短編④
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今日の夕飯カレーだよ、のノリで。
「今日エース浮気してたよ」
ってサッチさんに言われた。
「・・・・・私どうしたらいいですかね」
仲のいいナースさんに泣きついてみるけど。
「落ち着いて、ホントに浮気なの?」
「・・・女の子と歩いてたって」
「それだけ?」
「でも!昨日島に着いたばっかりでデートにも誘ってくれないで私じゃない女と歩いてたって!!」
「ほら、よくあるじゃない?恋人にサプライズする為のアドバイザーとか」
「記念日も何もないのに?」
「プロポーズかも?」
「エースがそんなことするとは思えない」
「じゃあ迷子になった女の子を案内してたとか」
「島に着いたばっかりの不慣れなエースが?」
「逆に案内されてたんじゃない?」
「エースなら好きに歩いて勝手に戻って来れます」
「そんなに気になるなら本人に聞いた方が早いわよ」
「・・・・ですよね」
そんなことが出来るなら相談してない、とも思うけど。
ぐうの音も出ない程正論だ。
「で、浮気だったの?」
サッチさんが楽しそうな顔で聞いて来た。
夕飯の下ごしらえ中。
「まだ聞いてません」
ていうかまだ帰って来てません。
「あらら」
「・・・・エースは、浮気しません」
そう思ってる、心から。
思いたいだけでしょ、と言われればYES、だけど。
「まー俺もそう思うけど」
「ですよね!?」
「つーかどっかで見たようなコだったんだよなァ」
「誰です!?」
「いや、わかんねェけど」
「・・・・サッチさんの役立たず」
サッチさんが知ってる人ならナースさんてこと?
「ま、エースに聞いてみるのが1番っしょ」
「・・・・・ですよね」
さ、本番開始。
「今日の飯何?」
エースがしれっとモビーに帰って来た。
「カレー」
夕飯はまさかのカレーでした。
「そっか、楽しみだ」
「・・・・・・・ねえ、どんなところだった?」
「飯は美味かった」
「何食べたの?」
「ラーメンチャーハン餃子とオムライスと」
「・・・はいはい」
誰と食べたの?なんて聞けない。
でも、
「明日は一緒に回ろうなアコ!」
なんて笑顔で誘ってくれるエースに胸が痛んだ。
こんな気持ちのまま明日エースと楽しいデートなんて出来ない。
「・・・今日、1人だった?」
「当たり前だろ?」
普通に答えたように見えたエースだけど。
少しの違和感を感じた。
「ほんとに?」
「・・・・何か気になることがあったか?」
私の様子に不安そうに聞いて来るエースは可愛い。
ほんとは問い詰めたくなんかない。
このまま信じて、サッチさんの言った言葉なんか聞かなかったフリして。
・・・明日笑顔でエースの隣を歩きたい。
「怒らないから本当のこと言って、エース」
お願いだからもう誤魔化さないで。
そんな気持ちでエースを見つめたら、
エースは首をがしがしとかきながら少し困ったような顔をした。
「あー・・・・・実を言やァ途中でうちの隊の奴と合流して遊んでた」
「2番隊の?」
「でも別にアレだぞ!?変なとことか行ってねェからな!?」
・・・・男の人をサッチ隊長が見間違えた?
まあ、髪長い人もいる、けど。
「女の子、じゃなくて?」
「行ってねェ!オヤジに誓う!!」
「一緒に歩いてたのは本当に男の人っていうのも誓える?」
「おう、誓う」
「・・・そっか、ごめんね疑って」
エースがここまで言うならもう何も言えない。
でもじゃあ、サッチさんが見たのは?
・・・・何だったの?
「いやーごめんなァ、昼見たの、あれ俺の見間違いだったわ」
「え」
隣でエースが寝てる夕飯時。
サッチさんが急に謝って来た。
「女の子じゃなかったんですか?」
「いや、つーかエース1人だったわ」
「え、でも」
「だからさっきのは忘れて!じゃ!」
・・・・・・颯爽と去って行ったサッチさんは、
逃げたようにも見えた。
・・・・エースに頼まれた?
にしては話しが食い違ってくる。
どういうこと?
「今サッチ来たか?」
エースががばりと顔を上げた。
まだ眠そう。
「・・・・ん」
「何か言ってたか?」
「やっぱりエース私に隠してることあるでしょ?」
「・・・・ねェよ」
目が泳いだ。嘘。
「やだ。駄目」
「・・・・おい?」
エースの手をぎゅっと握った。
安心する、大好きなエースの手。
「誰にもあげない。行かせない、エースは私が幸せにするの」
「・・・・何か勘違いしてんぞ」
「じゃあ全部話して」
「・・・・ってもなァ。男同士の約束だしな」
「・・・・男同士?じゃあサッチさんに問い詰めて来る」
「サッチじゃない。俺が好きなのはアコだけだ」
「・・・・約束、って話せない?」
エースがどうしても話したくないなら諦めようと思ってたけど、
数秒の沈黙のあとエースが口を開いた。
「・・・・絶対言うなよ?」
「うん」
「うちの隊の奴に1人、そういう趣味の奴がいんだ」
「そう言う趣味・・・・?」
「女のカッコすんのが好きなやつ」
「そ、そうなの・・・・?」
「明日のデートの下見してたらそいつと会ってよ、一緒に歩いてたらサッチに見られたかもしれねェって言ってたんだよ」
「あ」
「・・・あんま人には知られたくねェって言うから、絶対内緒な?」
「今日私と出掛けてくれなかったのは下見のため・・・?」
「あ、やべ。・・・・まあ、一応な?」
「エース・・・・・好き・・・・」
「うちの隊の奴のことは内緒、頼むな」
「勿論です!!」
約束の口づけを交わして。
翌日たっぷりデートを楽しみましたとさ。