短編①
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「お仕置きだな、アコ」
にやり、と怪しくお頭が笑った。
「え、嫌です」
私は即座にそう答えた。
お仕置きなんて冗談じゃない。
「俺は部屋に入るなと言っておいたハズだぞ」
「ベンさんが入っていいって」
「・・・・・ベンの言うことなら何でも聞くのか?」
「そういう訳じゃないですけど。え、でも変な物とかはなかったですよ?」
そう、確かに数日前にお頭に言われた。
『しばらく俺の部屋は掃除しなくていいから、入らないでくれ』、と。
でも昨日ベンさんに、
『お頭が埋もれちまう前に軽くでいいから掃除してくれないか』
と言われた訳で。
「てっきりお頭が許可したんだと思ってましたもん、私」
「俺は許可してない」
「・・・・・お仕置きですか?」
「お仕置きだ」
断固として譲らないお頭。
むう。
「えー・・・嫌です」
「嫌です、ってお前な」
何処か呆れたようなお頭に、
「だって私お仕置きなんてされたらきっとお頭のこと嫌いになります」
私はきっぱりと言い切る。
「・・・・・・いや、しかしな?俺は部屋に入っていいと言った覚えはないだろう」
「じゃあベンさんだって同罪じゃないですか。あ、ベンさんも一緒にお仕置きならいいですよ」
「それは嫌だ」
「じゃあ私も嫌です」
言ってお互いににらみ合う。
何でそんなにお仕置きがしたいんだろうお頭は。
「そもそもお仕置きって何させるつもりなんですか?バケツ持って廊下に立ってるとか?」
「そんなつまらんこと俺がさせると思うか?」
「・・・・じゃあ何ですか?」
聞きたいような、聞きたくないような。
「まずキスしてもらうだろ、それから「待ってお頭」」
嬉しそうに話すお頭は可愛いけど、ちょっと待って。
何かすごく聞きたくなくなったんですけど。
「1つじゃないんですか普通。てかおかしいんですけど!きっ・・・キスって!」
恥ずかしすぎるんですけど!
「おいおい、キスなんて序の口だぞ?それも普通のじゃ駄目だ」
「・・・・と、おっしゃいますと」
「えっろいやつな。大人のキス」
「お断りします」
こちらもきっぱりとお断りするも、お頭は変わらずにこにこと、
「何なら俺が教えてやる」
駄目だ今のこの人には何を言っても無駄だ。
「・・・・・お頭はいいんですか、それで」
「・・・何がだ?」
「お仕置きっていう形で私と、キス・・・でいいんですか?」
私ならそんなの嫌だ。
どうせなら、
「どうせならご褒美がいいです。・・っていうかやっぱり私悪くないんでお仕置きは受けません!」
だから、と。
私は精一杯の背伸びをして、
ちゅ、っと。
軽くお頭の唇に口付けた。
「・・・・これは、ご褒美か、アコ?」
「・・・・・失礼しました!」
にやにやしているお頭を見ていられずに、私はそのまま逃げるように走った。
いや実際逃げたんだけど!
後からベンさんに聞いた話では、
お頭の部屋には私の隠し撮り写真集があったそうで。
それを完全に見つからないところに置くまで私を部屋に入れたくなかったんだそうです。