短編①
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・・・・・イライラする。
俺の隊のクルーの楽しそうな声が。
「な、だよなー」
「イケるんじゃね?」
「可愛いよなーアコ」
・・・・呼び捨てかよ。
「今夜あたり誘ってみっかなー」
「おお、いいんじゃねえの?でも真面目そうだからなー」
「大丈夫だって、好きだ!とか言ってそのまま押し倒せば」
・・・・すっげェイライラする。
「よし、俺今夜誘ってみるわ」
あ、もう駄目だ。
「おい」
楽しそうに話してた隊員2人に声をかけた。
「・・・・えっ・・・エース・・・・隊長!」
「誰をどうするって?」
「へ?いや、あの・・・アコさんは可愛いなって話しッス!」
「・・・で、可愛いから今夜どうするつもりだ?」
「いいいいや!あの、別に何も・・・!なぁ!?」
「馬鹿、お前アコはエース隊長が連れて来たって忘れてたのか?」
「・・・アコ?」
呼び捨てにした隊員をじろりと睨めば、
「ひ・・・っ!アコさん・・・・です」
指先から軽く炎を出して、
2人を睨み付ける。
「アコに何かしたら・・・・わかるよな?」
「勿論です!!」
「失礼しました!!!」
んで、2人して怯えるようにして言い逃げしやがった。
・・・・ったく、何なんだよ。
何が可愛いだ。
・・・・んなこと知ってンだよ。
「エースさん?」
「・・・・おう」
目の前には名前を呼びながら見上げて来るアコの姿。
・・・こいつ、あいつらの前でもこんな顔してんのか?
だから可愛いとか言われてんだきっと。
「あの、サッチさんが買い出しに行ってくれないかって」
「買い出しィ?」
「・・・・すみません」
「・・・別にアコが謝ることじゃねェだろ」
「違うんです・・・・」
「違う?って何だよ」
「私が何かお手伝い出来ることありませんかって聞いたら、足りないものがあったから買って来て欲しいって」
ああ、なるほどな。
「でもアコ1人じゃ危険だから俺と一緒に行けってことか」
「・・・・ことです」
きっと自分が余計なこと言ったせいで俺を巻き込んだ、と思ってんだろうな。
申し訳なさそうに小さくなるアコは頭を撫でてやりてェほど可愛い。
あー・・・・むしろ抱きしめたい。
「俺は別にいいぜ、買うモンわかってんだろ?」
「っはい!有難う御座います・・・!」
「じゃ、行くか」
「あ、じゃあ私マルコさんからお金もらってきます。マルコさんに預けてあるそうなので」
「了解」
・・・・まぁ、マルコは別にアコのこと何とも思ってなさそうだしな。
・・・・俺には関係ねェけど。
マルコを探すアコの後を歩いてると、
アコが突然走り出した。
・・・前方にマルコ発見。
何だよあんな嬉しそうに。
「マルコさーんっ!!」
「・・・・何の用だい」
対するマルコの冷たい視線。
・・・・あれ、何かまたイラついてきた。
「お買い物に行きたいんですが、資金を頂けますでしょうか・・・」
「・・・・お前が行くのかよい」
・・・・何だよその言い方。
「あ、あの・・・エースさんと、行くことになりまして」
案の定アコも困惑した様子だ。
「・・・エースと、ねい」
「・・・・駄目ですか?」
アコの声が小さくなる。
たまらなくなって、
「金くれよマルコ」
俺が前に出た。
「お前に渡すとろくなもんに使わねェだろい」
「サッチに頼まれたちゃんとした買い出しだぜ?」
「揉め事起こさないと誓えるかい」
「誓う」
「・・・こんだけありゃ十分だろい」
「サンキュマルコ」
渋々といった感じで金を出すマルコ。
・・・・話しくらい通しとけよなサッチの野郎。
おかげで、
「すみませんでしたエースさん・・・私が不甲斐ないせいで・・・」
・・・アコが落ち込んでる。
「アコが気にすることねェって。ほら、買い物行くんだろ?」
「・・・・私役立たずで」
「んなことねェよ。マルコなんか気にするなって」
「・・・・有難う御座います」
笑顔を見せるものの、無理して笑ってることがバレバレだ。
・・・・・ムカつく。
いや待て。
待て俺。
例えばマルコがアコのこと好きでもムカつくんだよな。
・・・・んで、冷たくしてもムカつく。
どうすりゃいいんだ?
