるだろう。
・・・笑っていいよ、って言ってくれるかもしれないけど。
シャンクスは笑って無理する人だから。
・・・無理はさせたくない。
「アコ」
諭すように優しく私の名前を呼んでくれる。
「・・・・あのね」
「ああ」
「お・・・・おそろ・・・・」
「おそろ?」
「・・・・・お・・・・恐ろしいことになるから・・・言えない」
「・・・恐ろしいこと?体重が、か?」
どん。
のしかかる衝撃。
「・・・どうせ私はデブですよぅ」
「アコの体重なら平均だろう、気にすることないさ」
「え、ちょっと待って。・・・知ってるの私の体重」
たらりと流れる冷や汗を見てシャンクスはにやりと笑った。
「アコのことで俺が知らないことはねェだろうな」
「・・・・っ!!忘れて!今すぐ忘れて!!」
恥ずかしくなって叫べば、
「食うか、たい焼き」
「・・・・・食べる」
くつくつと笑いながらシャンクスが再び指をさす。
「味は?」
「あんこ」
「了解」
2人で食べたたい焼きは、
それはそれは美味しかった。
・・・・・・でも結局、言えなかった。
「アコ明日は?」
「んー遅番」
「じゃあ今日は泊まって行くな?」
「え、でもシャンクス仕事は?」
「せっかく会えたのにこのまま帰せねェよ。アコの泣き顔も見たい」
「・・・今日は泣きません」
「ほぉ、楽しみだ」
という訳でお泊り決定。
シャンクスは明日朝早くから仕事だけど、
いつものこと。
私が寝てる間にシャンクスは仕事に行く。
私は鍵を持ってるから、鍵だけかけてシャンクスの家を出る。
いつも通りだと、思ってた。
目が覚めたらいつも通り身体はだるかったし、
シャンクスは居なかった。
・・・何となく昨日のことを思い出して恥ずかしくなったのもいつものこと。
違うことに気づいたのは、
顔を洗おうとした時。
指に、違和感。
右手の薬指。
シンプルな銀に、1部だけピンク色が入った指輪。
・・・・変な模様?
え、でも待って。
指輪?私こんなの持ってない。
はっと気づいた時、携帯にメールが届いてることに気が付いて、慌てて見る。
差出人はシャンクス。
本文は、
『アコのことで俺が知らないことはねェって言っただろ?』
・・・・え、何が?
首を傾げながら画面を見ていたら、写真が添付されてることに気づいた。
その写真を見て、
「・・・・うそ」
驚いた。
写っていたのは、シャンクスの右手と私の右手。
・・・私の右手には今ある指輪。
シャンクスの右手には、
私のものとほぼ同じ、
1部がピンクではなく黒のもの。
そしてピンクと黒が合わさって、
ハートを作ってる。
これって、ペアリング。
私、ペアリング欲しいって言えなかったのに、何で。
っていうか私の指輪のサイズだって教えてないし、
いつの間に指輪はめられて・・・・っ!!
・・・・あ、そっか。
その全部の答えがこのメールの本文なんだ。
有難う、大好き。
そうメールしたら、
それも知ってる、と返って来た。
私のカッコ良くて優しくて、素敵な恋人は。
私のことを、何でも知っているらしい。
女の子に向けた可愛いアクセサリーが並ぶ中、
目に入った文字。
『ペアアクセサリーコーナー』
・・・・ペア、かぁ。
吸い寄せられるように売り場に足を進めた。
シンプルながらもなかなか可愛いものが多い。
あ、これいいな。
こういうのも好き。
・・・・女1人でこのコーナー見てると寂しい女って思われるかな。
私のカッコ良くて優しくて、素敵な恋人は。
・・・・・・もう1か月、会ってない。
仕事が忙しいから。
今何してるかなあ。
お昼ご飯、もう食べたかな。
今頃忙しく走り回ってるんだろうか。
今日くらいに電話してみようかな。
・・・私の、お世辞にも綺麗とは言えない指と。
シャンクスの太くてごつい指。
・・・・ペアリングなんて、似合わないよね。
「アコ?」
「え?」
あれ、幻聴?
