短編①
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幼馴染だったシャンクスに告白されたのが2週間前。
それから見事に逃げまくっていた私は、お詫びにと今日のデートを余儀なくされた。
・・・・・・・・・・・こんな私の何処がいいんだろ。
「シャンクスーお腹すいた」
「じゃあそろそろ昼飯にするか」
「ここの1階にフードコートあったよね?そこにしない?」
「ああ、そうするか」
カップルや家族で賑わう大型のショッピングモール。
・・・・・・・・私とシャンクスは別に、
カップルでも家族でもないけど。
「何食べよっかな。フードコートは自由に選べるのがいいよねえ」
「アコは食う時が1番可愛いよな」
「・・・・・・・・・石焼ビビンバにしよ。シャンクスは?」
「俺もそこでいい。デザートセットもあるみたいだがどうする?」
ふとメニューを見ると確かにデザートセットがある。
ちょっとお値段跳ね上がるけど。
「んーお財布と相談かな」
「俺が出すって言ったら付き合ってくれるか?」
「食べ物じゃ釣られませーん」
平然と会話をしながら、内心、心臓のドキドキが伝わらないか不安だった。
お昼ご飯を終えて、お腹も満たされたところで再びウィンドウショッピング。
「あ、シルバーアクセの専門店。見ていい?」
「・・・指輪、か」
シャンクスは頷きながらそうぽつりと呟いた。
「・・・・・何?」
「いや、昔は駄菓子屋で売ってた指輪を欲しがってたよな、と」
「すんごい昔のこと言わないでよ。私だって一応女なんだから、こういうのには興味あるんですー」
「別に悪いとは言ってねェだろ?」
「あ、これ綺麗」
シルバーのリングに、大粒のキュービックジルコニアがついた物。
やっぱ女の子ならキラキラに憧れる。
「アコが欲しいならその大きさで本物のダイヤのリングでも買ってやる」
「そんな高いの怖くて身につけられないってば」
今私が手に持ってるリングは5800円。
この大きさでダイヤだったら何億するか。
・・・・ふと、思いついた。
「ねえ、シャンクス。これ買ってくれたら付き合ってもいいよ?」
食べ物には釣られないけど物には釣られるのか、なんて呆れた笑いが返ってくるんだろうと予想した私が馬鹿だった。
シャンクスは目を見開くと、すぐに私が持っていたリングを奪い、レジへと向かった。
「え、」
呆然とする私の目の前でシャンクスはお会計を済ませ、私の元に戻ってくる。
「これでいいのか?」
す、っと差し出された紙袋。
「あ・・・・・・・・・・うん」
「他に欲しい物はあるか?」
「・・・・・・・・・・・や、ない、です」
「そうか」
え、何これ。
そのまま店を出た私達。
「・・・・・・・・・・・・・物に釣られるような女でいいの?」
「お前こそ、わかってんのか?」
「え、何が?・・・・・って、ちょっ」
何が、と聞いた瞬間腕をとられて物陰に連れ込まれた。
そして、
「ん・・・っ」
荒々しい口付け。
「俺と付き合うってのはこういうことだぞ?」
唇が離れた瞬間、確認するようなシャンクスの言葉に、私は俯いた。
「・・・・・・・・・・やだ」
「だったら、」
そして何か言いかけたシャンクスを遮って顔を上げる。
「いきなりキスとか恥ずかしすぎるんですけど!あのね、最初は手を繋ぐとかステップってもんがあるでしょ!?」
「・・・・・・すまん」
そう言って驚いたように笑ったシャンクスが、可愛いと思った。
「で、付き合うことになった訳?」
「訳です」
買い物途中に出会った友達のナミに一応ご報告。
「あんたねえ、ちゃんと謝って本当のこと言いなさいよ」
「・・・・・・・・わかってるけど。だって今までただの幼馴染だったんだよ?」
「だからこそ、よ」
「はーい」
私にとっては何気ないそんな会話を、
シャンクスが聞いていたことをこの時私は知らなかった。
「あのね、シャンクス」
幼馴染から恋人になって初めてのデート。
勇気を出して声をかけた私に、シャンクスの顔が強張った。
「聞きたくない」
「え、聞いてよ」
「謝罪の言葉なら聞かないぞ」
何故だか頑なに私の言葉を聞こうとしないシャンクス。
ちょっと待って何で謝罪するってわかってるの?
