短編①
夢小説設定
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頭が重い。
笑うのが辛い。
別に何があったって訳じゃない。
あえて言うなら今までのいろんなことが積み重なっただけ。
なのに、
「・・・・・・・・・・くるしーなあ」
自分の部屋に戻る1歩手前の廊下でぽつりと呟いた。
だから別にどうってことはない、ただの独り言。
・・・・・・・・のはずだったんだけど。
「吐いちまえば楽になるよい」
意外にも私の言葉を拾ってくれた人がいた。
「うわ、マルコさん!?」
ぶすっとした顔のマルコさんだ。
「苦しいんだろい?誰がアコを苦しめてるか言ってみろい」
・・・・・・・・・吐く、ってそっちの吐くですか。
私はてっきり俺に愚痴を吐いてみなさいと言ってるのかと思ってましたよ。
思わず苦笑して、
「誰が、なんてことはないですよ。ただちょっと、疲れが溜まってるだけです」
そう答えてもマルコさんの顔は仏頂面のまま。
「・・・・・・・休みは?」
「あ、ちゃんと貰ってます。私が弱いだけで・・・大丈夫、ですから」
「大丈夫な奴のツラかい、それが」
「でも、」
「アコ」
「・・・・・・・はい」
何て言い訳しようかと考えて、それでも何か言わなきゃとしたところに強い声音で名前を呼ばれて思わず肩が震えた。
「無理すんな」
「・・・・・・・・・・・・無理、なんて」
いつも厳しいマルコさんが、そんなこと言うなんて。
「明日の予定は?」
「あ、明日はサッチさんがケーキ焼いてくれる予定なんですよ」
「楽しみかい?」
「・・・・・楽しみ、ですよ?」
怖くて目が見れない。
楽しみ、なんて。
楽しみじゃないなんて言ったら嘘になる。
サッチさんの焼いてくれるケーキ。
いつもなら本当はすごく楽しみなのに。
「・・・・・・本当に?」
「・・・・・・・・・・楽しみ、です」
胸の中にもやもやが溜まって心から楽しみと言えない自分が確かに居る。
そして、
「最近飯を美味いと思って食ってねえだろい」
「・・・・っ何で」
何で、そんなこと、
「見てりゃわかるよい」
・・・・・・・・・・何で、全部わかっちゃうんだろう。
「で?エースかい?サッチかい?お前をそんな顔にさせてる原因は」
「ちがっ!ホントに、誰が原因とかじゃないんです。たぶん、疲れが溜まってるだけなんです」
「・・・・・・・・疲れが、ねい」
慌てて否定するも、マルコさんは疑い深い目を私を見つめる。
「でも何が原因って訳じゃないですから」
「・・・だから、泣けないのかい」
「・・・・・・・え、」
思いも寄らぬことを言われて驚いた。
泣きたい、なんて。
「泣きたい、って顔に書いてある」
「・・・・・・・・・そう、ですか?」
言われて初めて気づいた。
そうかもしれない。
・・・・・・・・私、泣きそう。
でも何で、って考えたらわかんなくて泣けそうにない。
けれどマルコさんは私のその思考すらもお見通しと言わんばかりに、
「余計なことは考えんじゃねえよい、アコ。泣きたきゃ泣け」
「・・・・・・っでも」
「明日ケーキ食うんだろい?サッチのケーキは美味いよい」
「・・・・・・・・・はい」
「美味いもんを美味いって笑顔で食う為にも、今泣いとけ」
そうしてマルコさんは初めて、
ふ、っと少しだけ笑ってくれた。
その笑顔と言葉が、
妙に私の心に浸透した。
ハマった、というべきか。ぴたりと。
「・・・っ、ふ、マルコさぁぁん・・・・!!