あまりにも会いたくて幻聴が聞こえた!?
「アコ」
「あ・・・・」
・・・・幻覚まで見えてる。
「こんなところで何してるんだ?・・・1人か?」
シャンクス、だ。
この鮮やかな赤い髪、
精悍な顔つき、
優しい声。
・・・間違いない。
思わず両手を伸ばして、
「・・・・・アコ?」
シャンクスの両頬を、両手で包んだ。
「・・・・本物?」
呆然と呟いた私に、シャンクスが目の前で笑った。
「何ならここでキスしてみせようか?」
「あ、本物だ」
こんなこと言うのはシャンクスしか居ない。
「俺は取引先がここだったんだが・・・」
「あ、そうなんだ。お疲れ様」
「このまま連れ去りてェな・・・」
「うん、連れて行って」
なーんて、と続けて言おうとした瞬間強く腕を掴まれた。
「・・・こっちだ」
「え」
そのまま引っ張られて、階段の端まで連れて来られた。
足が止まってすぐ、
「・・・・・ん・・・」
唇が重なった。
「・・・悪い、我慢出来なかった」
「・・・久しぶり、だもんね」
「ああ・・・でも来週は会えそうだ」
「ほんと?」
「今夜電話する」
「うん、待ってる。・・・仕事、戻らなくていいの?」
予想外に会えたのは嬉しいけど、
シャンクスはまだ仕事中で。
シャンクスは私の問いに難しい顔で、
「・・・戻らなきゃいけねェのはわかってるんだが。こうしてアコに会っちまうとなァ」
「来週はゆっくり会えるんでしょ?」
「そりゃそうだが・・・・そういやアコは何でここに居たんだ?」
「目的のない買い物」
「欲しいモンあったか?」
「・・・ううん、なかった」
・・・ないことは、なかったけど。
でも言えないから。
「そうか?あっても買わなくていいぞ、俺が買うから」
「別に自分で買えるよ?」
「今まで会えなかった詫びだ、それくらいさせてくれ」
「・・・うん、あったらよろしくね」
と答えたところでシャンクスの携帯が鳴った。
すかさずシャンクスが出ると、
『何処で酒飲んでんだあんたは!』
・・・知ってる人(ベックマン)の怒鳴り声。
「わかってる、今戻るさ」
「じゃあ、私も家帰るね。仕事、頑張って」
「愛してる、アコ」
最後に頬にちゅ、と音付きのキスを残して走って行った。
・・・・社長は大変だ。
夜、宣言通りシャンクスから電話があって。
1週間後に久しぶりのデートが決まった。
「食べ過ぎた・・・・」
「見事な食いっぷりだったな、可愛かった」
「・・・・あんなの可愛いって言ってくれるのシャンクスだけだよ」
「問題ないな」
「・・・まあね。シャンクスこの後何処行きたい?」
「俺は何処でも。アコの買い物に付き合おう」
「じゃあそこのショッピングモール行ってもいい?」
「ああ、欲しいものあるのか?」
「ううん、見るだけ」
「この間も言ったが見つけたら俺に言うこと」
「はーい、よろしくお願いしまーす」
目的のない買い物が好きだけど、
興味ないものは基本見ないので。
見るのはだいたい服や雑貨、小物関係。
「私は楽しいけどシャンクス大丈夫?」
「楽しそうなアコを見てるだけで楽しい」
「・・・私、幸せ者だね」
これ以上を望んじゃいけない。
そう思った。
だからさっきちらりと目に留まった、
『ペア』の文字はスルーしよう。
そう思うのに、
すれ違うカップルの手にペアリングらしきものを見ると心がうずいてしまう。
・・・言ってみようかな。
ペアリングが欲しい、って。
あああ!でもなぁ・・・っ!!
「欲しいのか?」
「へ!?」
「これか?」
「え、あ・・・・・・」
声に出てた!?
シャンクスがにっこり笑って指さしたものは、
「や・・・さすがにもうお腹いっぱい、だよ」
・・・まさかのたい焼き屋さん。
さっきお昼ご飯いっぱい食べたのにまだ食べるのかコイツって思われてそう・・・!
