短編④
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私は白ひげ海賊団の人間です。
もう1度言いましょう、
私は、
白ひげ海賊団の者であると。
「だっはっは!まあ飲めアコ」
目の前でご機嫌な赤髪のシャンクス。
「・・・・・・・・・・・頂きます」
仕方なくグラスを受け取って、
一気にそれを飲み干した。
「・・・・で?説明して頂けるんですよね?」
思いのほかアルコール度数が強かったそのお酒を飲み干すと、私は赤髪を睨みつける。
そもそも、
「説明?必要か?」
「心の底から説明を求めます!私はただ甲板の掃除をしてただけで!そこへ貴方がやって来てこのザマですよ!?」
そう、そもそもつい数時間前までは我らがモビーディック号に居たんだから私は。
そこへ赤髪がやって来た。
まあそこまではたまにあることだから良しとしよう。
いい酒を持って来た、とかいってオヤジと飲んだりしてるし。
けれど今回彼は、
『アコを掻っ攫うつもりで来たんだ』
と平然と言い放った。
そして私はそのまますんなりレッドフォース号の上、という訳だ。
「しかしアコも抵抗しなかっただろう?」
「そりゃ抵抗なんかしませんよ。敵う訳ないもん」
「出された酒を疑いもせずに飲んだり」
「飲まなきゃやってられませんてこんな状況じゃ」
仮にも四皇の、赤髪のシャンクスが相手だ。
抵抗したところで無駄なのはわかってるし、
毒入りのお酒で殺すつもりならモビーに居た時点でやられてるだろうから。
「はははっそういうとこも気に入ってんだ」
「いやだからね、私をつれてきた理由を述べよと言ってるんですけど」
「だから今言っただろう?」
「・・・・・・・へ?」
「アコが気に入った。更に言うなら惚れたんだ」
・・・・・・・・そんな馬鹿な。
「私よりナースさん達の方が美人だしスタイルもいいですよ」
「俺はアコがいいと言ってるんだがな」
・・・・・・・・・駄目だこの人。
どうしよう。
「でも皆心配してると思うんですよ。下手したら皆で乗り込んできますよ?」
それはさすがにマズイでしょ?という脅しの意味をこめて言ってみれば、
「問題ない。手紙を置いといたからな」
これまた何事もなかったかのように答えが返って来た。
・・・・・・・・手紙?
「手紙、って」
「アコは俺が貰った、明日の夜までには帰すから心配するな、と」
なるほど。
だから心配ない、と。
「ってんな訳あるかァァァ!!!」
思わず1人ツッコミ。
「まあ、そういう訳だから心配するな」
心配です!思いっきり!
「じゃあとりあえずチョコレートパフェ下さい」
「何だいきなり甘いモンか?」
「疲れた時には甘い物です」
「疲れてるのか?何なら俺のベッドで寝てもいいぞ。添い寝してやろう」
「誰のせいで疲れたと思ってるんですか」
オヤジは何だかんだ赤髪のこと認めてるからきっと明日の夜までは探しに来ないだろうな。
・・・・・・・・・これはもう諦めるしかないのか。
「まあ甘い夜ってのもありだな」
「ないです!」
「そうか?・・・・・そうだな。じゃあ」
ツッコミに夢中になっていたせいで、
私は動けなかった。
近づく赤髪の顔。
「・・・・んん?」
そして突然、奪われた唇。
「・・・・・・・・・・んんっ、ん!ん!」
驚きのあまり叫ぶも当たり前の如く言葉にならない。
そんな私を嘲笑うかのように、
私の口内に舌が入ってきた。
「ん、ふぁっ・・・・は、ん」
ギブの意味をこめて赤髪の胸板を叩けば、名残惜しそうにゆっくりと離れていった。
「っはあ、何するんですか!」
息切れしながらも抗議の意を示せば、
「甘かっただろ?」
と満足そうな赤髪の姿。
「・・・・・・・・・・・・・オヤジに言いつけてやるー!!!」
涙ながらの私の叫びは、
まだモビーには届かない。