短編①
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今日は満月。
皆の喧騒を聞きつつ、お酒を飲みながら甲板で月見酒。
月には兎がいて、餅をついてるんだそうだけど、私にはまったくそうは見えないなあ、
なんて思いながら美味しいお酒で喉を潤した。
「月に美女に美味い酒、いいねえ」
「・・・・・・・・お頭」
後ろから上機嫌で話しかけてきたのは、お酒を持ったお頭。
「美女が何処に?」
「アコに決まってんだろ?」
「・・・・・・私は美青年を探しに行ってきます」
「ちょっと待て。美青年なら居るだろ、ここに」
「・・・・・・・・・オッサンが何言ってるんですか」
美青年なんてこの船には居ない。
居るのはオッサンばかりだ。
「だっはっは!細かいことはまあ気にすんな」
気にして下さい。
「もう、お頭飲み過ぎですよ」
「シャンクス」
「え?」
「こんなに月が綺麗な夜くらい、名前で呼んでくれないか、アコ」
・・・・・・・・・・お頭は決して美青年、ではないけど。
カッコイイ、と思う。
そして時に色っぽい。
「・・・・・ヤ、です」
「アコ」
「あ、月も綺麗だけど星も綺麗ですよ、ほら、おかし・・・・ら」
何とか話を誤魔化そうと試みたけど、お頭の顔を見て言葉が消えた。
・・・・・・正しくはお頭の目を見て、と言うべきか。
顔は笑ってるのに目が笑ってない。
「何でそんなに嫌がる?」
お頭の質問もごもっともだ。
答えは決まっている。
「恥ずかしいからです」
「・・・・・・・・・・・・・はァ?」
思い切り顔を顰めてお頭は私を見つめてくる。
・・・・・・・そんな変顔しなくても。
「だって!今までずっとお頭で来たのに、名前で呼ぶなんて・・・恥ずかしいじゃないですか!」
今更名前で呼ぶなんてことがどれだけ勇気が必要か!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・やべェ」
「・・・・・・・・・お頭?」
お頭はぼそっと何かを呟いたと思ったら、
「わかった、アコ。俺が悪かった。名前は呼ばなくていいから今の表情もう1回してくれ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」
え、今何て言ったのこの人。
「な?」
いや、な?って言われても。
「どんな顔してたかなんて自分じゃわかんないですよ」
「そこを何とか!頼む!」
・・・・・・・・・・・・いや、頼む、って言われてもなあ。
必死なお頭の為に何とかしたいところだけど、自分があの時どんな表情してたなんて覚えてない。
「・・・・・・・どんな顔でした?」
「そりゃもうこれ以上ねえってくらいの可愛さだったな。恥じらいの中に少し怒ってるような」
聞かなきゃ良かった。
恥ずかしいし聞いたって同じ顔なんてきっと出来ない。
「後、涙目がまた可愛くてな。あ、上目遣いってのも忘れんなよ?」
意外に細かい!
「こう、ですか?」
言われたことを再現しようと頑張ってみるも、
「んー・・・惜しいな。もっと、こう恥じらいが足りん」
「・・・・・・・・・こんな感じですか?」
「違うな」
「もう・・・わかんないですよ。っていうかせっかく月が綺麗なんだから月見ましょう?」
結構頑張ってみたけどお頭の納得のいくものにはならなくて。
再び話題を月に戻してみる。
けれど、
「俺はアコを見てる方がいいな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・私なんか見てもつまんないですよ?」
「月よりアコの方が綺麗だ」
・・・・・・何てベタな台詞を。
「それはたぶん月のおかげですよ、きっと。月の光でそう見えるだけです」
だからお頭も月を見ましょう?
