短編⑤
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「アコは可愛いなァ」
「知ってました」
「アコは強いしな」
「それ四皇に言われると照れますねえ」
「・・・アコは女神のようだ!」
「まあこの船の紅一点ですからね」
似たようなものかもしれませんね、と笑う彼女に照れのようなものは一切見えない。
こちとら本気で口説いてんだが本気にしてくれたことは1度もねェと来た。
「・・・・なァ、そろそろ覚悟を決めて俺の女になっちゃくれねェか?」
耳元で甘く囁けど、
「お頭この間私の楽しみにしてたチョコ食べちゃったから駄目です」
・・・・と来たもんだ。
手強すぎる。
「悪かった、今度の島でもっと美味いモン買ってやるから。な?」
「食べたい時になかったあの絶望、忘れはしません」
次のデートに繋げるチャンス、と思ったがこれもそう簡単にはいかないようだ。
「好きなモン何でも買ってやるぞ、ケーキでも何でも何個でもだ!」
「何個も食べたら太るじゃないですか」
「太っても可愛いに決まってる」
「私は太りたくないので遠慮します」
つん、と冷たいアコも可愛いと思ってしまうのは重症だな。
とは言えこのままじゃ不味い。
「まあともかくだ、チョコの詫びに何かさせてくれないか?」
「・・・仕方ないから美味しいご飯でも奢らせてあげましょう」
なんて笑うアコの微笑みプライスレス。
・・・・前からこんなに可愛かったか?
いや、可愛かったな。
間違いねェ。
「単に脈がないだけだろうよ」
つまらなさそうに煙草をくゆらせながらベックマンが呟く。
「ちったァ言葉濁すとかしてくれてもいいんじゃねェか」
「気を遣ったところで調子に乗るだけだろ、アンタは」
「まあそれもそうかもしれねェが・・・・」
改めて言われると結構抉られる。
「もっとストレートに伝えたらどうだ」
「伝えたさ」
「何て言ったんだ?」
「愛してる」
「・・・で?」
「知ってます、って可愛く笑ってくれたなァ」
「・・・・諦めろ」
諦めきれるもんならとっくに諦めてる。
・・・・もう遅いんだ。
「おいしーいっ」
「・・・そりゃ良かった」
特大のパフェを前に満面の笑みのアコにほっと肩を撫で下ろす。
「お頭は食べないんですか?」
「アコを喰いたいなァ」
「私は食べ物じゃないので無理でーす」
「・・・・これでこの間のチョコの分はもういいだろう?」
「え、許してませんよ?」
「何!?」
「お頭がどうしても私に奢りたいって言うから」
「・・・・っ駄目、か?」
甘かったか・・・!
予想もしてなかった言葉に正直落胆を隠せない。
「ご馳走様でした!」
にっこり。
・・・結局この笑顔に敵わねェんだよなあ。
奢るのは100歩譲って構わないんだが、
どうしたら許してもらえるもんか。
会計を済ませて外に出ると、
俺の可愛いアコはむさくるしい男どもに囲まれていた。
声を掛けようとしたところで声が聞こえて止めた。
「ごめんなさい、目障りです」
ぴしりと固まる空気。
「て、てめっこっちが下手に出てりゃ、」
今にも拳が跳びそうなのでさすがにこれは、と思いきや。
「そうやっていつまでも下手に出て置いた方がよろしくてよ?」
私、四皇の女ですから。
アコが確かにそう口にした。
「ま、そういうことだ。悪いな兄ちゃんたち」
この言葉の本意はどうあれにやける口元を隠さずアコの肩を抱いてやれば、
ナンパ男共は早々に退散していった。
「・・・じゃあデートの続きと行きますか、お頭」
「アコ、さっきのもう1回言ってくれ」
「さっきの?」
「お前は誰の女だって?」
「シャンクスの女?」
「疑問形じゃないだろ!?」
「や、四皇のって言ったのを気にしてるのかと思って」
「言われてみれば確かにそうだな。今のでいい、断定してくれ」
「私はシャンクスの女ですけど」
「・・・・・っいい響きだな」
「・・・大丈夫ですか?」
「よーし今日は宴だ!」
「何故!?」
アコ曰く、
「え、私ずっとお頭からの愛受け止めてましたよね!?」
とのこと。