短編⑥
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「お酒、もういいんですか?」
「まだ明るい時間だしな。今はこんなもんで十分だ」
・・・・今日は両想いになったお頭との初デート。
お頭・・・・シャンクス曰く、結構長い間私に片思いをしていたらしい。
私は全然気づかなかったんだけど。
まあそんなシャンクスとの初デート、な訳だから。
どんなものになるかドキドキしていた。
うるさいのかな、とか。
お酒いっぱい飲むんだろうな、とか。
覚悟もしていたんだけど。
予想に反して、
昼前から一緒に船を出てからずっと普通のデート。
・・・・というよりも、デートっぽくない。
腕を組むどころか手を繋ぐこともない。
まあシャンクスは片腕だから、私と手を繋ぐといざって時守れないとか考えてるのかもしれないけど。
・・・・守れないかなあ?
四皇が?
まあそれはいいとして。
普通に私の行きたいお店見て、
欲しいものがあったら買ってやるって優しく笑って見守ってくれて。
お昼も私の食べたいものを、と言ってくれて。
お酒も控えめだった。
歩いてる時も疲れてないか?と始終気を遣ってくれたし。
シャンクスってこんな人だったっけ!?
いやもともと優しい人ではあったけど。
「まだ時間もある、行きたいとこもたくさんあるだろう?」
「それは・・・まあ」
「遠慮するな。せっかくのデートだってのに昼から酔っぱらってちゃサマにならねェからな」
と照れ臭そうに笑うシャンクス。
あ、やばいカッコいい。
好き。
・・・そう感じるのと同時に少しの違和感。
優しいのは嬉しいけど、なんかこう、
シャンクスじゃないみたい。
いつもはもっと自由で、割と我儘で。
私はそんなシャンクスに振り回されて。
・・・でも、こんな1日も悪くないかもしれない。
「有難う御座います。でも無理はしないで下さいね」
「お前もな」
「私ですか?」
「慣れないヒールで足を痛めてる。違うか?」
・・・・さすがシャンクス。
お見通しかあ。
シャンクスに釣り合う女になりたくて、
無理してちょっとだけ高いヒールを履いてきた。
「・・・少しだけ、ですけど」
「船に戻るか?」
「嫌ですよ。せっかくのデートなのに」
「そうだな、アコが俺の為におめかししてくれたんだもんなァ」
「・・・・ですよ」
恥ずかしいけど嬉しい。
「もう少しここでゆっくりするか」
「はい、そうしましょう」
・・・と、上手くいかないのが私たち。
「見つけたぜぇ赤髪ぃ。こんなとこで女といちゃつきやがって!」
「ああ、うらやましいだろう?」
「ふざけやがって・・・お前の命もここまでだ!」
まあね、こちとら海賊ですんでね。
平和な時間はそう長くは続かないんです。
でもそれは百も承知。
相手は恐らく同業者で、人数は3人。
外に仲間が居るのかもしれないけど。
「まあそう急くこともないだろう。外に出よう」
と言いながらお頭は声をかけてきた同業者らしき3人のうち1人を足蹴にした。
「てめっ、」
「ほら、よく言うだろう?人の恋路を邪魔するやつは何とかに蹴られて何とかって」
全部言えないところがシャンクスらしい。
ざわつく店内をよそに、
シャンクスは2人めを腕で羽交い絞め。
残る1人を睨みつけ、
「見てわかるように俺は今デート中なんだ」
「・・・・だがお前は腕も足も使えない。それなら俺1人でも・・・っ」
諦めが悪いのは良いことか、それとも悪いことなのか。
「俺とお前たちとじゃここの出来が違うんだ。なあアコ?」
「・・・どっちの意味で、ですか?」
シャンクスの石頭でごつんとやられた最後の1人。
「勿論両方さ」
「そうですね。両方の意味で素敵です」
「仕方ない、そろそろ出るか。アコ、足は平気か?」
「あ、はい。大丈夫です」
シャンクスは店主さんに騒がせたことを謝罪してきっちり会計を済ませて店を出た。
「・・・・すまんアコ」
「何がです?」
シャンクスがしんみりと謝ってきたので首を傾げた。
こんな騒動いつものことなのに。
「せっかくゆっくりしようと言ってたところだったんだが」
「シャンクスのせいじゃないですよ」
「いや、しかし・・・本当に足は大丈夫なんだな?」
「平気ですって。シャンクスにも私にも怪我はなかったしお店の被害もなかった」
それで十分です。
思ったままを伝えたんだけど、
「・・・そうか」
シャンクスは一言呟いて寂しそうに微笑んだ。
「ほら、まだまだ行きたいところあるんですからね!付き合ってもらいますよ!」
「・・・そう、だな。勿論付き合うさ」
何とか気を取り直そうと歩き出して、
お店を物色しているとシャンクスが立ち止まった。
「・・・シャンクス?」
「船に戻るか?」
「え」
苦笑を浮かべながらシャンクスが私に手を差し伸べた。
「何で、ですか」
私と一緒でつまらなかった!?
「お前も感じてるだろう?」
「・・・・そりゃあ、まあ」
一瞬焦ったけどシャンクスが言いたいことは理解できた。
さっきのような殺意を向けてくる人こそ居ないけど、
四皇だ、赤髪だ、と皆ひそひそ話。
感じる視線は1つ2つじゃない。
「俺とじゃデートの1つもゆっくり出来ねェなァ。悪かった」
「そ・・・・っ」
そんなこと、ないのに。
こんな形で手を繋ぎたくなんかないのに。
「帰ろう」
私はその手を取り、引っ張った。
「次はあのお店です」
「・・・いいのかアコ?」
なんてシャンクスが不安そうに聞いてくるもんだから、
「今日は誰との何のためにおめかししてきたと思ってるんですか?」
と聞いてやった。
「俺とのデートの為だな」
「そうです!それを邪魔するものはたとえお頭でも許しません!!」
「・・・そうだな、悪かった。続き、するか」
「はいっ」
結局1日普通に楽しいデートで終わったので、
それとなくシャンクスに聞いてみたところ、
「俺だって惚れた女との初めてのデートは緊張くらいするさ」
次は本領発揮するからな。
と言われてしまった。
・・・・次のデートが怖いやら楽しみやら。