少し考えてはみたものの、
わからねェ。
・・・・とにかく今気になるのは、アコだ。
「でも私、マルコさんに疑われても仕方ないと思うんです」
「・・・何でだよ」
「だって皆さんにとって私は知らないとこから来た得体のしれない人間です」
だからしかたないんです、と言いながらアコは俯く。
・・・・仕方なくねェだろ。
「知らねェからって怪しい訳じゃねェだろ。アコは知らない俺に弁当くれたんだ」
「そう、なんですけど」
「マルコのことなんか気にすんなよ、俺がアコを信じてんだ」
「・・・有難う御座います!」
本当に嬉しそうに笑うその顔は、やっぱ可愛いんだ。
実はマルコさんのことが少し怖い。
仲間思いでいい人だっていうのはわかってる。
でも、その『仲間』に私が入っていないから。
・・・・怪しい奴だと思われてるんだろうなぁ。
仕方ないけど。
でも何だかエースさんが私以上に気にしてくれていて、嬉しいやら申し訳ないやら。
エースさん1人でも、信じてくれる人が居るのなら。
気にすることなんかないんだよね。
きっとマルコさんにも信じてもらえる日が来るはず。
時間が解決してくれるものだと今は信じるしかない。
あ、でもエースさんに言っておかないと。
「それに私のこと疑う人ばっかりでもないですから」
「・・・だろ?」
「この間お食事に誘って下さった方もいらっしゃいましたし・・・・」
「・・・・飯に誘われた?いつだよ」
「え、と・・・一昨日の夜」
「・・・・そんで一緒に飯食ったのか?」
あれ。
エースさんもっと喜んでくれるかと思ったら。
・・・・何かちょっと、怖い。
「いえ、お時間が合わなかったので・・・」
私はお手伝いしたかったから、その人の食事時間とは合わなかった。
「・・・・もしかしてその後夜会いたいとか言われなかったか?」
「あれ、なんでわかるんですか?」
「・・・・誰だ?」
「はい?」
「そいつ、誰だ」
「え!?ええと・・・・えーっと・・・・」
誰だっけ。
「・・・・・ごめんなさいちょっとお名前覚えてません」
「じゃあ顔は?」
「あ、お顔なら見ればわかるかと・・・」
「んじゃ今度見かけたら俺を呼べよ」
「あ・・・・はい」
・・・・何だかものすごい気迫だ。
という訳で肝心の買い出し。
「お醤油とお肉・・・・何のお肉ですかね?」
メモには醤油。肉。
しか書いてない。
肉っていったって牛肉豚肉鶏肉・・・色々あるのに。
「肉、としか書いてねェんだろ?」
「そうです」
「じゃあ全部」
「・・・・全部?」
「全種類買って来いってことなんだよ、そういう時は」
どん、と言い張るエースさん。
・・・・わお。
「でも量とか個数とか全然書いてなくて」
更なる問題を口にしたら、
「その為に俺が居るんだろ?」
「・・・・おお!」
エースさんが頼もしい。
じゃあお肉屋さんに、と歩き出したとこで。
「肉なら俺らにお任せー」
「へ?」
私とエースさんの前を邪魔するように立ち尽くす3人の男性達。
「・・・・何か御用でしょうか」
嫌な感じしかなしない私の前に、
エースさんが庇うように立ってくれた。
「おいおいおーい邪魔すんなよ兄ちゃん、俺ら肉食3兄弟」
「そりゃ不味そうだな」
あばばば・・・エースさん喧嘩売ってる!
