短編①
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「あ、可愛い」
休みの日。
疲れてるとはいえ、家でだらだらとしてるには勿体無いほどの青空を見て、私は外に出た。
来たのは電車で数分の大型ショッピングモール。
カップルや友人同士で来てる人が多い中、
私は1人。
・・・・・・・・・・・・別に気にしないし。
ふらふらと歩いていて見つけた、屋台風のお店。
そこに売っていたのは天然石のアクセサリーで。
私の目に止まったものは、
ブレスレット。
タグについてる文字は、
『恋を引き寄せるジュエリー』
ついてる天然石はオブジディアンオパール、
水晶、
そしてジルコニア。
へえ、天然石のブレスにジルコニアなんて珍しい。
「これ下さーい」
「はーい有難う御座いますっ!」
すぐつけていかれますか、と聞かれたので頷いて、タグを切ってもらってそのまま腕に通した。
太陽の光を受けて輝くジルコニアが綺麗。
恋云々はまあいいとして、
デザインもオパールも綺麗だし、
今日はいい買い物が出来た。
あと見たいのは服とーあ、ゴミ箱新しくしようかなと思ってたんだっけ。
あとはワッフルが有名なお店があったっけ。
「あ」
早速カフェに向かおうとくりると方向転換したとこで私は知り合いを見つけた。
向こうもこっちに気づいた様子で、
目が合うとにこやかに近づいてきた。
「シャンクスも来てたんだ」
「ああ、プレゼントを買いに」
「女の子の?」
「まあ、そんなとこだ」
家が近いシャンクスとは幼馴染。
もうお互いいい年齢だし、あんまり会わないけど、こんな偶然もあるんだなあ。
「そういえば今日は女の子連れじゃないんだ?珍しいね」
「お前なァ・・・・。まあいい。アコも1人、みたいだな」
「うん。特に予定はないけどふらふらと」
「ちょうどいい、一緒に選んでくれると助かるんだが」
シャンクスは大変モテる。
女の子には勿論男の人にも。
「いいけど。相手は?恋人?」
「いや、恋人ではない、な」
「・・・・・・・・・どういう関係?」
まさか浮気相手とか。
さすがにそんな人へのプレゼントを選ぶのは御免だ。
「好きな女だ」
「片思いってこと?シャンクスが?」
「悪いか?」
「告白しちゃえばいいのに」
「してはいるんだが、本気にされてねェみてえだな」
モテモテのシャンクスでもそんなことがあるんだ、とちょっと驚き。
「とりあえず女の子ならアクセがいいんじゃない?いきなり指輪は重いけど」
「・・・・・・・お前のつけてるそれみたいなやつか?」
ちら、と向けられた視線の先はさっき買ったばかりのブレス。
「あ、これ?天然石だよーいいでしょ」
「男にもらったモンか?」
「・・・・・・・・・・・・・悪かったわね自分で買ったもので」
どうせこういうのは彼氏からもらってつけるもんですよーだ。
「だろうと思った」
シャンクスは私の答えを聞いて楽しそうに笑う。
「1人でも寂しくないし!で?どんな女の子なの?」
「あーそうだな。基本的に1人で何処にでも行けて強がりで泣き虫で、すげェ可愛い女」
「・・・・・・結構深い関係?」
「だと俺は思ってるんだがな」
「じゃあそれこそ天然石のブレスなんかいいんじゃない?」
我ながらナイスアイディア、と思いきや。
「駄目だな」
あっさりとシャンクスに却下されてしまった。
「何で?」
「もう持ってる」
「そうなの?じゃあ何がいいかなあ」
ほんとはその相手が誰なのかも気になるとこだけど、シャンクスは聞いても教えてくれなさそうだし。
「アコはもらえるとしたら何が欲しいんだ?」
「私?んーっとシチュエーションにもよるけど」
「誕生日ってやつだ」
誕生日かあ。
そういえば私も来月誕生日なんだけどさすがに覚えてないよねえ。
「じゃあケーキは?」
「悪くはないが、自分で買ってそうだな」
・・・・・・・・・難しいね。
「シャンクスがこれ、って思うのはないの?」
「本音を言えば指輪贈ってプロポーズしたいとこだな」
「・・・・・・・さすがにそれは止めた方がいいと思うよ。あ、映画のチケットプレゼントとか」
「アコの見たい映画は?」
「私は見たいのすぐに見に行っちゃうからなー1人で」
「じゃあ却下だな」
もう諦めたくなって来た。
ていうか何故私がそんな見知らぬ女性の為に苦しまなきゃいけないんだ。
・・・・・・・・とも言えず、
「私がもらって嬉しいのはヒーリング系CDかな。癒されたいもん」
もう自分のことだけどそのまま口にすればシャンクスは意外にも、
「そうか。じゃあそれにしよう」
と頷いた。
ええええ、本気!?
「参考にさせてもらう」
そうして寄ったCDショップで、
シャンクスは癒し系のCDを1枚買った。
「・・・・・・・・うまくいくといいね」
「おう。ありがとな」
それから2人で当初行く予定だったカフェに行って、今日のお礼にとワッフルをシャンクスに奢ってもらった。
・・・・・・・このブレス、シャンクスにあげれば良かったかな。
好きな人が居るなら。
恋を引き寄せる、だもんね。
私の恋はいつ来るのやら。
そう思っていた私のもとに来月、
見たことのある癒し系CDを持ったシャンクスが、
私の誕生日に来ることになるなんて。
私はまだ気づいていなかった。
天然石の効果、
というやつでしょうか。