短編⑤
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「なあ行こうぜアコ」
「ぜーったい行かない」
「何でだよ」
我らが白ひげ海賊団は、島に着いた。
・・・・・・・・でもそこは、
恐らく人は居ないだろう森。
絶対猛獣がいるんだよ。
それか凶悪な海賊とか。
「お宝も食べ物もなさそうなのに行く意味ない」
「面白そうだろ?」
「何が」
「変な動物とか居そうだし」
「そいつが凶暴だったらどうするの?」
「倒すだけじゃねェの?」
・・・・・・・・・エースはいいよね強いから。
「・・・・・・・・頑張って」
「だからアコも行こうぜ」
エースはどうしても私を冒険に連れて行きたいらしい。
「何が居るかわかんない場所に私を連れて行かないで」
「俺が守ってやるよ」
・・・・・・わかってる。
エースがものすごく強いこと。
なんていったってうちの隊長だし。
でも何だか今日ばかりはカチンと来た。
「別にいい。わざわざ守ってもらってまで行きたいと思わないし」
「・・・・・・そうかよ、勝手にしろ」
エースもむっとした様子で、出て行った。
静かになった部屋で、
1人盛大なため息を吐いた。
・・・・・・・・泣きそう。
なんだってこんな島に着いちゃったのか。
普通の島なら私だってエースと一緒に行きたかった。
エースは・・・もう降りたのかなあ船。
エースなら大丈夫だと思うけど、無事であって欲しい。
そんなことを思いながら気分転換に、と思って甲板に出てみたら。
「・・・・・・・エース?」
エースがつまらなさそうに外を見てた。
「・・・・何だよ」
「・・・・・・・・・行かないの?」
「別にいいだろ、俺が何処にいたって」
あんなに行きたがってたのに。
「・・・・・・エースは強いからいいじゃん」
隣に立って、一緒に外を見る。
冒険するにはもってこいの森だと思う。
「・・・・そんなに守られンのが嫌なのかよ」
「・・・・・・嫌。だってエースが怪我するかもしれないんだよ」
「・・・・・・は?」
「エースが私を守るってことはさ、私の代わりにエースが怪我する可能性が増えるってことじゃない」
「・・・・・・・それが嫌だって?」
「そう。だから守って欲しくない」
素直に頷いたら、エースが大袈裟な程大きなため息を吐いた。
「お前なァ・・・・」
「何」
「馬鹿みてェ」
「ばっ・・・・馬鹿って!!」
酷いエース!
「俺が怪我するって決めつけんなよな」
「でも、」
「俺が強いのは知ってるって、アコだって言っただろ?」
「それは・・・・そうだけど」
「アコも守る、怪我もしねェ。これで解決だろ?」
あっけらかんと言い放つエースに言葉が出てこない。
・・・・・・・・いや、確かにそうなんだけども。
「つーか俺がアコ守って怪我したことなんてあったか?」
「この間・・・庇ってくれた時、腕」
「はァ?あんなの怪我のうちに入んねェよ。痛くもねェしすぐ治ったし」
「それでも・・・気にするもん」
「・・・・・・じゃあアレか?俺がアコ守らねェって約束すりゃいいのか?」
エースは頭をガシガシとかきながら困ったように言う。
「約束したって・・・・エースはきっと私を守ってくれるでしょ?」
「・・・・・・・・まァな」
「だから嫌なの」
「ンなこと言われてもよ・・・・好きな奴とは一緒に行動してェし、守りてェと思うだろ普通」
・・・・・エース今さらっと言ったけど。
私とエースは別に付き合ってはいない。
特にそういう関係ではなかった。
「・・・・・・・え、えと?エースって・・・私のこと好きなの?」
「・・・言ってなかったか?」
驚く私、私以上に驚くエース。
「聞いてない・・・・!」
「・・・・・・・好きだ、アコ。だから一緒に行きてェ」
真剣な瞳に見つめられて思わず胸がきゅんとなる。
・・・そりゃ私だってエースのこと好きだし、
一緒に行きたいけど。
「・・・・・・・1日、待って」
「1日?」
「明日になったら一緒に行こう?返事もその時する」
「・・・・・・わかった。明日な?」
「うん、明日」
ということで。
「ぎゃあああ!今がさって言った!」
「風だから大丈夫だって」
やって来た、恐怖の森。
「ととととかげ!」
「トカゲくらい普通だろ」
必死にエースにしがみつきながら、森の探索。
「・・・・怖いか?」
「・・・・うん。でも少し、楽しい」
あ、水結構綺麗。
「昨日と何が変わったんだよ?」
「・・・・私の頭?」
「・・・・髪型変わってねェよな」
「髪型じゃないの。昨日あれからナースさんとこに行ったんだけどさ」
「ナースんとこ?」
「・・・・・・勉強、しようと思って」
「勉強?」
「エースが怪我しても私が手当て出来るように。そしたら私エースと安心して一緒に居られるし」
「・・・・・・・俺が怪我する前提かよ」
「万が一、の話」
一生懸命考えた結果、これなら、と思いついた。
これからいっぱい勉強して、
物凄い怪我をしても大丈夫なように。
「アコがナースか・・・悪くねェな」
「・・・・・・あのね」
「ナース服着るんだろ?」
「着ませんて」
エースは楽しそうに笑った後、
数秒固まった。
「・・・・・・・・・ちょっと待てよ?」
「ん?」
「・・・・ってことはアコも、俺のこと」
「・・・・・・・好き」
小さく言ったら、
がばっと勢いよく抱きしめられた。
「・・・・愛してる!」
「わ、わたしも・・・・!」
「・・・・・・・・・アコ」
「・・っはい」
「ずっと俺に守らせてくれるか?」
「・・・・・・よろしくお願いします」
ゆっくり頷いたら、
優しい口付けが降ってきた。
ずっと、側に居るために。
エースは強くなって、
私は医療を学ぶ。