「女の前だからってカッコつけてんじゃねーぞ!」
「・・・エースさんはいつでもカッコ良いですよ!!」
ちょっとムカッとしたので思わず叫んだ。
叫んだ、瞬間。
思いっきり強くエースさんに抱き寄せられた。
「っありがとな!」
嬉しそうにエースさんが言った後、
「アコ、ちょっとの間目閉じていられるか?」
「あ、はい」
言われるがまま目を閉じた。
・・・きっと、戦ってる姿を私に見せないように気遣ってくれてるんだ。
優しい人だから。
エースさん頑張って・・・!とドキドキしながら目を閉じて十数秒。
「開けていいぜ」
ゆっくり目を開けたら、見事に川の字になって倒れているお肉大好き3兄弟。
・・・・あれ、違ったっけ。
「さすがエースさん・・・!」
「よし、じゃあ肉買いに行くぜ」
「・・・この方々は私たちが買う前にすべてのお肉を買い占めるつもりだったんですかね?」
「・・・・アコ」
「ハイ」
目の前のエースさんは何故かきょとん。
「・・・ま、わかんねェならいいや」
苦笑するエースさんに込み上げるもやもや。
「あの・・・私もっと気を引き締めた方がいいでしょうか」
「は?」
「海賊がたくさんいる世界ですもんね・・・わかってはいるんですけど」
「別にそんな気張ることはねェと思うけどな」
「・・・私、エースさんと居るとつい安心しちゃって」
でも私自身もっと気を引き締めないと駄目な気がする。
私の知ってる世界とは違うんだから。
うん。
と、覚悟を決めた私の頭に、ぽんと置かれた大きな手。
「・・・エースさん?」
「そのまんまでいいんだ、アコは」
「・・・そうですか?」
「ああ。どんなことからも守ってやるよ」
ぽんぽん、と2回。
優しく叩かれる。
まるで安心しろ、と言ってくれてるようで。
「あ、そういえばエースさん、明日の夜夕飯ご一緒出来ませんか?」
ふと思い出したことがあって、エースさんに聞いてみた。
「明日?別にいいけど・・・どうかしたか?」
「たぶん2番隊の方だと思うんですけど・・・ご飯一緒に食べようって言われてまして」
「・・・・・それで?」
「なのでエースさんの都合も聞いてみますねってお返事したので」
今保留中なんです。
と言ったら、
「ぶはっ・・・はははっ!!」
エースさんが弾けたように笑いだした。
・・・・あ、あれ?
「ああああの、私何かおかしなこと言いましたか!?」
「ははっ、アコは面白ェな!」
「おもしろ・・・・!?」
何処が!?
「これから誰かに誘われた時は俺を呼べよ」
「はい!」
「それと、マルコに冷たくされた時もな」
「え?」
「約束な」
言いながら繋がれた手。
エースさんと『一緒』が心地いい。
今はまだ、それだけの気持ち。
俺の隊のクルーの楽しそうな声が。
「な、だよなー」
「イケるんじゃね?」
「可愛いよなーアコ」
・・・・呼び捨てかよ。
「今夜あたり誘ってみっかなー」
「おお、いいんじゃねえの?でも真面目そうだからなー」
「大丈夫だって、好きだ!とか言ってそのまま押し倒せば」
・・・・すっげェイライラする。
「よし、俺今夜誘ってみるわ」
あ、もう駄目だ。
「おい」
楽しそうに話してた隊員2人に声をかけた。
「・・・・えっ・・・エース・・・・隊長!」
「誰をどうするって?」
「へ?いや、あの・・・アコさんは可愛いなって話しッス!」
「・・・で、可愛いから今夜どうするつもりだ?」
「いいいいや!あの、別に何も・・・!なぁ!?」
「馬鹿、お前アコはエース隊長が連れて来たって忘れてたのか?」
「・・・アコ?」
呼び捨てにした隊員をじろりと睨めば、
「ひ・・・っ!アコさん・・・・です」
指先から軽く炎を出して、
2人を睨み付ける。
「アコに何かしたら・・・・わかるよな?」
「勿論です!!」
「失礼しました!!!」
んで、2人して怯えるようにして言い逃げしやがった。
・・・・ったく、何なんだよ。
何が可愛いだ。
・・・・んなこと知ってンだよ。
「エースさん?」
「・・・・おう」
目の前には名前を呼びながら見上げて来るアコの姿。
・・・こいつ、あいつらの前でもこんな顔してんのか?
