短編⑤
夢小説設定
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夜中にどうしてもお腹が空いて、
我慢出来なくて厨房に行ったら。
「あ」
「げ」
・・・・・・・・・・先客がいた。
暗闇の中ガサゴソと音がしているので、
むむ、怪しい奴!
と覗きこんでみれば。
予想通りの人物が冷蔵庫を漁っていた。
「・・・・マルコには言うなよ」
「うん、じゃあサッチさんに言うね」
「何でだよ!?」
「だってエースがマルコさんには言うなって」
「誰にも言うな」
「はいはい。お腹すいてるんでしょ?」
「・・・・おう」
「私も」
共犯だよ、と笑えばエースもほっとしたように笑った。
「何だそっか。じゃあ問題ねェな!」
「お腹がすいて眠れなくて。何かこう、こってりしたっものが食べたい」
こんな時間だけど。
「俺も」
「冷蔵庫に何かあった?」
「タコはたくさんあるんだけどな」
「タコかあ・・・・じゃあたこ焼き」
「アコ作ってくれんの?」
「共犯の誼ですもの、作りましょう」
エースの目がぱああ、と輝いた。
これで否、なんて言えない。
「っしゃ!ありがとな」
という訳で早速調理。
タコ切って混ぜて焼く。
くるくる。
「へェ、器用なもんだな」
「エースもやる?」
エースが興味深そうにタコ焼きを転がしてるところを見て来るから聞いてみたら、
「・・・いいのか?」
「どうぞ」
エースに任せてみたら、
「うぉっやべェアコ!・・・・やべ!!」
案の定パニック状態。
懐かしいなあ私も最初の頃こうなってた。
「慌てないでゆっくり、こう」
エースの手に自分の手をそっと添えて一緒にひっくり返す。
「・・・・すっげェもんだな」
「エースも慣れれば上手に出来ると思うよ」
「つーか」
「・・・つーか?」
「・・・・何でもねェ」
「あ、ほら。もういいんじゃない?」
たこ焼きはいい感じに焼けた。
「いい匂いだな」
「ソースとマヨネーズをかけたら完成。頂きます!」
「いただきます」
熱々をはふはふ。
「んー美味しーい!!」
「んめェ!!」
「この時間にこれはちょっと罪悪感あるけどね!」
「そっか?」
「・・・・エースは気にしないよね」
「ほーふぁな」
夜中にちょっとやそっと食べて太るような身体じゃないもんなぁ、エース。
うらやましい。
「私はあと1個でやめとこうかなあ」
「何で?食えよ、せっかく作ったんだし」
「タコ焼きの誘惑!!」
「これ、俺が焼いたんだぜ?ほら」
「んむ」
ほら、とエースがたこ焼きを私の口に放り込んだ。
「・・・あふい」
「ははっ、火傷すんなよ」
「でも・・・おいひい」
「もっと食おうぜ?タコまだあったろ?」
「更に!?」
「もっと焼きてェ」
おお、エースが料理に興味を・・・!
ちょっと嬉しいかもしれない。
「そしたら今度は揚げたこ焼きにするのもいいかも」
「美味そうだなそれ!」
タネはまだ余ってるし。
ということで再び焼く。
今度は最初からエースにやらせてみる、けど。
「アコ!タコが出ちまう!」
まあ何回かやっただけじゃあ、ね。
「こうだよ、エース」
さっきみたいに後ろから軽く手を添えて教えてみる。
「・・・・さっきも思ったけどよ」
「ん?」
「小さいのな、アコの手」
「手?私の?」
ぽつりと呟くエースに見れば確かにエースの手に比べれば私の手は小さい。
「いつもこの手で美味い飯作ってくれてんだよな、ありがとな」
「どういたしまして。エースの手は大きいよね」
「・・・・アコのも」
「・・・・私の手は小さいでしょ?」
「・・・手じゃなくて」
エースの耳が赤くて、それですべて悟って、咄嗟に離れた。
「・・・・もう教えてあげません」
「でももうだいぶ焼けたぜ?」
「エースのばか。すけべ」
必然的にエースの背中に私の胸が当たっていたらしい。
まったく、もう。
「あとは揚げるだけだな!」
そして揚げたこ焼きも完成。
「油が・・・カロリーが!!」
「覚悟しとけよ?」
「わ・・・私は食べ・・・っ」
「ん」
「あ・・・・・っふい!!!」
再び放り込まれた揚げたてのたこ焼き。
火傷する!!
「揚げたのも美味いな。最高」
「もう・・・太ったらどうしてくれるの」
「動けばいいんだよ、問題ねェ」
「簡単に言ってくれるよね・・・」
一応明日は控えめにしておこう。
「もうちょい太っても俺は好きだぜ」
「・・・・有難う」
「美味いモンは美味いって言って食うのが1番、だろ?」
「・・・エースのくせに正論・・・・」
「くせにってなんだよ。失礼だな」
「でもそうだね・・・こんなに美味しい物食べないなんて損だよね」
「おう。また2人で何か作ろうぜ」
お腹もいっぱいになったし。
エースが嬉しそうで満足。
たまにならこんな夜もありかも。
「エースが料理に興味持ってくれたんなら喜んで教えるよ」
「料理、っつーかさ」
「うん?」
「アコと2人でいたいだけ」
「・・・・・・・・え」
動揺し過ぎて後片付け忘れて寝て翌朝マルコさんとサッチさんに怒られましたとさ。