短編①
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近くの島に上陸して2日目。
「アコ、目にクマ出来てるけど」
「え」
「・・・・・・・・・エース隊長ね?」
3時のティータイムで、
サッチさんの特製紅茶とクッキーでミリア達と休憩時間。
「・・・・・うん」
「嫌な時はしっかり言った方がいいわよ」
「ん、ありがと」
求められるのは嬉しいんだけど。
・・・・・・・・恥ずかしい。
「そう言えば聞いた?プリンスがこの近くに来てるって」
「プリンス?」
サンジ君?
「超イケメンで紳士的で優しい海賊。女性限定で」
やっぱサンジ君じゃないのそれ。
と思いきや、
「長い金の髪をなびかせて爽やかに微笑む姿からそう言われてるの」
「・・・・・・・ふーん」
サンジ君ではなさそう。
「アコ、口説かれちゃうかもしれないわね」
ミリアは面白そうに笑うけど、
「ないない。ミリアの方が可愛いし、私なら間違いなくミリアを口説くって」
「あら、有難う。でもアコにはエース隊長がいるものね?」
「・・・・・うん」
「そういえば最近喧嘩多いみたいだけど大丈夫?」
苦笑を浮かべた私にミリアが心配そうな顔をしてくれて。
「たいした原因じゃないんだよ?人前ですぐ抱きしめてきたりするから注意してるだけ」
「いいじゃないそれくらい。許してあげたら?」
「・・・・・ミリアは大人だね」
「あらあら、これだとアコの方がプリンスにくらっといくかもね?」
「・・・・・・・・・・・そうかなあ」
ふふ、と軽やかに笑ったミリアに私は曖昧な笑みしか返せなかった。
「それでね、そこでエースが寝ちゃって」
「うっわあエースらしい」
「でしょ?あ、これ美味しいよハルタ君」
夜の宴。
私はハルタ君、クリエルさん達とご飯を食べながらお話し中。
「そういえば最近エースと一緒に居ること少なくなったんじゃないか、アコ。喧嘩でもしたのか?」
「あはは、ご心配有難う御座いますクリエルさん、大丈夫ですよー」
「前は四六時中一緒に居たもんなお前ら」
「・・・・・・・・・こほ」
「お、噂をすれば何とやら、だな」
「え?」
クリエルさんの視線の先が私の後ろで、
振り向いた矢先のことだった。
ちゅ、と音がして。
唇に触れた何か。
「・・・・・・・・・・・っエース!」
「油断してるアコが悪い」
私の唇に触れた何かはいつの間にか私の後ろに立っていたエースの唇。
「人前でこういうことしないでっていつも言ってるよね!?」
「やったもん勝ちだろ?」
言いながらエースはケラケラと笑って逃げていった。
「・・・・・・・っとにもう!」
「仲が良いのか悪いのかわからんな」
「っアトモスさん!」
「こういうのは良いって言うんだよきっと」
「ハルタ君まで!」
いたたまれない!
恥ずかしい!
「私部屋に戻りますねっ」
まだ楽しそうな宴を後に、私は足早に部屋に戻った。
まったくエースは、とドアを開けた瞬間私は動きを止めて目を丸くした。
「えー・・・・・・と」
「こんにちはお嬢さん」
金色に光る長い金髪をなびかせて。
白い歯を見せてキラリと微笑んだ。
「僕のことはご存知頂けているかな?」
うっわ、まさか本当に?
「・・・・・・プリンスさん?」
半信半疑で問いかけてみると、プリンスさんはにこりと笑んでから私の前で膝をついた。
そして私の腕を取り、
「なんですか!?」
手の甲に唇が近づいたので、慌てて手を引っ込めた。
「怖がらなくてもいい。僕は貴女を助けに来たのだから」
「・・・・助けて頂くような状況ではないんですけど」
けれどプリンスさんは表情を変えることなく、
「火拳のエースにないがしろにされているだろう?かくさなくていい、僕にはわかるよ」
「貴方に私の何がわかるんですか。ていうか勝手に部屋に入らないで下さい」
勝手に女性の部屋に入ってくるとか全然紳士じゃないし、
勝手にキスして来ようとするし気持ち悪いんだけど!
話と全然違う!
