短編⑤
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「あ、海賊狩り」
「・・・・・何処に居んだよ」
「ほら、これ」
私の言葉にがばっと顔をあげたエースはまじまじと私の手元の紙を見つめた。
私が持っている、その手配書を。
エースの口元に食べかすがついてるのは食べてる途中で寝てたから。
「何だ、手配書かよ」
「今ここに居たらもうちょっと騒いでるって」
「そりゃそーか。・・・・海賊狩りのゾロ、ねェ」
「面白いよねー海賊狩りが今や海賊だもんね」
「ああ、ルフィの仲間な」
まじまじと海賊狩りのゾロの写真を見た後、そう言って『お兄ちゃんの顔』
でも口元についてる食べかすが残念。
「はいエース」
「ん。サンキュ」
エースにティッシュを渡して、改めて弟君の仲間の手配書を見つめる。
「カッコいいなあゾロ」
思わずぽつりと呟いた私に反応したのはやっぱりエースで、
「何処が。どの辺がどんな風にカッコいいんだ」
「えーっと、顔つきとか雰囲気とか」
私としては弟君のお仲間を褒めてる訳で。
エースからしたら喜ばしいものだと当然思っていたんだけど、
さっき上がったエースの眉が不機嫌なことを知らせていて。
・・・・・・・・・何で?
「・・・・・ただのガキだろ」
「何言ってんの、エースと年変わらないじゃない」
「・・・・・・・俺のほうが年上だ」
「そうだけど。・・・・どしたのエース」
「別にどうもしてねェ」
と言う割にむっとした顔を隠そうともせずエースは言う。
「それにほら、強そう」
「俺のほうが強い」
「・・・・・・・そりゃそうだけど」
何。
何なの?
「ああっホラ弟君の手配書もあるよ!金額上がってる!」
次の手配書を見るとちょうど話題の弟君の手配書だったので、
話題の切り替えを、と見せてみる。
「もう持ってる」
持ってんのかい!
相変わらず弟君のこととなると早いよね・・・!
「弟君もいいよねー。カッコいいし何より可愛い」
まあ弟君の話題ならエースの機嫌も直るだろうと踏んだ。
ところが。
「・・・・・・・・・冗談じゃねェ」
「え。何が?」
「これ以上妬かせんな」
「え、ちょっと船焼かないでよ」
「そっちじゃねェよ」
「どっち!?」
エースの機嫌はますます悪くなってる。・・・気がする。
しかも訳わかんないこと言ってるし。
「なあアコ」
「ん?」
「ルフィんとこの航海士すげェ美人だったぜ」
そしてまた
唐突に訳がわからない話を始めたんですけど。
「そ、そうなの?弟君羨ましいねー」
とりあえず話を合わせてみる、けど。
「アコ」
「はいっ!!」
物凄く低い声音で名前を呼ばれて驚いた。
「アコは妬かねェのかよ」
「・・・・・・・・・え、でも私そんな能力ないし。焼くのはエースでしょ?」
そう答えた私に、エースは思い切り大きなため息を吐いた。
「・・・・・・・・・・何そのため息」
「アコ、ちょっと立て」
「・・・・・・・・・・・・・・いいけど」
言われた通り立ち上がった私と一緒にエースも立った。
そして何をするのかと思えば、
「わ、」
腕ごと身体を引き寄せられた。
傾いた私の身体をすっぽり閉じ込めたエースは、
「え、んっ」
私の唇に自分の唇を少し乱暴に押し付けた。
何が起こったのか理解出来ないまま、
エースの舌が入ってきて。
「ぷはっ」
「少しはヤキモチ妬けって言ってんだバカ」
ようやく離れたと思ったら耳元でそう囁いて、
ったくとか言いながら足早に去って行ってしまったエース。
「ば・・・・・バカってひどい・・・・」
・・・・・・・・私が嫉妬してるのは、
弟君に、なんですけどね。