短編⑥
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マルコさんのことが好きだった。
言ってしまえば今でも好き。
でもマルコさんにそう伝えたら、
『俺なんかに好かれちゃ可哀想だよい』
とフられてしまった。
「ねえどういうこと!?」
「知らねェよ。マルコに聞け」
エースに愚痴を言ってみるも渋い顔。
「何俺なんかに好かれちゃ可哀想って!可哀想なの私ですけど!?」
まだお前じゃその気にならないから無理って言われた方がマシだよ!!
「それ全部マルコに言えって」
「言えないんだって」
「まーマルコも酷ではあるよな・・・」
「諦めた方がいいのかなあ」
「諦められんの?」
「無理」
「答え出てんじゃねェか。ほら、行って来いよ」
エースの視線の先を辿るとナースさんと話してるマルコさんが居た。
ああ、真剣な表情かっこいい。
「でも今行ったら邪魔になりそう・・・」
「邪魔してやりゃあいいんじゃねェ?」
「やだ。迷惑はかけたくない」
「こっぴどいフられかたしてんのに」
「それはそれ、これはこれ」
「お、チャンス」
エースの言葉にふと見ればマルコさんがナースさんとの話しを終え1人になっていた。
「行ってくる・・・・っ」
正直何を話したらいいのかはわからないけど、
エースの言う通りチャンスだと思ったから。
あの時はフられたショックでそのまま引き下がってしまったけど、
あの時のあの言葉の真意を探りたい。
「マルコさんっ」
「・・・なんだい?」
あくまでいつも通りの態度のマルコさん。
思い切って話しかけたはいいけど、
どう切り出せばいいものか・・・・!
「え、えっと・・・私今から珈琲淹れますけどマルコさんもどうですか!?」
「ああ、頼むよい」
「かしこまりました!お部屋までお持ちしますね」
「ありがとよい、アコ」
なでなでと優しく髪を撫でてくれたマルコさんに胸が締め付けられた。
・・・やっぱり好き。
いや私単純過ぎ?
「っ腕によりをかけて淹れます!」
「待ってるよい」
柔らかい笑みを浮かべたままマルコさんは私に背中を向けた。
・・・・あんな顔見せるくせに本音は言わないんだよね。
まあ嫌いって言われた訳じゃないけど。
「マルコさん失礼しまーす」
珈琲と、前の日に焼いたクッキーを持ってマルコさんの部屋へ、いざ。
「いい香りだよい」
「クッキーもあります。・・・私も、ご一緒してもよろしいですか?」
「構わねェよい」
ちゃっかり自分の珈琲も持ってきてたので心で小さくガッツポーズ。
マルコさんは書類を見ていた手を止めると、
私が持ってきた珈琲を手に取り口につけた。
「美味い」
「・・・お疲れ様です」
「で?」
「・・・・・で、とは」
マルコさんは意味ありげに微笑みながら今度はクッキーを口に放り込んだ。
「俺に話したいことがあるんだろい?」
「お、おっしゃる通りです」
「この間の俺の答えに納得がいかないってとこかい」
「その通りで御座います!!」
マルコさん人の心読む能力あったかな!?
「言いたいことはわかるよい」
「なら・・・っ」
「俺の答えが変わることはねェ」
「・・・・ぎゃふん」
いやいやここで負けてたらこの間と同じ!!
「気持ちは有難くもらっておく、ありがとよい」
「そ・・・っそれじゃあこの間と同じです!納得出来ません!!」
めげずに攻めていけば、
「言っただろい?俺なんかに好かれちゃアコが可哀想だ、それがすべてだい」
「ぜんっぜん理解出来ないんです!!」
「阿呆だねい」
「阿呆で結構です!それじゃ諦めきれません!!」
勢い良く思いの丈を伝えればマルコさんは珈琲をゆっくりと飲み干し、
「俺は海賊だ」
と呟いた。
「知ってますが。何なら私も海賊ですが」
「いつどんな死に方をするかわからねェ」
「まあそれは私もほぼ同じですけど」
「傍に居たらお前にどんな巻き添えがあるかわからねェ」
「傍に居なくとも危険なことに変わりなくないですか?」
海賊なんだし。
同じ船に居るんだし。
「オヤジのこともある、恋人になれても構ってはやれねェ」
「まあそれは当然ですよね」
「・・・アコは俺をどんな奴だと思う?」
「え。真面目で優しくて苦労人」
思ったままのことを口にすれば、
マルコさんは苦笑した。
「俺は真面目でも優しくもねェよい」
あ、苦労人なとこは否定しないんだ。
「・・・だから諦めろ、と?」
「俺はろくでもねェやつだ、わかるだろい?」
「まあそれは置いておいてください」
「・・・おい、アコ」
「私が今知りたいのはマルコさんが私のこと好きかどうかなんですよ」
「知ってどうする?」
「両想いだから遠慮なくいちゃいちゃします」
ぶはっ、とマルコさんが噴出して、
「はははっ、可愛いねいアコは・・・」
か、可愛い・・・・!!
可愛いって言われた!嬉しい!!
「有難う御座います・・・!」
「正直に言えばアコのことは愛おしいと思ってる」
「じゃあ・・・・っ」
「言ったろい?俺はろくでもねェやつだ。そんんなのに好かれちゃ可哀想だ」
「いや好きな人に愛されない私が1番可哀想です。両想いのはずなのに!」
「俺と付き合えば後悔する」
「した時はそれはそれですね。しないと思いますけど」
「・・・ったく」
ひきつった笑みを浮かべたマルコさんはそのまま私の腕を掴んだ。
「っきゃ」
目の前にマルコさんの顔が迫る。
「・・・怖いだろい?」
「はい・・・・幸せ過ぎて怖いですぅ・・・」
このままキス出来そうな距離。
幸せ過ぎて頭パンクしそう。
「・・・・参った」
「何か困りごとが!?」
「ああ、困ったよい」
「お力になりますよ!?」
掴まれた腕が離れて、少し寂しい。
「愛してる、アコ。・・・と言わざるを得なくなっちまった」
「・・・本心、で?」
「本心で」
「じゃあマルコさん私と、」
恋人になってください、を言う前に塞がれた唇。
マルコさんの唇で。
「面倒くさい俺の恋人になってくれるかい?アコ」
「喜んで!!」
惚れた女を可哀想な女にはしたくねェんだ、とマルコさんが幸せそうに笑った。