これならサンジ君の方が絶対プリンスだと思う。
「恥ずかしがらなくていい、さあ僕の船においで」
「恥ずかしがってもないし船にも行きませんけど。やっぱり何もわかってないじゃないですか」
この人ただの変態だった。
「わかってない?僕が?」
「エースが、皆が居ないなら私がこの世界に居る意味はないんです。私がどんな覚悟でここにいるかわかってないです」
だから、と続きを言いかけたところで私は後ろから抱きしめられた。
「っエース!?」
「お前にはコイツの側に居る資格ねェよ。アコが普通の女なら俺は苦労してねェし」
振り返ると嬉しそうに笑みを浮かべながら私を抱きしめるエース。
ってちょっと待って。
「ちょっと待ってエースそれは聞き捨てならない。苦労って何?」
「だってそうだろ?俺は好きだって言ったし未遂とはいえ襲ってんのに俺の気持ちに気づかねェくらい鈍感で」
「そ・・・・・それは」
「火拳!彼女を責めるな。そんな彼女の覚悟を踏み潰してるのはお前だろう」
ああ、もうっ!
「プリンスさんも聞き捨てなりません!別に踏み潰されてないです!」
「しかし夜も無理をさせられてるだろう、嫌だと言っても人前でいちゃつくし、最近側に居る時間が少なくなった」
プリンスさんは、どうだ!と言わんばかりまくしたてた。
「そりゃお前、」
「求められるのは愛されてるってことだし、私が本気で嫌がったら絶対やめてくれますよ」
何か言いかけたエースを遮って私が発言する。
「じゃあ最近一緒に居なくなったのは?愛が薄れてるからじゃないのか」
「それはエースが気を遣ってくれてるから。私がもっといろんな人と仲良くなれるように、世界が広がるように」
必要な時はちゃんと側に居てくれてるし。
「へェ、わかってんじゃねェか」
「だから鈍感じゃないってば」
「いーや、鈍感だな」
「だってエースわかりにくかったじゃん!」
「何処がだよ?俺はすっげェわかりやすくしてた」
「それを言うなら私だって!」
「お前マルコマルコって言ってただろーが!」
「言ってない!」
と、エースとの口論がヒートアップしたところで、
「わかった、僕の負けだ」
「あ」
プリンスさん居たの忘れてた。
「確かに・・・・君を奪うのは無理そうだ」
「俺の勝ちだな!」
「・・・・・・・・・・ん?」
今のエースの言葉が引っかかった。
俺の勝ち?
「ああ、僕の負けだ。大人しく引き下がることにするよ」
僕の負け?
「ぷ・・・・プリンスさん?」
「火拳とお幸せに、アコさん」
「・・・・・え?」
あくまで爽やかな笑顔を残して部屋を出て行ったプリンスさん。
「何だったの今の」
困惑する私にエースは平然と、
「勝負だったんだよ。俺の勝ちだったけど」
「勝負?」
「昨日島に降りただろ?そん時にお前を見て一目惚れしたんだとよ。で、俺と勝負することになった訳だ」
「・・・・・・・・どんな?」
「1回でもアコの気持ちが揺らいだらあいつの勝ち。で、掻っ攫われるとこだった」
「はいぃ!?」
聞いてませんけど私!!
「んで色々聞かれたから答えてやった」
「い・・・・色々って」
「アコが好きなポーズしてたろ?あいつ」
「・・・・・・・・・っっ!!!」
だからあの時跪いて手にキスしようとしたんだ!
顔が一気にぐわーっと熱くなった。
何て恥ずかしいことを!!
「ちゃんと避けたな、偉かったじゃねェか」
「・・・・・・・だって同じポーズでもエースの方がカッコ良かったし」
しかも知らない人だったし。
「ちなみにあいつがここに居ることも知ってた」
「は!?」
「アコの部屋に俺以外の男が入って気づかねェ訳ないだろ?」
・・・・・・・・・・・確かに。
白ひげ海賊団の人たちが誰一人として気づかないのはおかしい。
ってことは、
「皆も知ってたの!?」
「ああ。ミリアもな。情報先に教えとかねェとアコが怖がると思ってあいつのこと教えてやってくれって頼んだ」
ミリアも共犯者だったなんて・・・・!!
