短編①
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1週間。
我ながらうまくやってると思う。
・・・・・・・・・・・・・かの1番隊隊長、マルコさんを1週間も避けることが出来るなんて。
「まだ避けてんの?アコちゃん。あいつかなり凹んでるぜ」
「・・・・・・・・・・だって」
厨房に行けば最近サッチさんからはその言葉ばかり。
でも、こればっかりは仕方ないと思う。
1週間前。
甲板で普通に話をしていただけの私とマルコさん。
何の話をしていたかは忘れたけど。
私は夕飯の支度のお手伝いに行く前で、たぶん料理の話をしていたような気もする。
けれど突然マルコさんに引き寄せられて。
・・・・・・・・・キス、された。
私はそのまま全力で厨房に走って逃げた。
それからずっと、私はマルコさんを避けている。
だって、無理。
顔なんて合わせられない。
「何、そんなに嫌だったの?」
「・・・・・・・・・嫌、っていうか」
「ていうか?」
「・・・・・・・・・・・嫌なのもですけど驚いたっていうか、むかついたっていうか」
嫌だったのか、と聞かれると困る。
でもたぶん正直な気持ちとしては、
驚いたのと、むかついた。
それが正解だ。
「・・・・・・・むかついた、ねえ」
「だっていきなりだったし、何も言わないし」
「そりゃ1週間も避けられたら何も言えないっしょ」
「っだって!卑怯ですあんなの」
「まあ、海賊だからなあ俺達は」
「・・・・・・うぐ」
サッチさんの台詞に言葉に詰まる。
「とにかくあいつも反省してるみてえだし、話すことくらいしてやれって。な?」
「・・・・・・・・・・・・・うう」
サッチさんとそんなやりとりをして1時間後。
夕飯の後片付けを終えて部屋に戻ればマルコさんが部屋の前に、立っていた。
つい癖でくるりと踵を返す、けど。
『とにかくあいつも反省してるみてえだし、話すことくらいしてやれって。な?』
サッチさんの言葉を思い出して立ち止まった。
「アコ」
名前を呼ばれて思わずびくっとなる。
怒られるだろうか。
今まで避けてたこと。
・・・・・・・・・でも、
それでも、
逃げたかったんだ、私は。
「マルコ、さん」
覚悟を決めて前を向けばもう逃がさない、とマルコさんの瞳に追い詰められた。
「・・・・・・もう逃げないのかい」
あ、やっぱバレてましたか。
「・・・・・・・やっぱ逃げてもいいですか?」
「今更」
「ふぎゃ!?」
今更、と言いながら手を掴まれた。
強く、握られて。
「1週間まともに顔も見られなかったんだ、こっちは。もう逃がす気はねえよい」
・・・・・握られたままの手首が、痛い。
「痛いです、マルコさん」
そう言えば少しだけ緩められた気がした。
でも、逃がしてはくれそうにない。
顔は、怖くて見れそうにない。
俯いたまま私は言葉を探す。
「・・・・・・・・・何で私が逃げてたか、わかってます?」
「・・・・・わかってる、つもりだよい」
「じゃあ逃がして下さい」
「それは出来ねえ」
「・・・・・・・・・・・じゃあ何か言って下さい」
言われるのが怖くて、ずっと避けてた。
・・・・・・・・・でも、ずっとこのままって訳にもいかない。
するとマルコさんが珍しく小さい声を出した。
「嫌、だったかい」
それはきっと、
あのこと。
蘇るマルコさんの顔の近さ、
唇のぬくもり。
ああ、私。
「・・・・・・嫌でした」
「・・・・・・・・・・そうかい」
「・・・ってそれだけですか?」
「謝ったらアコは許してくれるのかい」
「・・・・・・・・・それは」
たぶん無理、だけど。
だって本当に嫌だったから。
「・・・・・・・・・・だって。だって私ずっとマルコさんのこと好きだったのに!いきなりキスするし何も言わないし!」
「・・・・は?」
「私身体だけの関係とか他の女の人の代わりとか絶っっ対嫌ですから!」
愛がない、と言われることが。
「おい」
「・・・・・・・・何ですか」
「誰がんなこと言った?」
「・・・・・・・・・だってマルコさん何も言ってくれないから。まだ何も言わないならまた勝手に妄想します」
「待てよい。・・・・ちゃんと、言わせろ」
急に弱弱しくなった声音に顔をあげれば、まるで小さい子供が不安がっているような顔のマルコさんが居た。
「・・・・・・どうぞ」
「好きだよい、アコ。・・・どうしようもないくらい、愛してんだい」
紡がれた言葉に、突然あふれ出す涙。
「・・・・・それを、早く、言って、下さいよ!!」
「・・・・・・・悪い、よい」
ぼろぼろと零れる涙はそのままに、
「私も、好きです、から」
「アコ・・・・キス、していいかい」
「・・・・・・・・・・はい」
それからマルコさんは、
