短編①
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ざぷん、ざぷんと穏やかに揺れる波を見ていた。
夜の海。
・・・・・・・・・この海の奥底には何が居るんだろう。
この海の奥底から上を見たらどんな色なんだろう。
そう思って覗き込もうとしたら、
後ろから襟首をがっと掴まれた。
「飛び込む気かい?」
「はへ?」
逞しい腕で、
力強く掴む、マルコさん。
「宴にも厨房にも居ないと思ったら・・・・馬鹿なこと考えてんじゃねえよい」
何とも複雑な顔をしたマルコさんに、
複雑な気持ちがこみあげる。
嬉しいのと、申し訳ないのと。
あと色々。
「・・・・・・・いやあ、飛び込もうと思ってた訳じゃないんですけども」
「俺にはそう見えたんだがねい」
「ただ見てただけですよ。で、もっとよく見てみたいなあと思って」
「こんなとこでぼけっとしてたら海王類に食われちまうよい」
「危険な海ですもんねえ」
笑いながら言う私にマルコさんは呆れたように苦笑した。
「もうとっくにわかってると思ってたよい」
それから少しのため息。
「わかってるから惹かれるんですよ」
「・・・・・・・・・・・させねえよい?」
「でもなんか、危険な海って惹かれません?」
安全な海より、危険な海のほうに行きたい。
弱いくせに、って言われるのはわかってるんだけど。
そんな私にマルコさんは顎に手を当て、
数秒考えるような顔をしてから、
「わ、」
私の腰を掴んでぐっと自分の方へ引き寄せた。
「どうせなら危ない海より、危ない男に惹かれろい」
「・・・・・・・・・もう惹かれてます」
誇りのあるその胸元に顔を埋めた。
恥ずかしいけど、
ドキドキするけど、
嬉しい。
「マルコさん宴に戻らなくていいんですか?」
はた、と気づいて聞いてみたら、
嬉しそうな声で、
「宴より危なっかしい女に惹かれるんだよい」
と返って来た。
「・・・・・・・・危なっかしいですか、私」
「さっきは今にも飛び込もうとしてたろい?」
「・・・・・・してなかったんですけど」
「こうやってねえと、すぐどっかに行っちまうだろい、アコ」
「行きませんよ。私、危険な海より危険な男の人の方に惹かれるみたいで」
「は、そりゃあいい」
お互いに抱きしめたまま、
離れない。
ざぷん、ざぷん。
波の音に混じって、
私たち2人が笑う声。
「危険な海と、危険な男の人」
「そして危険な女、かい?」
「やだ、私は危なっかしいだけで危険じゃないですよ」
「似たようなもんだろい」
「・・・・・・・・・そうですか?」
「目が離せない、よい」
ちゅ、と瞼に落とされた唇。
ああ、マルコさんはこれからどんな顔で笑うんだろう。
私からマルコさんの厚ぼったい唇に、
口付けたら。
これから手を繋いで歩きたいって言ったら。
どんな顔、するんだろう。
海より冒険より、
私を魅了する、
危険な人だ。
ざぷん、ざぷんと穏やかに揺れる波を見ていた。
夜の海。
・・・・・・・・・この海の奥底には何が居るんだろう。
この海の奥底から上を見たらどんな色なんだろう。
そう思って覗き込もうとしたら、
後ろから襟首をがっと掴まれた。
「飛び込む気かい?」
「はへ?」
逞しい腕で、
力強く掴む、マルコさん。
「宴にも厨房にも居ないと思ったら・・・・馬鹿なこと考えてんじゃねえよい」
何とも複雑な顔をしたマルコさんに、
複雑な気持ちがこみあげる。
嬉しいのと、申し訳ないのと。
あと色々。
「・・・・・・・いやあ、飛び込もうと思ってた訳じゃないんですけども」
「俺にはそう見えたんだがねい」
「ただ見てただけですよ。で、もっとよく見てみたいなあと思って」
「こんなとこでぼけっとしてたら海王類に食われちまうよい」
