短編⑤
夢小説設定
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「っもういい加減にして下さいよ!」
「いーや、これだけは譲れねェ」
「相手誰だと思ってんですか!」
「誰であろうと関係ない」
「・・・・・うぬぬぬ!!」
口論がヒートアップしたところで、
「おいおい、どうしたんだよ」
とヤソップさんが入って来た。
「喧嘩中です」
「あーそりゃ見ればわかる。何だ、お頭の浮気が原因か?」
「俺じゃねェ、アコだ」
お頭が私の名前を出したのでついかっとなってまた、
「私は浮気なんてしてません!!」
叫んでしまった。
「まぁまぁお二人さん落ち着けって。な?」
「だってお頭が・・・・っ」
「アコが浮気したって証拠があんのか、頭」
「今俺の目の前で言ったんだぞ、しかも相手はルフィだ」
「・・・・・・・はぁ?」
間抜けた顔になったヤソップさんを見て私は少し落ち着いた。
「・・・・そうなりますよね?ルフィですよ?」
「ルフィといえど浮気は浮気だろう」
お頭はまだ怒ってる。
ほんとにもう面倒くさいなこの人!
「アコ、説明求む」
「ルフィの新しい手配書が来たんです」
「おーそりゃ今朝見たぜ。額上がってたな」
「それを持ってお頭のとこに行って」
「で?」
「ルフィカッコイイですねって」
2年が過ぎて顔つきが変わった。
男の子から男に変わった、そんな感じ。
・・・という話しをしただけなのだ。私は。
そしたらお頭が、
『浮気か?』
と。
馬鹿なことを言いだして今に至る。
「そりゃお頭が悪い。褒めただけで浮気とされちゃあアコが可哀想だ」
ヤソップさんは私の味方。
良かった。
「いーや、これは紛れもない浮気だ。俺よりルフィに気持ちがいってる証拠だからな」
「だってカッコ良くなったじゃないですかルフィ」
「まあ確かになぁ・・・」
「そうでしょう!?それに風の噂によると色々名言も残してるらしいんですよ!!」
「ほーそれはそれは」
「ルフィなんかまだまだ、俺の方が強い」
「強さの話しはしてません」
「ルフィは駄目だ、アコはやれねェ」
お頭はまだむすっとしたまま。
私も私で、こうなったらもう意地でも謝ってやらないと心に決めた。
「じゃあウソップ君」
「お、俺の娘になるのかアコ」
「かっこいいですよねーソゲキング」
「気持ちは嬉しいが俺がお頭に殺される」
じわじわと感じる殺気にヤソップさんが怯えだした。
「黒足君も素敵。何より料理食べてみたいです」
「料理じゃ勝てねェなお頭」
「飯なら俺も作れるさ」
「だってあのバラティエのコックさんだったんですよ!?」
「・・・今度連れていってやるから」
「ロロノアもカッコイイですよねー三刀流!!」
「ただのマリモじゃねェか、あんなのより俺の方がカッコイイだろ」
「マリモ素敵」
「・・・・・アコ」
・・・・・お頭の低い声。
ヤソップさんもヤソップさんで、
「アコ、そろそろ謝っとけ」
と言いだした。
・・・・・いやいや、こんなことで負けない!
「でっでも1番は航海士さんですよ!天気を操れる美人さん!!強くてカッコ良くて美人で最高!」
でもさすがにちょっと怖くなって今度は女性の話題にしてみたんだけど。
それでも駄目だったようで、
「俺知らね」
「ヤソップ、アコと2人で話しがしたいんだが」
「・・・・りょーかい」
・・・・・・・・本能的に危機を悟った。
時すでに遅し。
ヤソップさんはそぉっと部屋を出て行った。
・・・・・ヤソップさんを見送ってくるりと振り返ったお頭の笑顔。
怖い以外に言いようがない。
身構える暇もなく、
「あ、ん・・・・・っ」
素早い動きで捕まえられて、
すぐに口づけられた。
深く入り込んできた唇は、やめてくださいと言おうとする私の言葉を奪おうとするかのようで。
なかなか離れてはくれなかった。
さすがに苦しくなって死ぬんじゃないかってなってようやく唇が離れた。
「アコは俺に満足出来てないみたいだな?」
「そ・・・・っ」
「ああ、いい」
言い訳しようとした私を制して、
もう1度キス。
今度は少しだけ優しい。
それでもこれは相当お怒り?
と思ったんだけど。
離れてすぐに見たお頭の顔は寂しそうな笑みだった。
・・・・・そんな顔されたら。
「・・・・ごめんなさい」
・・・って言うしかないじゃないか。
ずるい。
「アコが誰を思おうと俺はアコだけを思ってる」
「・・・・はい」
「誰にも渡す気はない」
「・・・私だってお頭の・・・シャンクスのことが1番カッコイイと思ってますし好きですよ」
「・・・そうか!」
少しだけ嬉しそうな笑みに変わったお頭。
でもすぐに、
「俺は海賊だからな・・・欲張りなんだ」
「・・・・というと」
「俺だけを愛してると言ってくれねェか?」
・・・・・・何だかはめられたような気もしないでもないけど。
「シャンクスだけをこれから先もずっと愛すると誓います」
・・・・・ごめんねルフィ。
シャンクスの隣で、待ってるから。