短編①
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今駅に着いた、とメールがあった。
うちに着くまであと15分くらい、かな。
ニヤける口元をそのままに私は油の入った鍋に火をつけた。
今日はから揚げ。
エース、喜んでくれるかな。
エースと結婚してまだ数週間。
慣れない主婦業の中、
エースの大好きな食事の時間だけは力を入れてる。
から揚げがいい色に揚がった頃、
「アコっただいま!」
エースが元気良く帰ってきた。
「おかえりエース!」
お皿に盛って、玄関のエースに駆け寄ると、
「アコ、会いたかった」
「やだなエース、大袈裟」
待ち構えていたエースにぎゅうっと抱きしめられた。
本当は私も寂しくて、会いたかったけど。
強がってそう伝えれば、
エースは拗ねたように、
「何だよ、会いたかったのは俺だけか?」
耳元で囁く。
そんな風に言われたら、
「・・・・・・・・・・私も会いたかった」
って言うしかない。
「ははっ素直でよろしい」
「あ、今日の夕飯から揚げなの。揚げたてのうちに食べよ?」
それからから揚げのことを思い出して、
エースから離れようとすると腕を引かれて再びエースの腕の中。
「エース?」
「から揚げもいいけど、その前にすることあんだろ?」
ニヤリと笑みを浮かべるエースに熱くなる顔。
「・・・・・・・・・ん」
目を閉じてすぐに、唇が重なった。
「お疲れ様、エース」
「ああ。ただいまアコ」
朝出かける時と、
夜帰ってきた時のキス。
これが私達の約束。
最初はちょっと抵抗あったんだけど、
歳をとってもこれを続けよう、そんな夫婦でいようって。
そんなエースの気持ちが嬉しくて、頷いた。
「あー腹減った」
「山盛りで用意してあるからね!」
「お、サンキュ」
食卓に着いてからは、
「あのね、今日はお隣のロビンちゃんが来てね」
私が今日あったことを話す。
「それでナミちゃんが怒ったんだって」
「相変わらずだなああいつら」
「でしょ?」
そして次に、
「今日は俺がサッチと組んで取引先んとこ行ってよ」
「うっわいいコンビ」
エースが今日あったことを話す。
これも約束。
エースが居ない間あったことを私は話したいし、
エースがその日にあったことを知ることで私の中のエースを埋めることが出来るから。
食べてても話しててもエースは途中で寝ちゃうこともあるけど、それでも幸せな時間。
「ぷはー!美味かった!ご馳走様でした!」
「お粗末様でした」
話しをしながらの食事を終えて、
「俺、幸せだ」
エースがぽつりと呟いた。
「・・・・どしたの、急に」
何かあったの、と聞けばエースは嬉しそうに笑った。
「アコが俺と結婚してくれて、家で美味い飯作って待っててくれんのがさ」
「・・・・・・それが、幸せ?」
「それと、毎日抱きしめてキス出来て、アコが行ってらっしゃい、って見送ってくれてよ」
「・・・・うん」
「帰ったら笑顔でおかえり、って言ってくれるし。幸せだなーって思ったんだ、今」
・・・・・そんなエースの、
本当に幸せそうな笑顔と、
言葉で私も幸せ。
「うん、私も今、幸せ」
「あァ。・・・・でも、これからもずーっと幸せにするから、な」
「ありがと、エース」
そうして2人でゆっくり、
いわゆる甘い夜を過ごした。
・・・・・・・・・・だから、なのか。
「じゃあ行って来るな、アコ」
そう言っていつものように私にキスしようとしたエースの顔を、
私は初めて避けた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・アコ?」
エースが不思議そうな顔でこっちを見てる。
わかってる、わかってるんだけど。
「・・・・・・・キス、したくない」
「・・・・・・・・・・・・・何で」
「だって・・・・・キスしたらエース仕事行っちゃうから」
子供っぽいってわかってるんだけど!
俯いて呟いた私に、
「・・・・・・・・は?」
エースは呆然。
「・・・・・・・・・寂しい」
「アコ」
「うー・・・・ごめんね、我が侭言って」
駄目だ、って思いながらも自然と掴むエースの服の裾。
するとエースはぎゅっと優しく抱きしめてくれた。
「可愛いな、アコは」
「だってエースが昨日あんなこと言うから」
幸せだ、なんて。
あんな顔であんなこと言うから。
「から?」
エースへの『好き』が、溢れて止らなくなっちゃったじゃん。
「離れるの、寂しい」
「あー・・・・・・・今日休みてェなァ」
困ったように呟くエースにずき、と胸が痛む。
「そっ・・・・それは駄目」
「はははっ、じゃあどうすっかな」
「会社、遅刻しちゃうね・・・・ごめんね」
さすがにもうこれ以上は、と思って顔を上げると、
エースが嬉しそうに笑ってた。
「・・・・・・・・・・エース?」
「会社着いたら、電話する。昼飯ん時とか、空き時間見つけたらアコに電話する」
「え、」
「そんで今日は昨日より1分、1秒でも早く帰ってくるから」
「そこまでしなくても、」
「いいんだよ。可愛い奥さんが寂しい、って言う時くらいこれくらいしたってよ」
「・・・・・・いいの?」
「ああ。だから・・・・ここで待っててくれるか?」
「・・・・うん」
頷いた私の唇に、今度こそキスをして。
エースは、
「じゃ、行って来きます」
「行ってらっしゃいっ」
私も今度こそ笑顔でエースを見送った。
走って行くエースに悪いことしちゃったな、と思いながら今日の夕飯を考える。