「・・・・・・・・・シャンクス?」
何となく、だけど。
幼馴染の勘ってやつが働いた。
「聞かねェ」
「・・・・・・・・好きって言いたいだけなのに」
小声でそう伝えれば、
「え?」
シャンクスの顔が変わった。
「告白されて驚いたけど、ほんとは私もずっとシャンクスのことが好きだった」
「・・・・・・・・・アコ?」
「でも今まで幼馴染だったし、どう答えていいかわかんなくて。指輪はただのきっかけのつもりだったんだけど」
「じゃあ謝罪ってのは」
「今まで黙っててごめんねって」
そう言えばシャンクスは、思い切り深いため息を吐いた。
「それを早く言ってくれ・・・・」
「シャンクスが勝手に早とちりしたんじゃない」
「せっかく手に入れたアコを手放すことになるかとヒヤヒヤした」
いつも余裕のあるシャンクスにしては珍しく何処か不安そうな表情を浮かべている。
・・・・・・・・・それが、少し嬉しい。
「でも友達との話を盗み聞きするような人とはどうしようかなー」
なんてちょっと意地悪を言えば、
「よし。今日の夜あたり挨拶に行くか」
と訳のわからない返事が返って来た。
「挨拶?」
「おじさんとおばさんに挨拶。アコを下さいってな」
「・・・・・・・・・・・・・・気が早いのでは」
「もう離す気はねえってことだ。やっとお前に指輪を買ってやれたんだからな」
「やっと?」
「んじゃ行くか」
やっぱり会話になってない会話をして、
私達は手を繋いだ。
・・・・・・・・・・・ステップ全無視ですか。
それから見事に逃げまくっていた私は、お詫びにと今日のデートを余儀なくされた。
・・・・・・・・・・・こんな私の何処がいいんだろ。
「シャンクスーお腹すいた」
「じゃあそろそろ昼飯にするか」
「ここの1階にフードコートあったよね?そこにしない?」
「ああ、そうするか」
カップルや家族で賑わう大型のショッピングモール。
・・・・・・・・私とシャンクスは別に、
カップルでも家族でもないけど。
「何食べよっかな。フードコートは自由に選べるのがいいよねえ」
「アコは食う時が1番可愛いよな」
「・・・・・・・・・石焼ビビンバにしよ。シャンクスは?」
「俺もそこでいい。デザートセットもあるみたいだがどうする?」
ふとメニューを見ると確かにデザートセットがある。
ちょっとお値段跳ね上がるけど。
「んーお財布と相談かな」
「俺が出すって言ったら付き合ってくれるか?」
「食べ物じゃ釣られませーん」
平然と会話をしながら、内心、心臓のドキドキが伝わらないか不安だった。
お昼ご飯を終えて、お腹も満たされたところで再びウィンドウショッピング。
「あ、シルバーアクセの専門店。見ていい?」
「・・・指輪、か」
シャンクスは頷きながらそうぽつりと呟いた。
「・・・・・何?」
「いや、昔は駄菓子屋で売ってた指輪を欲しがってたよな、と」
「すんごい昔のこと言わないでよ。私だって一応女なんだから、こういうのには興味あるんですー」
「別に悪いとは言ってねェだろ?」
「あ、これ綺麗」
シルバーのリングに、大粒のキュービックジルコニアがついた物。
やっぱ女の子ならキラキラに憧れる。
「アコが欲しいならその大きさで本物のダイヤのリングでも買ってやる」
「そんな高いの怖くて身につけられないってば」
今私が手に持ってるリングは5800円。
この大きさでダイヤだったら何億するか。
・・・・ふと、思いついた。
「ねえ、シャンクス。これ買ってくれたら付き合ってもいいよ?」