「じゃ、勝負にも勝ったことだし」
「宴?」
「いーや、アコと愛し合うんだよ」
がっくりと肩を落とした私に、
エースは本当に嬉しそうに、
幸せそうに笑うから。
・・・・・・・・・・・うん。
やっぱ負けかもしれない。
と思った。
「アコ、目にクマ出来てるけど」
「え」
「・・・・・・・・・エース隊長ね?」
3時のティータイムで、
サッチさんの特製紅茶とクッキーでミリア達と休憩時間。
「・・・・・うん」
「嫌な時はしっかり言った方がいいわよ」
「ん、ありがと」
求められるのは嬉しいんだけど。
・・・・・・・・恥ずかしい。
「そう言えば聞いた?プリンスがこの近くに来てるって」
「プリンス?」
サンジ君?
「超イケメンで紳士的で優しい海賊。女性限定で」
やっぱサンジ君じゃないのそれ。
と思いきや、
「長い金の髪をなびかせて爽やかに微笑む姿からそう言われてるの」
「・・・・・・・ふーん」
サンジ君ではなさそう。
「アコ、口説かれちゃうかもしれないわね」
ミリアは面白そうに笑うけど、
「ないない。ミリアの方が可愛いし、私なら間違いなくミリアを口説くって」
「あら、有難う。でもアコにはエース隊長がいるものね?」
「・・・・・うん」
「そういえば最近喧嘩多いみたいだけど大丈夫?」
苦笑を浮かべた私にミリアが心配そうな顔をしてくれて。
「たいした原因じゃないんだよ?人前ですぐ抱きしめてきたりするから注意してるだけ」
「いいじゃないそれくらい。許してあげたら?」
「・・・・・ミリアは大人だね」
「あらあら、これだとアコの方がプリンスにくらっといくかもね?」
「・・・・・・・・・・・そうかなあ」
ふふ、と軽やかに笑ったミリアに私は曖昧な笑みしか返せなかった。
「それでね、そこでエースが寝ちゃって」
「うっわあエースらしい」
「でしょ?あ、これ美味しいよハルタ君」
夜の宴。
私はハルタ君、クリエルさん達とご飯を食べながらお話し中。
「そういえば最近エースと一緒に居ること少なくなったんじゃないか、アコ。喧嘩でもしたのか?」
「あはは、ご心配有難う御座いますクリエルさん、大丈夫ですよー」
「前は四六時中一緒に居たもんなお前ら」
「・・・・・・・・・こほ」
「お、噂をすれば何とやら、だな」
「え?」
クリエルさんの視線の先が私の後ろで、
振り向いた矢先のことだった。
ちゅ、と音がして。
唇に触れた何か。
「・・・・・・・・・・・っエース!」
「油断してるアコが悪い」
私の唇に触れた何かはいつの間にか私の後ろに立っていたエースの唇。
「人前でこういうことしないでっていつも言ってるよね!?」
「やったもん勝ちだろ?」
言いながらエースはケラケラと笑って逃げていった。
「・・・・・・・っとにもう!」
「仲が良いのか悪いのかわからんな」
「っアトモスさん!」
「こういうのは良いって言うんだよきっと」
「ハルタ君まで!」
いたたまれない!
恥ずかしい!
「私部屋に戻りますねっ」
まだ楽しそうな宴を後に、私は足早に部屋に戻った。
まったくエースは、とドアを開けた瞬間私は動きを止めて目を丸くした。
「えー・・・・・・と」
「こんにちはお嬢さん」
金色に光る長い金髪をなびかせて。
白い歯を見せてキラリと微笑んだ。
「僕のことはご存知頂けているかな?」
うっわ、まさか本当に?
「・・・・・・プリンスさん?」
半信半疑で問いかけてみると、プリンスさんはにこりと笑んでから私の前で膝をついた。
そして私の腕を取り、
「なんですか!?」
手の甲に唇が近づいたので、慌てて手を引っ込めた。
「怖がらなくてもいい。僕は貴女を助けに来たのだから」
「・・・・助けて頂くような状況ではないんですけど」
けれどプリンスさんは表情を変えることなく、
「火拳のエースにないがしろにされているだろう?かくさなくていい、僕にはわかるよ」
「貴方に私の何がわかるんですか。ていうか勝手に部屋に入らないで下さい」
勝手に女性の部屋に入ってくるとか全然紳士じゃないし、
勝手にキスして来ようとするし気持ち悪いんだけど!
話と全然違う!
