短編⑤
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「偉そうな人でしょー暴力ふるうのも却下だし、極端にポジティブなのとネガティブなのも無理」
「なるほど、そりゃあそうだ」
「おかわり頼むけどシャンクスは?」
「もらおうか」
「同じやつ?」
「それでいい」
同僚のシャンクスとたまたまあがりが一緒だったので、
久しぶりに飲みに行く?ということになって。
お酒を飲み始めて数時間。
最初は上司の愚痴だったり世間話だったり、
まあ他愛のない話しだったんだけど。
いつの間にか恋愛の話しになってた。
盛り上がってるのは好きなタイプではなく嫌いなタイプの話し。
好きなタイプは、と聞かれて答えられなかった私だけど、
嫌いなタイプはするすると口から出て来た。
「初めて付き合った人が偉そうな人でね」
「例えば?」
「デートでお化け屋敷に行ったの。そこで彼が俺が守ってやる、って言ったのよ」
「・・・・それが駄目だったのか?」
シャンクスは納得がいかないようで、首を傾げている。
「よっぽどな場面ならともかくお化け屋敷如きで守ってやる、よ」
恩着せがましいって言ったの。
そう答えれば弾けたように笑い出した。
「まあ確かにそうかもしれねェが。で、実際どうだったんだ?」
「どうもこうも、喧嘩しててお化けどこじゃなかったわ」
「そりゃお化け役は可哀想だったな」
「結局そのまま気まずくなってお別れ」
可愛くない女だな、って言われたから、
なら可愛い女と付き合えば?なんて口論になったっけ。
「惚れた女の前でカッコつけたかったんだろうが」
「・・・・今思えばわからないでもないけど」
当時はただカチンと来たのよね。
「その男に未練は?」
「ある訳ないでしょ」
「なるほど、アコにはカッコつけは無用か」
「恩着せがましいのが嫌なの。・・・・と思うけど」
「母性本能が強いんだろうな」
「そうかしら」
「・・・今恋人はいないんだったな?」
「ん」
新しくきたお酒をぐびりと口に含んで頷けば、
「じゃあ俺と付き合ってみないか?」
・・・・とんだ爆弾発言をされてしまった。
「・・・・ちょっと待って」
「本気の恋、してみないかアコ」
シャンクスの真剣な瞳が私に突き刺さる。
・・・・本気の恋、かあ。
「それはちょっと・・・後戻り出来なさそうね」
「そうだな、俺はもうすでに後戻り出来ねェとこまで来てるのさ」
・・・酔っぱらいの戯言って訳じゃなさそう。
「試しに今度俺とデートしてみないか?」
「お化け屋敷とか?」
「俺を守ってくれるか?」
話しの流れでお化け屋敷の名前を出してみれば、
シャンクスはへらりと笑った。
「・・・私を守ってくれるんじゃなくて?」
「情けない話しなんだが、苦手なんだああいうのは」
「本当に?シャンクスが?」
仕事では割と有能で、
上司からも部下からも信頼が厚いシャンクスが?
信じられなくて疑いの目を向ければ、
「お化けが怖いよいうより驚かされるのが苦手なんだ」
と苦笑を浮かべた。
ああ、なるほど。
わからなくもない。
「日曜日なら空いてるけど?」
「ちなみにデートプランを練るのも苦手でな、すまん」
「あら、私勝手に決められるの嫌なの」
「頼んでも?」
「勿論」
「助かるよ」
シャンクスのことを偉そうと思ったことはないけど、
こんな人だったかしら。
・・・・デートが本気の恋に繋がるかはわからないけど、
楽しみになってきた。
「守ってあげる、とは言えないけど。お化け屋敷一緒に楽しみましょう」
「楽しみだ」
・・・・後戻りできなくなるまであと少し。
(そういえばシャンクスの好きなタイプって?)
(アコだな)
(・・・じゃあ嫌いなタイプは?)
(アコじゃない女)
(・・・・・)