だから可愛いとか言われてんだきっと。
「あの、サッチさんが買い出しに行ってくれないかって」
「買い出しィ?」
「・・・・すみません」
「・・・別にアコが謝ることじゃねェだろ」
「違うんです・・・・」
「違う?って何だよ」
「私が何かお手伝い出来ることありませんかって聞いたら、足りないものがあったから買って来て欲しいって」
ああ、なるほどな。
「でもアコ1人じゃ危険だから俺と一緒に行けってことか」
「・・・・ことです」
きっと自分が余計なこと言ったせいで俺を巻き込んだ、と思ってんだろうな。
申し訳なさそうに小さくなるアコは頭を撫でてやりてェほど可愛い。
あー・・・・むしろ抱きしめたい。
「俺は別にいいぜ、買うモンわかってんだろ?」
「っはい!有難う御座います・・・!」
「じゃ、行くか」
「あ、じゃあ私マルコさんからお金もらってきます。マルコさんに預けてあるそうなので」
「了解」
・・・・まぁ、マルコは別にアコのこと何とも思ってなさそうだしな。
・・・・俺には関係ねェけど。
マルコを探すアコの後を歩いてると、
アコが突然走り出した。
・・・前方にマルコ発見。
何だよあんな嬉しそうに。
「マルコさーんっ!!」
「・・・・何の用だい」
対するマルコの冷たい視線。
・・・・あれ、何かまたイラついてきた。
「お買い物に行きたいんですが、資金を頂けますでしょうか・・・」
「・・・・お前が行くのかよい」
・・・・何だよその言い方。
「あ、あの・・・エースさんと、行くことになりまして」
案の定アコも困惑した様子だ。
「・・・エースと、ねい」
「・・・・駄目ですか?」
アコの声が小さくなる。
たまらなくなって、
「金くれよマルコ」
俺が前に出た。
「お前に渡すとろくなもんに使わねェだろい」
「サッチに頼まれたちゃんとした買い出しだぜ?」
「揉め事起こさないと誓えるかい」
「誓う」
「・・・こんだけありゃ十分だろい」
「サンキュマルコ」
渋々といった感じで金を出すマルコ。
・・・・話しくらい通しとけよなサッチの野郎。
おかげで、
「すみませんでしたエースさん・・・私が不甲斐ないせいで・・・」
・・・アコが落ち込んでる。
「アコが気にすることねェって。ほら、買い物行くんだろ?」
「・・・・私役立たずで」
「んなことねェよ。マルコなんか気にするなって」
「・・・・有難う御座います」
笑顔を見せるものの、無理して笑ってることがバレバレだ。
・・・・・ムカつく。
いや待て。
待て俺。
例えばマルコがアコのこと好きでもムカつくんだよな。
・・・・んで、冷たくしてもムカつく。
どうすりゃいいんだ?
少し考えてはみたものの、
わからねェ。
・・・・とにかく今気になるのは、アコだ。
「でも私、マルコさんに疑われても仕方ないと思うんです」
「・・・何でだよ」
「だって皆さんにとって私は知らないとこから来た得体のしれない人間です」
だからしかたないんです、と言いながらアコは俯く。
・・・・仕方なくねェだろ。
「知らねェからって怪しい訳じゃねェだろ。アコは知らない俺に弁当くれたんだ」
「そう、なんですけど」
「マルコのことなんか気にすんなよ、俺がアコを信じてんだ」
「・・・有難う御座います!」
本当に嬉しそうに笑うその顔は、やっぱ可愛いんだ。
実はマルコさんのことが少し怖い。
仲間思いでいい人だっていうのはわかってる。
でも、その『仲間』に私が入っていないから。
・・・・怪しい奴だと思われてるんだろうなぁ。
仕方ないけど。
でも何だかエースさんが私以上に気にしてくれていて、嬉しいやら申し訳ないやら。
エースさん1人でも、信じてくれる人が居るのなら。
気にすることなんかないんだよね。
きっとマルコさんにも信じてもらえる日が来るはず。
時間が解決してくれるものだと今は信じるしかない。
あ、でもエースさんに言っておかないと。
「それに私のこと疑う人ばっかりでもないですから」
「・・・だろ?」
「この間お食事に誘って下さった方もいらっしゃいましたし・・・・」
「・・・・飯に誘われた?いつだよ」
「え、と・・・一昨日の夜」
「・・・・そんで一緒に飯食ったのか?」
あれ。
エースさんもっと喜んでくれるかと思ったら。
・・・・何かちょっと、怖い。
「いえ、お時間が合わなかったので・・・」