キスする時必ず愛の言葉を告げてくれるようになりました。
我ながらうまくやってると思う。
・・・・・・・・・・・・・かの1番隊隊長、マルコさんを1週間も避けることが出来るなんて。
「まだ避けてんの?アコちゃん。あいつかなり凹んでるぜ」
「・・・・・・・・・・だって」
厨房に行けば最近サッチさんからはその言葉ばかり。
でも、こればっかりは仕方ないと思う。
1週間前。
甲板で普通に話をしていただけの私とマルコさん。
何の話をしていたかは忘れたけど。
私は夕飯の支度のお手伝いに行く前で、たぶん料理の話をしていたような気もする。
けれど突然マルコさんに引き寄せられて。
・・・・・・・・・キス、された。
私はそのまま全力で厨房に走って逃げた。
それからずっと、私はマルコさんを避けている。
だって、無理。
顔なんて合わせられない。
「何、そんなに嫌だったの?」
「・・・・・・・・・嫌、っていうか」
「ていうか?」
「・・・・・・・・・・・嫌なのもですけど驚いたっていうか、むかついたっていうか」
嫌だったのか、と聞かれると困る。
でもたぶん正直な気持ちとしては、
驚いたのと、むかついた。
それが正解だ。
「・・・・・・・むかついた、ねえ」
「だっていきなりだったし、何も言わないし」
「そりゃ1週間も避けられたら何も言えないっしょ」
「っだって!卑怯ですあんなの」
「まあ、海賊だからなあ俺達は」
「・・・・・・うぐ」
サッチさんの台詞に言葉に詰まる。
「とにかくあいつも反省してるみてえだし、話すことくらいしてやれって。な?」
「・・・・・・・・・・・・・うう」
サッチさんとそんなやりとりをして1時間後。
夕飯の後片付けを終えて部屋に戻ればマルコさんが部屋の前に、立っていた。
つい癖でくるりと踵を返す、けど。
『とにかくあいつも反省してるみてえだし、話すことくらいしてやれって。な?』
サッチさんの言葉を思い出して立ち止まった。
「アコ」
名前を呼ばれて思わずびくっとなる。
怒られるだろうか。
今まで避けてたこと。
・・・・・・・・・でも、
それでも、
逃げたかったんだ、私は。
「マルコ、さん」
覚悟を決めて前を向けばもう逃がさない、とマルコさんの瞳に追い詰められた。
「・・・・・・もう逃げないのかい」
あ、やっぱバレてましたか。
「・・・・・・・やっぱ逃げてもいいですか?」
「今更」
「ふぎゃ!?」
今更、と言いながら手を掴まれた。
強く、握られて。
「1週間まともに顔も見られなかったんだ、こっちは。もう逃がす気はねえよい」
・・・・・握られたままの手首が、痛い。
「痛いです、マルコさん」
そう言えば少しだけ緩められた気がした。
でも、逃がしてはくれそうにない。
顔は、怖くて見れそうにない。
俯いたまま私は言葉を探す。
「・・・・・・・・・何で私が逃げてたか、わかってます?」
「・・・・・わかってる、つもりだよい」
「じゃあ逃がして下さい」
「それは出来ねえ」
「・・・・・・・・・・・じゃあ何か言って下さい」
言われるのが怖くて、ずっと避けてた。
・・・・・・・・・でも、ずっとこのままって訳にもいかない。
するとマルコさんが珍しく小さい声を出した。
「嫌、だったかい」
それはきっと、
あのこと。
蘇るマルコさんの顔の近さ、
唇のぬくもり。
ああ、私。
「・・・・・・嫌でした」
「・・・・・・・・・・そうかい」
「・・・ってそれだけですか?」
「謝ったらアコは許してくれるのかい」
「・・・・・・・・・それは」
たぶん無理、だけど。
だって本当に嫌だったから。
「・・・・・・・・・・だって。だって私ずっとマルコさんのこと好きだったのに!いきなりキスするし何も言わないし!」
「・・・・は?」
「私身体だけの関係とか他の女の人の代わりとか絶っっ対嫌ですから!」
愛がない、と言われることが。
「おい」
「・・・・・・・・何ですか」
「誰がんなこと言った?」
「・・・・・・・・・だってマルコさん何も言ってくれないから。まだ何も言わないならまた勝手に妄想します」
「待てよい。・・・・ちゃんと、言わせろ」
急に弱弱しくなった声音に顔をあげれば、まるで小さい子供が不安がっているような顔のマルコさんが居た。
「・・・・・・どうぞ」
「好きだよい、アコ。・・・どうしようもないくらい、愛してんだい」
紡がれた言葉に、突然あふれ出す涙。
「・・・・・それを、早く、言って、下さいよ!!」
「・・・・・・・悪い、よい」
ぼろぼろと零れる涙はそのままに、
「私も、好きです、から」
「アコ・・・・キス、していいかい」
「・・・・・・・・・・はい」
それからマルコさんは、
キスする時必ず愛の言葉を告げてくれるようになりました。