短編⑤
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「あーお腹いっぱい」
幼馴染のシャンクスに教えてもらったラーメン屋。
シャンクスのおススメなだけあってとても美味しかった。
シャンクスは昔からグルメだし、
幼馴染だから私の味の好みも知ってるから間違いない。
「そりゃ良かった。そんなことより大丈夫なのか?」
「大丈夫、全部話してあるから」
「ならいいんだが・・・うまくいってるみたいだな?」
シャンクスが心配してるのは私の恋人のことだろう。
シャンクスのことは彼も知ってるし、
今日も納得のうえ。
・・・とは言え。
「・・・・まあ、ぼちぼち」
「・・・そうか」
「シャンクスはどうなの?いい相手見つかった?」
「まあ、ぼちぼちだ」
「ふぅん・・・・」
久しぶり、という訳でもないけどそれなりに話しをしてお店を出た。
「どうする?このあと。どっか寄って行く?」
「時間大丈夫か?」
「うん、平気」
まだ1人暮らしだし。
と答えたその時。
「アコ」
「・・・・なに?」
シャンクスの雰囲気が変わった。
「あー・・・・その、なんだ。俺の顔を見ろ」
「・・・・見飽きたけど」
「まあそう言うな。俺を見て何か気づかないか?」
・・・・言われて改めてまじまじとシャンクスを見つめる。
「わかった」
「お、聞かせてくれ」
「後ろに何かあるっ」
そして私は首をぐるりんぱ。
私の後ろに向けた。
幼馴染だからわかってる。
こういう時のシャンクスは何かを誤魔化そうとしている時。
そして今回それは私に何かを見せないようにしてるとピンと来た。
まあでもどうせ後ろにはケーキ屋さんとかがあってシャンクスが私を太らせないようにとか、
まあそんなんで見せないようにしてるだけだろうなって。
・・・・・思ってた。
甘かった。
「・・・・・・・すまん」
「・・・・何でシャンクスが謝るの」
そこには超絶美人と腕を組んで歩く我が恋人。
「あー・・・・その、なんだ。まだ早いが飲みに行くか?」
「んー・・・・その前に、と」
スマホを取り出してパシャリ。
「抜け目ないな」
「当然」
あ、ホテル入って行った。
ラッキー。
「別れるのか?」
「むしろ別れないとでも?」
「そうだな。・・・よし、今日は俺が出す。好きなだけ飲め!」
「そんな気を遣わないでシャンクス」
むしろシャンクスのおかげで証拠揃ってラッキーなんだし。
シャンクスは思い切り苦笑して、
「もともと兆候はあったのか?」
「結構前からね。最近は惰性で一緒に居ただけって感じ」
「そうか・・・辛かったな」
そう言って私の頭を優しく撫でてくれるシャンクス。
「・・・子ども扱いしないで。って言いたいとこだけど、有難う。素直に嬉しい」
「何かあったらすぐ俺に言え、力になるぞ」
「ん。頼りにするわ」
「んじゃ景気づけに飲みに行くか!」
「だね!」
気を取り直して居酒屋さん。
「ぷはーっ!!ビールはいつ飲んでも美味しいわァ」
「無理して元気に振る舞う必要はねェが・・・」
「無理はしてない。ビールが美味しいのは本当」
「・・・何処に惹かれて付き合ってたか聞いても?」
「寝癖」
「・・・・そりゃまた変わった回答だな。予想外だった」
「寝癖が可愛いなあって。優しかったし」
でも優しいのは皆にだった。
だから告白したら付き合えたけど。
「寝癖、か」
シャンクスが自分の髪を触りながら呟く。
「シャンクスは酔っぱらった次の日の寝癖が可愛いよね」
「そうか?なら俺にもワンチャンあると思っても良さそうだな」
「ワンちゃん?犬飼うの?」
「俺にもチャンスはあるだろう?」
「・・・・何の?」
「アコの次の恋人に、だ」
にィ、と笑ったシャンクスに次の言葉が見つからない。
え、どういうこと?
「流石に結婚まで行かれたら諦めるところだが、今ならまだ間に合うな?」
「・・・・・私の次の恋人に?」
「幼馴染ってのは厄介だな。うだうだしてる間に簡単にとられちまった」
「ええええ!?シャンクス私のこと好きだったの!?」
「ああ、実はな」
しれっと笑顔で何てことを!!
「シャンクスが恋人かあ・・・」
まだピンと来ないとこもある、けど。
「こんな時につけこむのは卑怯だと承知の上だ、悪いな」
「・・・・シャンクスらしいよね」
何てこんな答えしか出てこなかった。
「それで、返事は聞かせてくれないのか?」
「えっ・・・・えーと、今はまだ、無理」
「当然の答えだな。無理はしなくていい」
「あ、ううん。シャンクスの気持ちは嬉しいし私で良ければ受けるよ。ただ今は」
まだ完全に別れてないから、
こんな状態で付き合ったらシャンクスに迷惑がかかるから。
「アコらしいな。そういうことなら待つが・・・1ヵ月、ってとこだな」
「今夜すぐにでも別れ切り出すよ」
「いや、その必要はないだろう」
「え?」
恐らく1ヵ月後にはアコは別れを切り出される。
シャンクスのその言葉の通り一カ月過ぎる前に私は彼に別れを切り出された。
そしてその後泣きつかれ、
ヨリを戻したいと言われたことまでシャンクスの予言通りになった。
「・・・・なんでわかったの?」
「大方浮気相手と結婚するつもりでいたんだろうが、相手は既婚者だ」
「へ!?」
「結婚の話しは断られる。おまけにバレたら向こうの旦那から慰謝料も請求されるな?」
「・・・・・すごいね」
「俺のアコを傷つけたんだ、これくらいは構わねェさ」
「シャンクスカッコ良・・・!!」
「惚れたか?」
「惚れました!!!」
シャンクスはいつだって私を守ろうとしてくれる。
守って、くれる。
幸せは意外と身近にありました。