と言おうとした私の口は、
「・・・・ん、」
お頭の口によって塞がれた為言えずに終わった。
「おかっ・・!!」
「ああ、すまん。俺も月の光にあてられたらしい」
・・・・・・・・・しらっと言い切るお頭に何も言えない私。
今夜は月が綺麗だから。
もう、すべて月のせいってことにしちゃおうかな。
「・・・・・・・・・シャンクスの馬鹿」
恥ずかしいけど、
名前を呼んでしまったのは、
月のせいってことで。
「・・・・・・・・・・・今のもいいな」
「・・・・・・・・付き合ってられません」
皆の喧騒を聞きつつ、お酒を飲みながら甲板で月見酒。
月には兎がいて、餅をついてるんだそうだけど、私にはまったくそうは見えないなあ、
なんて思いながら美味しいお酒で喉を潤した。
「月に美女に美味い酒、いいねえ」
「・・・・・・・・お頭」
後ろから上機嫌で話しかけてきたのは、お酒を持ったお頭。
「美女が何処に?」
「アコに決まってんだろ?」
「・・・・・・私は美青年を探しに行ってきます」
「ちょっと待て。美青年なら居るだろ、ここに」
「・・・・・・・・・オッサンが何言ってるんですか」
美青年なんてこの船には居ない。
居るのはオッサンばかりだ。
「だっはっは!細かいことはまあ気にすんな」
気にして下さい。
「もう、お頭飲み過ぎですよ」
「シャンクス」
「え?」
「こんなに月が綺麗な夜くらい、名前で呼んでくれないか、アコ」
・・・・・・・・・・お頭は決して美青年、ではないけど。
カッコイイ、と思う。
そして時に色っぽい。
「・・・・・ヤ、です」
「アコ」
「あ、月も綺麗だけど星も綺麗ですよ、ほら、おかし・・・・ら」
何とか話を誤魔化そうと試みたけど、お頭の顔を見て言葉が消えた。
・・・・・・正しくはお頭の目を見て、と言うべきか。
顔は笑ってるのに目が笑ってない。
「何でそんなに嫌がる?」
お頭の質問もごもっともだ。
答えは決まっている。
「恥ずかしいからです」
「・・・・・・・・・・・・・はァ?」
思い切り顔を顰めてお頭は私を見つめてくる。
・・・・・・・そんな変顔しなくても。
「だって!今までずっとお頭で来たのに、名前で呼ぶなんて・・・恥ずかしいじゃないですか!」
今更名前で呼ぶなんてことがどれだけ勇気が必要か!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・やべェ」
「・・・・・・・・・お頭?」
お頭はぼそっと何かを呟いたと思ったら、
「わかった、アコ。俺が悪かった。名前は呼ばなくていいから今の表情もう1回してくれ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」
え、今何て言ったのこの人。
「な?」
いや、な?って言われても。
「どんな顔してたかなんて自分じゃわかんないですよ」
「そこを何とか!頼む!」
・・・・・・・・・・・・いや、頼む、って言われてもなあ。
必死なお頭の為に何とかしたいところだけど、自分があの時どんな表情してたなんて覚えてない。
「・・・・・・・どんな顔でした?」
「そりゃもうこれ以上ねえってくらいの可愛さだったな。恥じらいの中に少し怒ってるような」
聞かなきゃ良かった。
恥ずかしいし聞いたって同じ顔なんてきっと出来ない。
「後、涙目がまた可愛くてな。あ、上目遣いってのも忘れんなよ?」
意外に細かい!
「こう、ですか?」
言われたことを再現しようと頑張ってみるも、
「んー・・・惜しいな。もっと、こう恥じらいが足りん」
「・・・・・・・・・こんな感じですか?」
「違うな」
「もう・・・わかんないですよ。っていうかせっかく月が綺麗なんだから月見ましょう?」
結構頑張ってみたけどお頭の納得のいくものにはならなくて。
再び話題を月に戻してみる。
けれど、
「俺はアコを見てる方がいいな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・私なんか見てもつまんないですよ?」
「月よりアコの方が綺麗だ」
・・・・・・何てベタな台詞を。
「それはたぶん月のおかげですよ、きっと。月の光でそう見えるだけです」
だからお頭も月を見ましょう?
と言おうとした私の口は、
「・・・・ん、」
お頭の口によって塞がれた為言えずに終わった。
「おかっ・・!!」
「ああ、すまん。俺も月の光にあてられたらしい」
・・・・・・・・・しらっと言い切るお頭に何も言えない私。
今夜は月が綺麗だから。
もう、すべて月のせいってことにしちゃおうかな。
「・・・・・・・・・シャンクスの馬鹿」
恥ずかしいけど、
名前を呼んでしまったのは、
月のせいってことで。
「・・・・・・・・・・・今のもいいな」
「・・・・・・・・付き合ってられません」