「あるんだろう、本当は」
ドキッ。
「な、何が?」
「欲しい物。俺に遠慮してるんなら怒るぞ?」
こつん、とおでこにシャンクスの拳が軽く当てられる。
・・・全然痛くないけど。
「・・・とか言ってシャンクス怒ったのほとんど見たことない」
「俺だって怒ることもある」
「でも私には怒らないもん」
「泣き顔は夜見れるからな、それでいい」
「・・・・馬鹿」
ふて腐れた様子を見せてもシャンクスは笑うだけ。
「で、何が欲しいんだ?」
「え・・・・と」
・・・ここまで言われてまだ、ペアリングが欲しいと言えない私。
私だけの指輪なら喜んで買ってくれるだろうけど、
シャンクスも一緒にって言ったらどんな反応されるだろう。
・・・笑っていいよ、って言ってくれるかもしれないけど。
シャンクスは笑って無理する人だから。
・・・無理はさせたくない。
「アコ」
諭すように優しく私の名前を呼んでくれる。
「・・・・あのね」
「ああ」
「お・・・・おそろ・・・・」
「おそろ?」
「・・・・・お・・・・恐ろしいことになるから・・・言えない」
「・・・恐ろしいこと?体重が、か?」
どん。
のしかかる衝撃。
「・・・どうせ私はデブですよぅ」
「アコの体重なら平均だろう、気にすることないさ」
「え、ちょっと待って。・・・知ってるの私の体重」
たらりと流れる冷や汗を見てシャンクスはにやりと笑った。
「アコのことで俺が知らないことはねェだろうな」
「・・・・っ!!忘れて!今すぐ忘れて!!」
恥ずかしくなって叫べば、
「食うか、たい焼き」
「・・・・・食べる」
くつくつと笑いながらシャンクスが再び指をさす。
「味は?」
「あんこ」
「了解」
2人で食べたたい焼きは、
それはそれは美味しかった。
・・・・・・でも結局、言えなかった。
「アコ明日は?」
「んー遅番」
「じゃあ今日は泊まって行くな?」
「え、でもシャンクス仕事は?」
「せっかく会えたのにこのまま帰せねェよ。アコの泣き顔も見たい」
「・・・今日は泣きません」
「ほぉ、楽しみだ」
という訳でお泊り決定。
シャンクスは明日朝早くから仕事だけど、
いつものこと。
私が寝てる間にシャンクスは仕事に行く。
私は鍵を持ってるから、鍵だけかけてシャンクスの家を出る。
いつも通りだと、思ってた。
目が覚めたらいつも通り身体はだるかったし、
シャンクスは居なかった。
・・・何となく昨日のことを思い出して恥ずかしくなったのもいつものこと。
違うことに気づいたのは、
顔を洗おうとした時。
指に、違和感。
右手の薬指。
シンプルな銀に、1部だけピンク色が入った指輪。
・・・・変な模様?
え、でも待って。
指輪?私こんなの持ってない。
はっと気づいた時、携帯にメールが届いてることに気が付いて、慌てて見る。
差出人はシャンクス。
本文は、
『アコのことで俺が知らないことはねェって言っただろ?』
・・・・え、何が?
首を傾げながら画面を見ていたら、写真が添付されてることに気づいた。
その写真を見て、
「・・・・うそ」
驚いた。
写っていたのは、シャンクスの右手と私の右手。
・・・私の右手には今ある指輪。
シャンクスの右手には、
私のものとほぼ同じ、
1部がピンクではなく黒のもの。
そしてピンクと黒が合わさって、
ハートを作ってる。
これって、ペアリング。
私、ペアリング欲しいって言えなかったのに、何で。
っていうか私の指輪のサイズだって教えてないし、
いつの間に指輪はめられて・・・・っ!!
・・・・あ、そっか。
その全部の答えがこのメールの本文なんだ。
有難う、大好き。
そうメールしたら、
それも知ってる、と返って来た。
私のカッコ良くて優しくて、素敵な恋人は。
私のことを、何でも知っているらしい。