「危険な海ですもんねえ」
笑いながら言う私にマルコさんは呆れたように苦笑した。
「もうとっくにわかってると思ってたよい」
それから少しのため息。
「わかってるから惹かれるんですよ」
「・・・・・・・・・・・させねえよい?」
「でもなんか、危険な海って惹かれません?」
安全な海より、危険な海のほうに行きたい。
弱いくせに、って言われるのはわかってるんだけど。
そんな私にマルコさんは顎に手を当て、
数秒考えるような顔をしてから、
「わ、」
私の腰を掴んでぐっと自分の方へ引き寄せた。
「どうせなら危ない海より、危ない男に惹かれろい」
「・・・・・・・・・もう惹かれてます」
誇りのあるその胸元に顔を埋めた。
恥ずかしいけど、
ドキドキするけど、
嬉しい。
「マルコさん宴に戻らなくていいんですか?」
はた、と気づいて聞いてみたら、
嬉しそうな声で、
「宴より危なっかしい女に惹かれるんだよい」
と返って来た。
「・・・・・・・・危なっかしいですか、私」
「さっきは今にも飛び込もうとしてたろい?」
「・・・・・・してなかったんですけど」
「こうやってねえと、すぐどっかに行っちまうだろい、アコ」
「行きませんよ。私、危険な海より危険な男の人の方に惹かれるみたいで」
「は、そりゃあいい」
お互いに抱きしめたまま、
離れない。
ざぷん、ざぷん。
波の音に混じって、
私たち2人が笑う声。
「危険な海と、危険な男の人」
「そして危険な女、かい?」
「やだ、私は危なっかしいだけで危険じゃないですよ」
「似たようなもんだろい」
「・・・・・・・・・そうですか?」
「目が離せない、よい」
ちゅ、と瞼に落とされた唇。
ああ、マルコさんはこれからどんな顔で笑うんだろう。
私からマルコさんの厚ぼったい唇に、
口付けたら。
これから手を繋いで歩きたいって言ったら。
どんな顔、するんだろう。
海より冒険より、
私を魅了する、
危険な人だ。
夜の海。
・・・・・・・・・この海の奥底には何が居るんだろう。
この海の奥底から上を見たらどんな色なんだろう。
そう思って覗き込もうとしたら、
後ろから襟首をがっと掴まれた。
「飛び込む気かい?」
「はへ?」
逞しい腕で、
力強く掴む、マルコさん。
「宴にも厨房にも居ないと思ったら・・・・馬鹿なこと考えてんじゃねえよい」
何とも複雑な顔をしたマルコさんに、
複雑な気持ちがこみあげる。
嬉しいのと、申し訳ないのと。
あと色々。
「・・・・・・・いやあ、飛び込もうと思ってた訳じゃないんですけども」
「俺にはそう見えたんだがねい」
「ただ見てただけですよ。で、もっとよく見てみたいなあと思って」
「こんなとこでぼけっとしてたら海王類に食われちまうよい」
「危険な海ですもんねえ」
笑いながら言う私にマルコさんは呆れたように苦笑した。
「もうとっくにわかってると思ってたよい」
それから少しのため息。
「わかってるから惹かれるんですよ」
「・・・・・・・・・・・させねえよい?」
「でもなんか、危険な海って惹かれません?」
安全な海より、危険な海のほうに行きたい。
弱いくせに、って言われるのはわかってるんだけど。
そんな私にマルコさんは顎に手を当て、
数秒考えるような顔をしてから、
「わ、」
私の腰を掴んでぐっと自分の方へ引き寄せた。
「どうせなら危ない海より、危ない男に惹かれろい」
「・・・・・・・・・もう惹かれてます」
誇りのあるその胸元に顔を埋めた。
恥ずかしいけど、
ドキドキするけど、
嬉しい。
「マルコさん宴に戻らなくていいんですか?」
はた、と気づいて聞いてみたら、
嬉しそうな声で、
「宴より危なっかしい女に惹かれるんだよい」
と返って来た。