おかえり、って言う時間を待つ。
私達は、
まだまだ新婚さんです。
うちに着くまであと15分くらい、かな。
ニヤける口元をそのままに私は油の入った鍋に火をつけた。
今日はから揚げ。
エース、喜んでくれるかな。
エースと結婚してまだ数週間。
慣れない主婦業の中、
エースの大好きな食事の時間だけは力を入れてる。
から揚げがいい色に揚がった頃、
「アコっただいま!」
エースが元気良く帰ってきた。
「おかえりエース!」
お皿に盛って、玄関のエースに駆け寄ると、
「アコ、会いたかった」
「やだなエース、大袈裟」
待ち構えていたエースにぎゅうっと抱きしめられた。
本当は私も寂しくて、会いたかったけど。
強がってそう伝えれば、
エースは拗ねたように、
「何だよ、会いたかったのは俺だけか?」
耳元で囁く。
そんな風に言われたら、
「・・・・・・・・・・私も会いたかった」
って言うしかない。
「ははっ素直でよろしい」
「あ、今日の夕飯から揚げなの。揚げたてのうちに食べよ?」
それからから揚げのことを思い出して、
エースから離れようとすると腕を引かれて再びエースの腕の中。
「エース?」
「から揚げもいいけど、その前にすることあんだろ?」
ニヤリと笑みを浮かべるエースに熱くなる顔。
「・・・・・・・・・ん」
目を閉じてすぐに、唇が重なった。
「お疲れ様、エース」
「ああ。ただいまアコ」
朝出かける時と、
夜帰ってきた時のキス。
これが私達の約束。
最初はちょっと抵抗あったんだけど、
歳をとってもこれを続けよう、そんな夫婦でいようって。
そんなエースの気持ちが嬉しくて、頷いた。
「あー腹減った」
「山盛りで用意してあるからね!」
「お、サンキュ」
食卓に着いてからは、
「あのね、今日はお隣のロビンちゃんが来てね」
私が今日あったことを話す。
「それでナミちゃんが怒ったんだって」
「相変わらずだなああいつら」
「でしょ?」
そして次に、
「今日は俺がサッチと組んで取引先んとこ行ってよ」
「うっわいいコンビ」
エースが今日あったことを話す。
これも約束。
エースが居ない間あったことを私は話したいし、
エースがその日にあったことを知ることで私の中のエースを埋めることが出来るから。
食べてても話しててもエースは途中で寝ちゃうこともあるけど、それでも幸せな時間。
「ぷはー!美味かった!ご馳走様でした!」
「お粗末様でした」
話しをしながらの食事を終えて、
「俺、幸せだ」
エースがぽつりと呟いた。
「・・・・どしたの、急に」
何かあったの、と聞けばエースは嬉しそうに笑った。
「アコが俺と結婚してくれて、家で美味い飯作って待っててくれんのがさ」
「・・・・・・それが、幸せ?」
「それと、毎日抱きしめてキス出来て、アコが行ってらっしゃい、って見送ってくれてよ」
「・・・・うん」
「帰ったら笑顔でおかえり、って言ってくれるし。幸せだなーって思ったんだ、今」
・・・・・そんなエースの、
本当に幸せそうな笑顔と、
言葉で私も幸せ。
「うん、私も今、幸せ」
「あァ。・・・・でも、これからもずーっと幸せにするから、な」
「ありがと、エース」
そうして2人でゆっくり、
いわゆる甘い夜を過ごした。
・・・・・・・・・・だから、なのか。
「じゃあ行って来るな、アコ」
そう言っていつものように私にキスしようとしたエースの顔を、
私は初めて避けた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・アコ?」
エースが不思議そうな顔でこっちを見てる。
わかってる、わかってるんだけど。
「・・・・・・・キス、したくない」
「・・・・・・・・・・・・・何で」
「だって・・・・・キスしたらエース仕事行っちゃうから」
子供っぽいってわかってるんだけど!
俯いて呟いた私に、
「・・・・・・・・は?」
エースは呆然。
「・・・・・・・・・寂しい」
「アコ」
「うー・・・・ごめんね、我が侭言って」
駄目だ、って思いながらも自然と掴むエースの服の裾。
するとエースはぎゅっと優しく抱きしめてくれた。
「可愛いな、アコは」
「だってエースが昨日あんなこと言うから」
幸せだ、なんて。
あんな顔であんなこと言うから。
「から?」
エースへの『好き』が、溢れて止らなくなっちゃったじゃん。
「離れるの、寂しい」
「あー・・・・・・・今日休みてェなァ」
困ったように呟くエースにずき、と胸が痛む。
「そっ・・・・それは駄目」
「はははっ、じゃあどうすっかな」
「会社、遅刻しちゃうね・・・・ごめんね」
さすがにもうこれ以上は、と思って顔を上げると、
エースが嬉しそうに笑ってた。
「・・・・・・・・・・エース?」
「会社着いたら、電話する。昼飯ん時とか、空き時間見つけたらアコに電話する」
「え、」
「そんで今日は昨日より1分、1秒でも早く帰ってくるから」
「そこまでしなくても、」
「いいんだよ。可愛い奥さんが寂しい、って言う時くらいこれくらいしたってよ」
「・・・・・・いいの?」
「ああ。だから・・・・ここで待っててくれるか?」
「・・・・うん」
頷いた私の唇に、今度こそキスをして。
エースは、
「じゃ、行って来きます」
「行ってらっしゃいっ」
私も今度こそ笑顔でエースを見送った。
走って行くエースに悪いことしちゃったな、と思いながら今日の夕飯を考える。
おかえり、って言う時間を待つ。
私達は、
まだまだ新婚さんです。