私はお手伝いしたかったから、その人の食事時間とは合わなかった。
「・・・・もしかしてその後夜会いたいとか言われなかったか?」
「あれ、なんでわかるんですか?」
「・・・・誰だ?」
「はい?」
「そいつ、誰だ」
「え!?ええと・・・・えーっと・・・・」
誰だっけ。
「・・・・・ごめんなさいちょっとお名前覚えてません」
「じゃあ顔は?」
「あ、お顔なら見ればわかるかと・・・」
「んじゃ今度見かけたら俺を呼べよ」
「あ・・・・はい」
・・・・何だかものすごい気迫だ。
という訳で肝心の買い出し。
「お醤油とお肉・・・・何のお肉ですかね?」
メモには醤油。肉。
しか書いてない。
肉っていったって牛肉豚肉鶏肉・・・色々あるのに。
「肉、としか書いてねェんだろ?」
「そうです」
「じゃあ全部」
「・・・・全部?」
「全種類買って来いってことなんだよ、そういう時は」
どん、と言い張るエースさん。
・・・・わお。
「でも量とか個数とか全然書いてなくて」
更なる問題を口にしたら、
「その為に俺が居るんだろ?」
「・・・・おお!」
エースさんが頼もしい。
じゃあお肉屋さんに、と歩き出したとこで。
「肉なら俺らにお任せー」
「へ?」
私とエースさんの前を邪魔するように立ち尽くす3人の男性達。
「・・・・何か御用でしょうか」
嫌な感じしかなしない私の前に、
エースさんが庇うように立ってくれた。
「おいおいおーい邪魔すんなよ兄ちゃん、俺ら肉食3兄弟」
「そりゃ不味そうだな」
あばばば・・・エースさん喧嘩売ってる!
「女の前だからってカッコつけてんじゃねーぞ!」
「・・・エースさんはいつでもカッコ良いですよ!!」
ちょっとムカッとしたので思わず叫んだ。
叫んだ、瞬間。
思いっきり強くエースさんに抱き寄せられた。
「っありがとな!」
嬉しそうにエースさんが言った後、
「アコ、ちょっとの間目閉じていられるか?」
「あ、はい」
言われるがまま目を閉じた。
・・・きっと、戦ってる姿を私に見せないように気遣ってくれてるんだ。
優しい人だから。
エースさん頑張って・・・!とドキドキしながら目を閉じて十数秒。
「開けていいぜ」
ゆっくり目を開けたら、見事に川の字になって倒れているお肉大好き3兄弟。
・・・・あれ、違ったっけ。
「さすがエースさん・・・!」
「よし、じゃあ肉買いに行くぜ」
「・・・この方々は私たちが買う前にすべてのお肉を買い占めるつもりだったんですかね?」
「・・・・アコ」
「ハイ」
目の前のエースさんは何故かきょとん。
「・・・ま、わかんねェならいいや」
苦笑するエースさんに込み上げるもやもや。
「あの・・・私もっと気を引き締めた方がいいでしょうか」
「は?」
「海賊がたくさんいる世界ですもんね・・・わかってはいるんですけど」
「別にそんな気張ることはねェと思うけどな」
「・・・私、エースさんと居るとつい安心しちゃって」
でも私自身もっと気を引き締めないと駄目な気がする。
私の知ってる世界とは違うんだから。
うん。
と、覚悟を決めた私の頭に、ぽんと置かれた大きな手。
「・・・エースさん?」
「そのまんまでいいんだ、アコは」
「・・・そうですか?」
「ああ。どんなことからも守ってやるよ」
ぽんぽん、と2回。
優しく叩かれる。
まるで安心しろ、と言ってくれてるようで。
「あ、そういえばエースさん、明日の夜夕飯ご一緒出来ませんか?」
ふと思い出したことがあって、エースさんに聞いてみた。
「明日?別にいいけど・・・どうかしたか?」
「たぶん2番隊の方だと思うんですけど・・・ご飯一緒に食べようって言われてまして」
「・・・・・それで?」
「なのでエースさんの都合も聞いてみますねってお返事したので」
今保留中なんです。
と言ったら、
「ぶはっ・・・はははっ!!」
エースさんが弾けたように笑いだした。
・・・・あ、あれ?
「ああああの、私何かおかしなこと言いましたか!?」
「ははっ、アコは面白ェな!」
「おもしろ・・・・!?」
何処が!?
「これから誰かに誘われた時は俺を呼べよ」
「はい!」
「それと、マルコに冷たくされた時もな」
「え?」
「約束な」
言いながら繋がれた手。
エースさんと『一緒』が心地いい。
今はまだ、それだけの気持ち。