これならサンジ君の方が絶対プリンスだと思う。
「恥ずかしがらなくていい、さあ僕の船においで」
「恥ずかしがってもないし船にも行きませんけど。やっぱり何もわかってないじゃないですか」
この人ただの変態だった。
「わかってない?僕が?」
「エースが、皆が居ないなら私がこの世界に居る意味はないんです。私がどんな覚悟でここにいるかわかってないです」
だから、と続きを言いかけたところで私は後ろから抱きしめられた。
「っエース!?」
「お前にはコイツの側に居る資格ねェよ。アコが普通の女なら俺は苦労してねェし」
振り返ると嬉しそうに笑みを浮かべながら私を抱きしめるエース。
ってちょっと待って。
「ちょっと待ってエースそれは聞き捨てならない。苦労って何?」
「だってそうだろ?俺は好きだって言ったし未遂とはいえ襲ってんのに俺の気持ちに気づかねェくらい鈍感で」
「そ・・・・・それは」
「火拳!彼女を責めるな。そんな彼女の覚悟を踏み潰してるのはお前だろう」
ああ、もうっ!
「プリンスさんも聞き捨てなりません!別に踏み潰されてないです!」
「しかし夜も無理をさせられてるだろう、嫌だと言っても人前でいちゃつくし、最近側に居る時間が少なくなった」
プリンスさんは、どうだ!と言わんばかりまくしたてた。
「そりゃお前、」
「求められるのは愛されてるってことだし、私が本気で嫌がったら絶対やめてくれますよ」
何か言いかけたエースを遮って私が発言する。
「じゃあ最近一緒に居なくなったのは?愛が薄れてるからじゃないのか」
「それはエースが気を遣ってくれてるから。私がもっといろんな人と仲良くなれるように、世界が広がるように」
必要な時はちゃんと側に居てくれてるし。
「へェ、わかってんじゃねェか」
「だから鈍感じゃないってば」
「いーや、鈍感だな」
「だってエースわかりにくかったじゃん!」
「何処がだよ?俺はすっげェわかりやすくしてた」
「それを言うなら私だって!」
「お前マルコマルコって言ってただろーが!」
「言ってない!」
と、エースとの口論がヒートアップしたところで、
「わかった、僕の負けだ」
「あ」
プリンスさん居たの忘れてた。
「確かに・・・・君を奪うのは無理そうだ」
「俺の勝ちだな!」
「・・・・・・・・・・ん?」
今のエースの言葉が引っかかった。
俺の勝ち?
「ああ、僕の負けだ。大人しく引き下がることにするよ」
僕の負け?
「ぷ・・・・プリンスさん?」
「火拳とお幸せに、アコさん」
「・・・・・え?」
あくまで爽やかな笑顔を残して部屋を出て行ったプリンスさん。
「何だったの今の」
困惑する私にエースは平然と、
「勝負だったんだよ。俺の勝ちだったけど」
「勝負?」
「昨日島に降りただろ?そん時にお前を見て一目惚れしたんだとよ。で、俺と勝負することになった訳だ」
「・・・・・・・・どんな?」
「1回でもアコの気持ちが揺らいだらあいつの勝ち。で、掻っ攫われるとこだった」
「はいぃ!?」
聞いてませんけど私!!
「んで色々聞かれたから答えてやった」
「い・・・・色々って」
「アコが好きなポーズしてたろ?あいつ」
「・・・・・・・・・っっ!!!」
だからあの時跪いて手にキスしようとしたんだ!
顔が一気にぐわーっと熱くなった。
何て恥ずかしいことを!!
「ちゃんと避けたな、偉かったじゃねェか」
「・・・・・・・だって同じポーズでもエースの方がカッコ良かったし」
しかも知らない人だったし。
「ちなみにあいつがここに居ることも知ってた」
「は!?」
「アコの部屋に俺以外の男が入って気づかねェ訳ないだろ?」
・・・・・・・・・・・確かに。
白ひげ海賊団の人たちが誰一人として気づかないのはおかしい。
ってことは、
「皆も知ってたの!?」
「ああ。ミリアもな。情報先に教えとかねェとアコが怖がると思ってあいつのこと教えてやってくれって頼んだ」
ミリアも共犯者だったなんて・・・・!!
「じゃ、勝負にも勝ったことだし」
「宴?」
「いーや、アコと愛し合うんだよ」
がっくりと肩を落とした私に、
エースは本当に嬉しそうに、
幸せそうに笑うから。
・・・・・・・・・・・うん。
やっぱ負けかもしれない。
と思った。