食べ物には釣られないけど物には釣られるのか、なんて呆れた笑いが返ってくるんだろうと予想した私が馬鹿だった。
シャンクスは目を見開くと、すぐに私が持っていたリングを奪い、レジへと向かった。
「え、」
呆然とする私の目の前でシャンクスはお会計を済ませ、私の元に戻ってくる。
「これでいいのか?」
す、っと差し出された紙袋。
「あ・・・・・・・・・・うん」
「他に欲しい物はあるか?」
「・・・・・・・・・・・や、ない、です」
「そうか」
え、何これ。
そのまま店を出た私達。
「・・・・・・・・・・・・・物に釣られるような女でいいの?」
「お前こそ、わかってんのか?」
「え、何が?・・・・・って、ちょっ」
何が、と聞いた瞬間腕をとられて物陰に連れ込まれた。
そして、
「ん・・・っ」
荒々しい口付け。
「俺と付き合うってのはこういうことだぞ?」
唇が離れた瞬間、確認するようなシャンクスの言葉に、私は俯いた。
「・・・・・・・・・・やだ」
「だったら、」
そして何か言いかけたシャンクスを遮って顔を上げる。
「いきなりキスとか恥ずかしすぎるんですけど!あのね、最初は手を繋ぐとかステップってもんがあるでしょ!?」
「・・・・・・すまん」
そう言って驚いたように笑ったシャンクスが、可愛いと思った。
「で、付き合うことになった訳?」
「訳です」
買い物途中に出会った友達のナミに一応ご報告。
「あんたねえ、ちゃんと謝って本当のこと言いなさいよ」
「・・・・・・・・わかってるけど。だって今までただの幼馴染だったんだよ?」
「だからこそ、よ」
「はーい」
私にとっては何気ないそんな会話を、
シャンクスが聞いていたことをこの時私は知らなかった。
「あのね、シャンクス」
幼馴染から恋人になって初めてのデート。
勇気を出して声をかけた私に、シャンクスの顔が強張った。
「聞きたくない」
「え、聞いてよ」
「謝罪の言葉なら聞かないぞ」
何故だか頑なに私の言葉を聞こうとしないシャンクス。
ちょっと待って何で謝罪するってわかってるの?
「・・・・・・・・・シャンクス?」
何となく、だけど。
幼馴染の勘ってやつが働いた。
「聞かねェ」
「・・・・・・・・好きって言いたいだけなのに」
小声でそう伝えれば、
「え?」
シャンクスの顔が変わった。
「告白されて驚いたけど、ほんとは私もずっとシャンクスのことが好きだった」
「・・・・・・・・・アコ?」
「でも今まで幼馴染だったし、どう答えていいかわかんなくて。指輪はただのきっかけのつもりだったんだけど」
「じゃあ謝罪ってのは」
「今まで黙っててごめんねって」
そう言えばシャンクスは、思い切り深いため息を吐いた。
「それを早く言ってくれ・・・・」
「シャンクスが勝手に早とちりしたんじゃない」
「せっかく手に入れたアコを手放すことになるかとヒヤヒヤした」
いつも余裕のあるシャンクスにしては珍しく何処か不安そうな表情を浮かべている。
・・・・・・・・・それが、少し嬉しい。
「でも友達との話を盗み聞きするような人とはどうしようかなー」
なんてちょっと意地悪を言えば、
「よし。今日の夜あたり挨拶に行くか」
と訳のわからない返事が返って来た。
「挨拶?」
「おじさんとおばさんに挨拶。アコを下さいってな」
「・・・・・・・・・・・・・・気が早いのでは」
「もう離す気はねえってことだ。やっとお前に指輪を買ってやれたんだからな」
「やっと?」
「んじゃ行くか」
やっぱり会話になってない会話をして、
私達は手を繋いだ。
・・・・・・・・・・・ステップ全無視ですか。