短編①
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「何で泣いてんだよアコ」
「泣いてない」
「・・・・・・・・・嘘つけ」
怒ったような呆れたような、どちらともとれないエースの表情に私は本当に泣きそうになった。
でもここで泣く訳にはいかない。
こんな、路上で泣く訳には。
「フられたのか?」
「フられてない」
「でもお前昨日、今日好きな奴に告白するって言ってただろ?」
「・・・・・・・・・・・言った、けど」
「フられたんだろ」
「だからフられてない。・・・・・そもそも」
「そもそも?」
「告白すらしてない」
「はぁ?」
昨日、何でかは忘れたけど学校でエースと恋愛話になって。
『明日は土曜日!私告白するっ』
ということになってしまった。
その宣言通り私は好きな人に会いに行こうとした。
でも。
「じゃあ何で泣いてんだ」
「泣いてない。・・・・・・まだ」
「告白もまだ、フられてもねェ。なのに何で泣きそうになってんだよ」
言いながらエースは優しく私の頭を撫でてくれた。
「・・・・・・・・・・それはっ」
「それは?」
「・・・・・・・・・・それは、その」
エースの優しさは嬉しいけど、
話すと本当に泣いてしまいそうで、言うことに迷う。
けれどエースはそんな私の心を知ってか知らずか、
「そいつに何か酷ェこと言われたのか?なら俺がぶっ飛ばして来てやる」
何とも物騒な台詞を簡単に口にする。
私は慌てて、
「違うから!・・・・そういうんじゃ、ない」
首を横に振って否定する。
するとエースは今度は私の目をじっと覗き込んだ。
「じゃあ何でお前がそんな顔してんだ。話せよ」
その真剣な瞳からエースの気持ちが流れ込んできてこみあげる嬉しさ。
「すれ違った隣のクラスの女の子達が・・・・言ってて」
「何て」
「好きな人が居るみたいなんだよね、その人に」
目に涙が溜まって、ああもう泣くかもなんて思った時。
「何だそんなことか」
「・・・・・・・へ」
はあ、と呆れたようにため息を吐いてエースは言う。
「そんなこと言ったらお前俺なんかどうしたらいいんだよ」
「・・・・・・何が?」
「俺の好きな奴は俺の前でずーっと他の男の話してんだぞ?」
溜まった涙は流れることなく、止まった。
「・・・・・・・・・どんな人?」
「すげェ鈍感。結構一緒に居るのにたぶん俺の気持ちに気づいてねェ」
「告白・・・・しないの?」
「しようと思って来たんだよ」
力強い真っ直ぐなエースに、
今度こそ私は涙を堪え切れなかった。
「・・・・・・・・・そ、っか」
「って何でそこで泣くんだよ!」
「だってっ」
だって、
「だってもう失恋確実なんだもん!」
「はァ!?」
だって、だって、
「だって私が好きなのエースだし!」
泣きながら思い切り叫べば、
エースはぽかんと口を開けた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・俺?」
「でも気にしないで告白してくるといいよ!」
「・・・・いや、いいよってお前」
「隣のクラスの子がね、エース君好きな子居るんだって、すごく可愛い子って言ってた」
「・・・・・・・・で?」
「だからそのすんごく可愛い子のところに行って来なよ!でもって告白して幸せになって!」
ああ、もう自棄だわ。
そんな私をエースは、
「え、」
私の腕を引いて閉じ込めるエース。
え、ちょっと待って。
何、どういうこと?
「エース!?」
「じゃあする」
「・・・・・・・・・・うん行ってら、」
「好きだ」
行ってらっしゃいと言おうとした私を遮って、発せられたエースの言葉。
「・・・・・・私に言ってどうすんのそれ」
「アコに言わないでどうすんだよ」
「ちゃんと好きな子に言わなきゃ駄目でしょ!?」
ただでさえ今傷心真っ最中なんだから勘弁して欲しいとこだってのに。
けれどエースはなおも続ける。
「だから言ってんじゃねェか、好きだって」
「・・・・・だから何故それを私に言うのかって」
真面目にそう返せば、
「だから俺が好きなのはお前なんだよ!」
今度はそう怒鳴られた。
「・・・・・・・・・・・・・・え、だってすっごく可愛い女の子だって」
「可愛いだろアコ」
「・・・・・・えええ!?」
「つーかお前こそ聞いてたのと違ェ。好きな男がどんな奴か聞いた時お前俺に何て言った?」
え、えーと。
確かに私はエースの前でエースの話をした。
名前を伏せて。
その時私は確か、
「馬鹿で可愛くて優しい人」
「それの何処が俺なんだよ」
「だって弟馬鹿だし寝顔可愛いじゃん」
「・・・・・・・・・・・・わかんねェよそれじゃ」
はあああ、とさっきより深いため息を吐いたエース。
私もため息吐きたいよ。
・・・・・・これじゃ私まるで馬鹿じゃないか。
「なあ」
「ん?」
「もう1回言えよアコ」
「・・・・・・・・何を?」
「俺が好きだ、って」
「はい!?」
「聞きたい」
ニヤニヤとしたエースに一瞬言おうかどうか迷ったけど、
「・・・・・・・・・・エースが、好き」
勇気を振り絞ってみた。
「俺も好き」
返ってきた幸せそうなエースの笑顔が私を嬉しくさせて。
