短編⑥
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「そういえばシャンクスがこの間言ってた映画見てきたよ」
「・・・・・行ったのか?」
会社の同僚であるシャンクスが先日、気になる映画があると言ってたので、
確かに私も気になると昨日の休みの日に見に行ってきた。
ので、そう声をかければシャンクスは何処か苦笑しているように見えた。
「行ったけど?」
「誰と?」
「1人で」
「・・・・・そうか、行ったのか」
小さく呟いたシャンクスは頭を抱えた。
何故。
「ネタばれは勿論しないけど確かに噂通り怖かったよ、いろんな意味で」
「怖かったのか・・・」
「・・・・まあでもシャンクスなら大丈夫だと思うよ?」
「もう1度見に行く気は?」
「ないかなあ。結構エグいから1度でお腹いっぱい」
「・・・そう、か」
「あ、これもネタバレ?」
「いや。・・・・俺も今度の休みに行ってくるよ」
「そ?」
「見たら感想を話し合わないか?」
「勿論いいけど」
「来週、空いてるか?」
え、会社で語り合うのはダメなの?
休憩時間に話せるのに。
そんながっつり語り合いたいのかな。
「来週・・・はごめん、友達と約束が」
「じゃあ再来週で構わない」
「再来週なら平気。ランチでもする?」
「ああ。楽しみにしてる」
私は映画は割と1人で行ってそのまま派だけど、
シャンクスは誰かと見て感想を言い合いたい派なのかしら。
「ちなみに」
もう終わりかと思ってたらシャンクスが再び口を開いた。
「ん?」
耳を澄ませると、
「その友達ってのは、男か」
「かっわいー女の子。紹介はしないよ?」
シャンクスは割と女タラシで有名だから。
「そうか、ならいいんだ」
「とりあえず楽しんで見て来て」
それから次の週になって、
シャンクスから映画を見てきたと話しをされた。
「どうだった?」
と聞けば、
「感想を話し合うのが楽しみだ」
とだけ返って来た。
その顔を見るに面白かったらしい。
で、たくさん感想が聞けるのかと思ってたシャンクスとのランチ当日。
「噂程のエグさは感じなかったが」
「設定と各キャラが消えるとこの描写がちょっとね」
「そんなもんか?まあ原作好きには良かったかもしれないが」
「・・・・面白くなかった?」
「いや、面白かったさ」
・・・・シャンクスの感想は淡々としていて。
まあ見てから時間もたってるからね、と自分を納得させた。
「私1つわからなかったところがあるんだけど」
「何処だ?」
「ラストで主人公一気に更けてなかった?」
「髪色が変わってたな。極度のストレスで更けたんだろう」
「やっぱりシャンクスもそう思う?ちなみにエンディングの後までちゃんと見た?」
「いや、エンディングが始まったところで席を立ったが」
「わー勿体なーい」
「・・・何かあったのか?」
「すっごくいい場面が」
ここまで言って初めてシャンクスが顔色を変えた。
少し悔しそう。
「・・・・もう1度見に行きたくなってきたな」
「まだやってるし」
行って来たらいいよ、次の休みでも。
と伝えたらシャンクスが思い切り肩を落とした。
「アコ、一緒に行かないか?」
「え・・・・・どうしようかな」
「金は出す」
「お金はいいけど」
「2度目はまた別の感想が生まれるかもしれないだろう?」
「まあ・・・それはそう、だけども」
「主人公、カッコ良かったな?」
「それはそう」
「なら行くしかないな?」
「・・・・はいはい。付き合ってあげますよ」
シャンクスがあまりにもしつこかったので頷いたら、
ほっとしたようにシャンクスが笑った。
「恩に着る」
「どういたしまして」
まあ面白かったことは面白かったし、
2回見るくらいはいいかなんて気軽に考えてたら、
「実を言えばこの映画、最初からアコと行きたかったんだが」
なんて衝撃発言が聞こえた。
「え!?そうだったの!?」
え、でもシャンクスそんなこと一言も言ってなかったよね!?
気になってる映画があるんだ、とか言ってたけど。
それで私もあーそれね。噂になってるよね、くらいしか返事しなかったし。
「誘ったつもりだったんだが・・・」
「ご・・・・ごめん・・・」
「まさか1人で行くとは思わなかった」
「ごめんて」
「いや、はっきり誘わなかった俺が悪かった」
それはそう。
「悪いけど私に婉曲な表現は通じないのよ・・・」
「ああ、理解した。だから次からはすべて直接伝えることにしよう」
シャンクスは何処かスッキリした顔で笑った。
「他に私に言いたいことあるなら聞くけど」
「あるにはあるが・・・」
「・・・・が?」
「これは今言うべきじゃないな」
「じゃあいつ言うの?」
「今度の映画の時にでも」
まあ本人がそう言うのなら仕方ない。
気になるけど渋々頷いて、
その日はそれから会社の愚痴などを話してお別れした。
そして2度目の映画。
隣にはシャンクス。
上映中にちらりと隣を見れば意外と真剣に見てるシャンクスが居た。
・・・2回目だけど、まあ面白いことに変わりはないか。
私も映画に集中。
「2回目は怖くなかったか?」
上映後のカフェでシャンクスが聞いてきた。
「いや怖かったけど」
「怖がってたようには見えなかったが?」
首を傾げるシャンクスが不思議だ。
「いや怖いでしょ、人間関係のドロドロ」
「だっはっは、そっちか!」
「・・・それで?この間の言いたかったことって何?」
シャンクスは紅茶を一口すすってから、
「ああ、そうだったな。俺の言いたいことってのは・・・」
「ん」
「理由がなくともアコに会える関係になりてェ」
「・・・・・・シャンクス、私言ったわよね」
はっきり言えと。
「好きだアコ」
「・・・・・・・え」
「つまり、俺と恋人関係にならないかと、そういうことだ」
「・・・・タラシってのも怖いわ」
思わず口から出てた私の答えにシャンクスが笑いだした。
「俺ははっきりと伝えた。アコもはっきり答えてくれないか?」
「・・・これからもはっきりと伝えてくれるなら」
怖いけど、興味をそそられる。
この映画のように。
なんてね。
「勿論、そのつもりだ」
それから毎日愛してるとしつこいシャンクスはやっぱり結構怖いと思いました。