「・・・・・・・・危なっかしいですか、私」
「さっきは今にも飛び込もうとしてたろい?」
「・・・・・・してなかったんですけど」
「こうやってねえと、すぐどっかに行っちまうだろい、アコ」
「行きませんよ。私、危険な海より危険な男の人の方に惹かれるみたいで」
「は、そりゃあいい」
お互いに抱きしめたまま、
離れない。
ざぷん、ざぷん。
波の音に混じって、
私たち2人が笑う声。
「危険な海と、危険な男の人」
「そして危険な女、かい?」
「やだ、私は危なっかしいだけで危険じゃないですよ」
「似たようなもんだろい」
「・・・・・・・・・そうですか?」
「目が離せない、よい」
ちゅ、と瞼に落とされた唇。
ああ、マルコさんはこれからどんな顔で笑うんだろう。
私からマルコさんの厚ぼったい唇に、
口付けたら。
これから手を繋いで歩きたいって言ったら。
どんな顔、するんだろう。
海より冒険より、
私を魅了する、
危険な人だ。
ざぷん、ざぷんと穏やかに揺れる波を見ていた。
夜の海。
・・・・・・・・・この海の奥底には何が居るんだろう。
この海の奥底から上を見たらどんな色なんだろう。
そう思って覗き込もうとしたら、
後ろから襟首をがっと掴まれた。
「飛び込む気かい?」
「はへ?」
逞しい腕で、
力強く掴む、マルコさん。
「宴にも厨房にも居ないと思ったら・・・・馬鹿なこと考えてんじゃねえよい」
何とも複雑な顔をしたマルコさんに、
複雑な気持ちがこみあげる。
嬉しいのと、申し訳ないのと。
あと色々。
「・・・・・・・いやあ、飛び込もうと思ってた訳じゃないんですけども」
「俺にはそう見えたんだがねい」
「ただ見てただけですよ。で、もっとよく見てみたいなあと思って」
「こんなとこでぼけっとしてたら海王類に食われちまうよい」
「危険な海ですもんねえ」
笑いながら言う私にマルコさんは呆れたように苦笑した。
「もうとっくにわかってると思ってたよい」
それから少しのため息。
「わかってるから惹かれるんですよ」
「・・・・・・・・・・・させねえよい?」
「でもなんか、危険な海って惹かれません?」
安全な海より、危険な海のほうに行きたい。
弱いくせに、って言われるのはわかってるんだけど。
そんな私にマルコさんは顎に手を当て、
数秒考えるような顔をしてから、
「わ、」
私の腰を掴んでぐっと自分の方へ引き寄せた。
「どうせなら危ない海より、危ない男に惹かれろい」
「・・・・・・・・・もう惹かれてます」
誇りのあるその胸元に顔を埋めた。
恥ずかしいけど、
ドキドキするけど、
嬉しい。
「マルコさん宴に戻らなくていいんですか?」
はた、と気づいて聞いてみたら、
嬉しそうな声で、
「宴より危なっかしい女に惹かれるんだよい」
と返って来た。
「・・・・・・・・危なっかしいですか、私」
「さっきは今にも飛び込もうとしてたろい?」
「・・・・・・してなかったんですけど」
「こうやってねえと、すぐどっかに行っちまうだろい、アコ」
「行きませんよ。私、危険な海より危険な男の人の方に惹かれるみたいで」
「は、そりゃあいい」
お互いに抱きしめたまま、
離れない。
ざぷん、ざぷん。
波の音に混じって、
私たち2人が笑う声。
「危険な海と、危険な男の人」
「そして危険な女、かい?」
「やだ、私は危なっかしいだけで危険じゃないですよ」
「似たようなもんだろい」
「・・・・・・・・・そうですか?」
「目が離せない、よい」
ちゅ、と瞼に落とされた唇。
ああ、マルコさんはこれからどんな顔で笑うんだろう。
私からマルコさんの厚ぼったい唇に、
口付けたら。
これから手を繋いで歩きたいって言ったら。
どんな顔、するんだろう。
海より冒険より、
私を魅了する、
危険な人だ。