短編⑤
夢小説設定
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「星が綺麗だなァ」
「・・・・・そうですね」
「こんな夜も悪くない」
「いや悪いです。思い切り」
まあ私のせいなんですけど!!
着いた島で探索。
ここまでは良かった。
それにお頭が着いて来て。
これもまあ、うん。
私が欲張って、森に入り奥へ奥へと行ったこと。
コレが駄目だった。
可愛い植物や面白い動物なんかがいて、
でもお頭が居てくれれば危険もないし。
・・・そう、油断して。
めちゃくちゃに舞い上がってた。
あんまり先に行くと危ないぞ、なんてお頭の声が聞こえないくらいには。
そうして私は、
崖から落ちた。
私を助けてくれたお頭も一緒に。
「まあそう気落ちするなアコ。楽しいぞ俺は」
「・・・・ごめんなさい」
気を遣わせてる。
楽しい訳ないのに。
「謝ることはねェ。本当に楽しんでるんだ」
「・・・・・でも、っこんな状況で」
お頭が私を守ってくれたおかげで私は怪我はせずに済んだ。
私、は。
「これくらいでどうにかなるような身体じゃないさ、知ってるだろう?」
お頭は私を庇って怪我をした。
動けない程じゃないけど、とてもじゃないけど片腕で崖を登れる程じゃない。
せめてお頭だけでも戻れたら助けを呼んでもらえるんだけど。
「・・・・私だけでも、登れたら」
「おいおい、危険過ぎる。この辺には猛獣もいるんだぞ」
「でもこのままじゃ、」
「いずれ誰かが探しに来る。今は俺の側を離れない方がいいだろう」
「・・・・はい」
「こんな楽しい夜は滅多にねェ、楽しもう」
・・・さすがは海賊、というべきか。
どんな状況でも楽しんでる、そんな姿は流石。
「お酒があればまだ良かったですね・・・」
「たまにはいいさ」
「・・・優しいですね」
「いつもは優しくないか?」
「優しいですけど」
「隣にアコが居てくれるなら何処でもいいんだ、俺は」
「・・・・お頭」
こんな時にそんなこと言われたら。
泣きそう。
「少しは惚れたか?」
なんて優しい笑みで髪を撫でてくれる。
「・・・・滅茶苦茶惚れました」
「だっはっは!そうか!」
何でこの状況でこんなに豪快に笑えるのかなこの人は。
・・・・凄い人だなあ。
「私も、お頭が隣に居てくれるならどこでも楽しいです」
「ああ・・・必ず守るさ」
普段ふざけてるお頭の真面目な横顔を見ながら、
ぐう・・・とお腹が鳴った。
「・・・お腹、すきましたね」
「何か食うか」
「え、食べ物」
「さっきキノコ類を採ってたんだ」
「生で!?」
「火なら起こせるぞ」
「お頭・・・・!!」
さすが海賊!頼りになります!!
お頭が火を起こしてくれてキノコを焼いて。
とりあえずお腹は満たされた。
「寒くはないか?」
「はい、火であったまりました」
寒くはないのに、ふわりとお頭のマントにくるまれた。
「今は良くてもこの後冷えちまうだろ。このまま体力温存だ」
「・・・・サバイバル経験豊富なんですね」
「まあ、海賊だからな」
「こうしていられるのはそうだからでしょうけど・・・」
「けど?」
「今こんなにも楽しいのはきっとお頭だからなんでしょうね」
海賊だから、だけじゃない。
シャンクスだから。
今私が笑っていられる。
「あんまり可愛いこと言われると・・・困っちまうなァ」
「え、困らせてます?」
「我慢出来なくなっちまう」
少し困ったように笑ったお頭の顔が近づいた。
自然と目を閉じたその時。
「おーい、無事かぁ?」
上から聞こえたヤソップさんの声に目を開けた。
「ヤソップさぁぁん!?」
「ったく、タイミングがいいんだか悪いんだか・・・・」
「お頭っ」
ふざけたようなお頭に恥ずかしくもあり、
安堵もあり。
「ま、これでデートも終了だな」
「・・・・・なんだかんだ、楽しかったです」
「俺もだ。このまま朝まで、でも大歓迎だったんだが」
残念だな。
なんて意地悪な笑み。
「じゃあ今日は・・・添い寝してあげましょうか?」
「・・・さっきの続きを期待しても?」
「・・・・いいでしょう」
言いながら、重なった唇。
ヤソップさん達が降りてくるまであと少し。
このぬくもりは、そのままで。