溢れ出る涙は暫く止まりそうになかった。
マルコさんはそんな私をよくやった、とでも言わんばかりに優しく抱きしめてくれた。
「・・・・っごめ、なさい」
泣くな、と言われたことはあるけど、
泣け、と言われたことは初めてかもしれない。
「そう思うんなら、思いっきり泣いて明日は笑えよい」
「・・・・・・・・はい・・・っ」
「アコは笑顔で飯食ってねえとアコじゃねえからよい」
泣くだけ泣いて、だいぶスッキリした。
「有難う、御座いますマルコさん。さすがモビーの長男、ですね」
「・・・・・・・長男ねい」
「お兄ちゃん、です」
「ま、今はそれでいいよい」
言いながらマルコさんは優しく頭を撫でてくれる。
「・・・・・・・・・?」
マルコさんの言ってる意味はよくわからないけど、私は泣いてスッキリ出来たことと、頭を撫でられていることが気持ち良くて。
「あ、明日私もケーキ焼きます。だからマルコさん、食べてくれませんか?」
「いいのかい?」
「はいっ是非」
「そりゃあ好都合だよい」
「・・・・・・・・・・・好都合?」
「何でもねえよい」
次の日、ケーキを焼いてくれるサッチさんは何故かびくびくしていた。
笑うのが辛い。
別に何があったって訳じゃない。
あえて言うなら今までのいろんなことが積み重なっただけ。
なのに、
「・・・・・・・・・・くるしーなあ」
自分の部屋に戻る1歩手前の廊下でぽつりと呟いた。
だから別にどうってことはない、ただの独り言。
・・・・・・・・のはずだったんだけど。
「吐いちまえば楽になるよい」
意外にも私の言葉を拾ってくれた人がいた。
「うわ、マルコさん!?」
ぶすっとした顔のマルコさんだ。
「苦しいんだろい?誰がアコを苦しめてるか言ってみろい」
・・・・・・・・・吐く、ってそっちの吐くですか。
私はてっきり俺に愚痴を吐いてみなさいと言ってるのかと思ってましたよ。
思わず苦笑して、
「誰が、なんてことはないですよ。ただちょっと、疲れが溜まってるだけです」
そう答えてもマルコさんの顔は仏頂面のまま。
「・・・・・・・休みは?」
「あ、ちゃんと貰ってます。私が弱いだけで・・・大丈夫、ですから」
「大丈夫な奴のツラかい、それが」
「でも、」
「アコ」
「・・・・・・・はい」
何て言い訳しようかと考えて、それでも何か言わなきゃとしたところに強い声音で名前を呼ばれて思わず肩が震えた。
「無理すんな」
「・・・・・・・・・・・・無理、なんて」
いつも厳しいマルコさんが、そんなこと言うなんて。
「明日の予定は?」
「あ、明日はサッチさんがケーキ焼いてくれる予定なんですよ」
「楽しみかい?」
「・・・・・楽しみ、ですよ?」
怖くて目が見れない。
楽しみ、なんて。
楽しみじゃないなんて言ったら嘘になる。
サッチさんの焼いてくれるケーキ。
いつもなら本当はすごく楽しみなのに。
「・・・・・・本当に?」
「・・・・・・・・・・楽しみ、です」
胸の中にもやもやが溜まって心から楽しみと言えない自分が確かに居る。
そして、
「最近飯を美味いと思って食ってねえだろい」
「・・・・っ何で」
何で、そんなこと、
「見てりゃわかるよい」
・・・・・・・・・・何で、全部わかっちゃうんだろう。
「で?エースかい?サッチかい?お前をそんな顔にさせてる原因は」
「ちがっ!ホントに、誰が原因とかじゃないんです。たぶん、疲れが溜まってるだけなんです」
「・・・・・・・・疲れが、ねい」
慌てて否定するも、マルコさんは疑い深い目を私を見つめる。
「でも何が原因って訳じゃないですから」
「・・・だから、泣けないのかい」
「・・・・・・・え、」
思いも寄らぬことを言われて驚いた。
泣きたい、なんて。
「泣きたい、って顔に書いてある」
「・・・・・・・・・そう、ですか?」
言われて初めて気づいた。
そうかもしれない。
・・・・・・・・私、泣きそう。
でも何で、って考えたらわかんなくて泣けそうにない。
けれどマルコさんは私のその思考すらもお見通しと言わんばかりに、
「余計なことは考えんじゃねえよい、アコ。泣きたきゃ泣け」
「・・・・・・っでも」
「明日ケーキ食うんだろい?サッチのケーキは美味いよい」
「・・・・・・・・・はい」
「美味いもんを美味いって笑顔で食う為にも、今泣いとけ」
そうしてマルコさんは初めて、
ふ、っと少しだけ笑ってくれた。
その笑顔と言葉が、
妙に私の心に浸透した。
ハマった、というべきか。ぴたりと。
「・・・っ、ふ、マルコさぁぁん・・・・!!
溢れ出る涙は暫く止まりそうになかった。
マルコさんはそんな私をよくやった、とでも言わんばかりに優しく抱きしめてくれた。
「・・・・っごめ、なさい」
泣くな、と言われたことはあるけど、
泣け、と言われたことは初めてかもしれない。
「そう思うんなら、思いっきり泣いて明日は笑えよい」
「・・・・・・・・はい・・・っ」
「アコは笑顔で飯食ってねえとアコじゃねえからよい」
泣くだけ泣いて、だいぶスッキリした。
「有難う、御座いますマルコさん。さすがモビーの長男、ですね」
「・・・・・・・長男ねい」
「お兄ちゃん、です」
「ま、今はそれでいいよい」
言いながらマルコさんは優しく頭を撫でてくれる。
「・・・・・・・・・?」
マルコさんの言ってる意味はよくわからないけど、私は泣いてスッキリ出来たことと、頭を撫でられていることが気持ち良くて。
「あ、明日私もケーキ焼きます。だからマルコさん、食べてくれませんか?」
「いいのかい?」
「はいっ是非」
「そりゃあ好都合だよい」
「・・・・・・・・・・・好都合?」
「何でもねえよい」
次の日、ケーキを焼いてくれるサッチさんは何故かびくびくしていた。