勇気出して良かったと、
思った。
「何で泣いてんだよアコ」
「泣いてない」
「・・・・・・・・・嘘つけ」
怒ったような呆れたような、どちらともとれないエースの表情に私は本当に泣きそうになった。
でもここで泣く訳にはいかない。
こんな、路上で泣く訳には。
「フられたのか?」
「フられてない」
「でもお前昨日、今日好きな奴に告白するって言ってただろ?」
「・・・・・・・・・・・言った、けど」
「フられたんだろ」
「だからフられてない。・・・・・そもそも」
「そもそも?」
「告白すらしてない」
「はぁ?」
昨日、何でかは忘れたけど学校でエースと恋愛話になって。
『明日は土曜日!私告白するっ』
ということになってしまった。
その宣言通り私は好きな人に会いに行こうとした。
でも。
「じゃあ何で泣いてんだ」
「泣いてない。・・・・・・まだ」
「告白もまだ、フられてもねェ。なのに何で泣きそうになってんだよ」
言いながらエースは優しく私の頭を撫でてくれた。
「・・・・・・・・・・それはっ」
「それは?」
「・・・・・・・・・・それは、その」
エースの優しさは嬉しいけど、
話すと本当に泣いてしまいそうで、言うことに迷う。
けれどエースはそんな私の心を知ってか知らずか、
「そいつに何か酷ェこと言われたのか?なら俺がぶっ飛ばして来てやる」
何とも物騒な台詞を簡単に口にする。
私は慌てて、
「違うから!・・・・そういうんじゃ、ない」
首を横に振って否定する。
するとエースは今度は私の目をじっと覗き込んだ。
「じゃあ何でお前がそんな顔してんだ。話せよ」
その真剣な瞳からエースの気持ちが流れ込んできてこみあげる嬉しさ。
「すれ違った隣のクラスの女の子達が・・・・言ってて」
「何て」
「好きな人が居るみたいなんだよね、その人に」
目に涙が溜まって、ああもう泣くかもなんて思った時。
「何だそんなことか」
「・・・・・・・へ」
はあ、と呆れたようにため息を吐いてエースは言う。
「そんなこと言ったらお前俺なんかどうしたらいいんだよ」
「・・・・・・何が?」
「俺の好きな奴は俺の前でずーっと他の男の話してんだぞ?」
溜まった涙は流れることなく、止まった。
「・・・・・・・・・どんな人?」
「すげェ鈍感。結構一緒に居るのにたぶん俺の気持ちに気づいてねェ」
「告白・・・・しないの?」
「しようと思って来たんだよ」
力強い真っ直ぐなエースに、
今度こそ私は涙を堪え切れなかった。
「・・・・・・・・・そ、っか」
「って何でそこで泣くんだよ!」
「だってっ」
だって、
「だってもう失恋確実なんだもん!」
「はァ!?」
だって、だって、
「だって私が好きなのエースだし!」
泣きながら思い切り叫べば、
エースはぽかんと口を開けた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・俺?」
「でも気にしないで告白してくるといいよ!」
「・・・・いや、いいよってお前」
「隣のクラスの子がね、エース君好きな子居るんだって、すごく可愛い子って言ってた」
「・・・・・・・・で?」
「だからそのすんごく可愛い子のところに行って来なよ!でもって告白して幸せになって!」
ああ、もう自棄だわ。
そんな私をエースは、
「え、」
私の腕を引いて閉じ込めるエース。
え、ちょっと待って。
何、どういうこと?
「エース!?」
「じゃあする」
「・・・・・・・・・・うん行ってら、」
「好きだ」
行ってらっしゃいと言おうとした私を遮って、発せられたエースの言葉。
「・・・・・・私に言ってどうすんのそれ」
「アコに言わないでどうすんだよ」
「ちゃんと好きな子に言わなきゃ駄目でしょ!?」
ただでさえ今傷心真っ最中なんだから勘弁して欲しいとこだってのに。
けれどエースはなおも続ける。
「だから言ってんじゃねェか、好きだって」
「・・・・・だから何故それを私に言うのかって」
真面目にそう返せば、
「だから俺が好きなのはお前なんだよ!」
今度はそう怒鳴られた。
「・・・・・・・・・・・・・・え、だってすっごく可愛い女の子だって」
「可愛いだろアコ」
「・・・・・・えええ!?」
「つーかお前こそ聞いてたのと違ェ。好きな男がどんな奴か聞いた時お前俺に何て言った?」
え、えーと。
確かに私はエースの前でエースの話をした。
名前を伏せて。
その時私は確か、
「馬鹿で可愛くて優しい人」
「それの何処が俺なんだよ」
「だって弟馬鹿だし寝顔可愛いじゃん」
「・・・・・・・・・・・・わかんねェよそれじゃ」
はあああ、とさっきより深いため息を吐いたエース。
私もため息吐きたいよ。
・・・・・・これじゃ私まるで馬鹿じゃないか。
「なあ」
「ん?」
「もう1回言えよアコ」
「・・・・・・・・何を?」
「俺が好きだ、って」
「はい!?」
「聞きたい」
ニヤニヤとしたエースに一瞬言おうかどうか迷ったけど、
「・・・・・・・・・・エースが、好き」
勇気を振り絞ってみた。
「俺も好き」
返ってきた幸せそうなエースの笑顔が私を嬉しくさせて。
勇気出して良かったと、
思った。