短編①
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目を開いて、ゆっくりと起き上がった。
枕元に置いた時計を確認する。
さっきからまだ5分しか過ぎてない。
はあ、と大きなため息が出た。
もう夜中の2時。
「うーん」
目が冴えてる。
・・・・・・・・眠れない。
かと言ってすることもない。
さっき本を読んでみたけど、眠気は来そうにないし。
もう寝ることは諦めて、起きることにした。
とはいってもこんな時間だし、起きてる人は少ないだろうな。
することもないし。
とりあえず、と甲板に出てみる。
今日は風も波も穏やかで、ゆっくり眠れそうなんだけどなあ。
「・・・・・・・あ、月が綺麗」
夜は宴だ何だと忙しくて空なんか見上げる暇なかったし。
「月にでも行くつもりかお前」
「え?」
声が聞こえて振り返ると、
夜の闇によく映える赤。
「何してんだこんな時間に」
「お頭こそ」
「俺は飲み足りないんで、酒をくすねに」
「・・・・・・・・ベンさんに怒られますよ?」
さして気にする様子もなくあっけらかんと笑うお頭に苦笑するけど、
「まあ、そん時はそん時だ」
・・・・・・・・うん、まあそう答えるだろうなとは思った。
「アコは何してんだ?こんなとこで」
「寝れなくて。何となく月見てたんです」
「悩み事か?」
「いえ、そんなんじゃ」
「お前何でも1人で溜め込むからなー。駄目だぞちゃんと発散しねェと」
お頭はそう言って私の隣で立ちながら、お酒の瓶にそのまま口をつけ、ぐびりと美味しそうに飲む。
「添い寝してやろうか?」
「眠くないので寝れないでしょうねえ」
「子守唄つきだぞ?」
「とっても嬉しいお話ですけど、やめときます」
四皇の添い寝、しかも子守唄つきなんてものすごい贅沢な話だと思うけど。
今こうしてるだけでも私にとっては十分な幸せだから。
「じゃあ、俺の晩酌に付き合ってもらうか」
「喜んで」
お頭は私の返事を受けて満足そうに頷いた。
そしてそのまま目の前まで来ると、
「え、」
ちゅ、と額に軽く触れたお頭の唇。
「な!何するんですかお頭!」
突然のことに頭パニック。
っていうかこんなんじゃますます目が冴えて眠れない!
けれどお頭はそんな私なんか知らないという風に平然と言い放つ。
「見せ付けたかったんだ。悪いな」
「誰に」
数時間前まではたくさんの人が酒だつまみだと騒いでいたこの場所にはもう誰も居ないのに。
「月に」
「・・・・・・・・・何ですかそれ」
「お前さっき真剣に月見てただろう?・・・嫉妬しただけだ」
あまりにストレートなお頭の物言いに熱くなる顔。
ああ、もう。
ほんとにこれじゃまだまだ眠れないじゃない。
「呆れたか?」
「・・・・・・・私は月になんか行かないですよ」
そういえばさっき、月にでも行くつもりか、と聞かれたっけ。
そう思い出しながら答える。
「誰が行かせるか」
「月に行ってもお頭が居なかったら楽しくないです」
「そりゃ同感だな」
「だから私はここで・・・・この海でお頭と共に生きます」
きっと、ずっと。
そう言えば不意に優しく抱き寄せられた。
「・・・・・・・・お頭?」
どくん、どくんと聞こえる心臓の音はどちらのものか。
「このまま寝るかアコ?」
その心音に安心するのは何でだろう。
「・・・・・確かに、眠く、なってきました」
「ああ・・・・今日はいい夢が見れそうだ」
薄れていく意識の中、
これだけはお頭に言わなきゃと私は口を開いた。
「おか・・・しら」
「ん?」
「おやすみなさい」
「・・・・・・・・・・おやすみアコ」
おやすみなさい。
良い夢を。
枕元に置いた時計を確認する。
さっきからまだ5分しか過ぎてない。
はあ、と大きなため息が出た。
もう夜中の2時。
「うーん」
目が冴えてる。
・・・・・・・・眠れない。
かと言ってすることもない。
さっき本を読んでみたけど、眠気は来そうにないし。
もう寝ることは諦めて、起きることにした。
とはいってもこんな時間だし、起きてる人は少ないだろうな。
することもないし。
とりあえず、と甲板に出てみる。
今日は風も波も穏やかで、ゆっくり眠れそうなんだけどなあ。
「・・・・・・・あ、月が綺麗」
夜は宴だ何だと忙しくて空なんか見上げる暇なかったし。
「月にでも行くつもりかお前」
「え?」
声が聞こえて振り返ると、
夜の闇によく映える赤。
「何してんだこんな時間に」
「お頭こそ」
「俺は飲み足りないんで、酒をくすねに」
「・・・・・・・・ベンさんに怒られますよ?」
さして気にする様子もなくあっけらかんと笑うお頭に苦笑するけど、
「まあ、そん時はそん時だ」
・・・・・・・・うん、まあそう答えるだろうなとは思った。
「アコは何してんだ?こんなとこで」
「寝れなくて。何となく月見てたんです」
「悩み事か?」
「いえ、そんなんじゃ」
「お前何でも1人で溜め込むからなー。駄目だぞちゃんと発散しねェと」
お頭はそう言って私の隣で立ちながら、お酒の瓶にそのまま口をつけ、ぐびりと美味しそうに飲む。
「添い寝してやろうか?」
「眠くないので寝れないでしょうねえ」
「子守唄つきだぞ?」
「とっても嬉しいお話ですけど、やめときます」
四皇の添い寝、しかも子守唄つきなんてものすごい贅沢な話だと思うけど。
今こうしてるだけでも私にとっては十分な幸せだから。
「じゃあ、俺の晩酌に付き合ってもらうか」
「喜んで」
お頭は私の返事を受けて満足そうに頷いた。
そしてそのまま目の前まで来ると、
「え、」
ちゅ、と額に軽く触れたお頭の唇。
「な!何するんですかお頭!」
突然のことに頭パニック。
っていうかこんなんじゃますます目が冴えて眠れない!
けれどお頭はそんな私なんか知らないという風に平然と言い放つ。
「見せ付けたかったんだ。悪いな」
「誰に」
数時間前まではたくさんの人が酒だつまみだと騒いでいたこの場所にはもう誰も居ないのに。
「月に」
「・・・・・・・・・何ですかそれ」
「お前さっき真剣に月見てただろう?・・・嫉妬しただけだ」
あまりにストレートなお頭の物言いに熱くなる顔。
ああ、もう。
ほんとにこれじゃまだまだ眠れないじゃない。
「呆れたか?」
「・・・・・・・私は月になんか行かないですよ」
そういえばさっき、月にでも行くつもりか、と聞かれたっけ。
そう思い出しながら答える。
「誰が行かせるか」
「月に行ってもお頭が居なかったら楽しくないです」
「そりゃ同感だな」
「だから私はここで・・・・この海でお頭と共に生きます」
きっと、ずっと。
そう言えば不意に優しく抱き寄せられた。
「・・・・・・・・お頭?」
どくん、どくんと聞こえる心臓の音はどちらのものか。
「このまま寝るかアコ?」
その心音に安心するのは何でだろう。
「・・・・・確かに、眠く、なってきました」
「ああ・・・・今日はいい夢が見れそうだ」
薄れていく意識の中、
これだけはお頭に言わなきゃと私は口を開いた。
「おか・・・しら」
「ん?」
「おやすみなさい」
「・・・・・・・・・・おやすみアコ」
おやすみなさい。
良い夢を。