短編①
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「いいか!相手は火拳だ、油断するな」
「はいっ!」
火拳のエースの目撃情報があった。
その為海軍である私も気合を入れて出動。
元々私の目標は火拳のエースを捕まえること!
「ここで二手に分かれる。アコ、大丈夫か?」
「大丈夫です!」
「火拳を見つけたら連絡すること。いいな?」
「・・・・・あの」
「何だ」
「いえ、何でもありません。了解しました」
私が言い終えるのを確認して、上司であるその人は颯爽と走って行った。
「・・・・・・・・・・・・ふぅ」
私も火拳を探さないと、なんだけど。
今回本当に火拳のエースが居ることが信じられないで居る。
さっき言おうとして言えなかったこと。
火拳のエースの目撃情報。
その内容が。
『火拳のエースが一般女性を襲った』
・・・・・・・・本当に、
彼なのだろうか。
一般人を巻き込まないようにと注意をしてくれて、私を助けてくれた彼がそんなことをするなんて信じられない。
信じたくない、だけか。
コレが惚れた欲目ってやつなのかなあ。
まあ、とにかく。
私も火拳のエースを探さないと!
「よし!」
と気合いを入れたところで、
「よう」
目の前に見えた暢気な顔に私はがっくりと肩を落とした。
「・・・・・今皆が血眼になって貴方を探してるんですけどね、火拳のエースさん」
探す手間が省けた。
けれど同時に高鳴る胸。
その相手、私が捕まえるべき存在。
海賊、火拳のエース。
「ああ、知ってる。だからアコんとこに来たんだ」
「わざわざ捕まりに来たの?」
「捕まらねェよ。アコと2人きりになりたくて見計らってた」
相変わらずの余裕綽綽の笑み。
「絶対捕まえる!」
「言っただろ?今日はアコを掻っ攫いに来たんだよ」
「言ったでしょ?ぜーったい捕まえるって」
「俺のこと好きなんだろ?大人しく攫われてくれる気は・・・・ねェか」
じっと睨みつけると、火拳のエースは苦笑を浮かべた。
「私は海軍だし、簡単に攫われる気は毛頭ないけど。・・・・聞きたいことが、あるの」
「聞きたいこと?何だ?」
「・・・・・・・・火拳のエースが一般女性を襲ったって」
恐る恐る疑問を口にすれば、
「は?俺が?」
ぽかんと口を開けて聞き返してきた。
「・・・・・・本当?」
その表情だけ見れば違うんだと思うけど、
それだけで完璧に判断する訳にはいかない。
だから直接聞いてみた。
返ってきた答えは。
「どう思う?」
「・・・・・・・え?」
また聞き返された。
何処か真剣な顔で見つめてくる火拳のエースに少したじろいでしまう。
どう、思うって。
「アコはその話を信じたのか?」
「信じられないから探してたの。やってないんでしょ」
「やってないって言ったら一緒に来てくれんのか?」
私の必死の問いを飄々と交わす火拳のエースが何を考えてるのかわからない。
「・・・・・行かない、けど」
「けど?」
「やってないって、言って欲しい」
海賊だけど、私はこの人を信じたい。
信じさせて、欲しい。
すると火拳のエースは優しく笑った。
「やってねェよ。襲うんならアコを襲う」
「・・・・・・・・・それはそれで問題だけど」
「これってヤキモチって思っていいのか?」
「単なる正義の問題。・・・って言いたいとこだけど少しあるかも」
だって好きだから。
そう言えばいきなり腕を捕まれて、引き寄せられた。
「あんまそういうこと言うなよ。・・・・無理やり攫いたくなるだろ」
・・・・ああ、やっぱりこの人は優しい。
絶対にやってないと、言い切れる。
だから、彼の身体をそっと離して、
「火拳のエース確保」
ガチャリ、と腕に手錠をかけた。
「・・・・おい。この流れで何でそうなるんだよ」
呆れたような火拳のエースの声に、私は赤い顔のまま説明する。
「捕まえたの。他の誰でもない、私が」
「・・・・・アコになら捕まるのも悪くねェな、と言いたいところだけどな」
「私じゃ不足?」
「俺は自由に生きるって決めてんだ」
言いながらばきっと割れた手錠。
「・・・・・・嘘」
海楼石の手錠、が。
「さっきすり替えといた」
それにしたって普通の手錠もこうも簡単に壊れるもん?
私は深くため息を吐いた。
「残念。フられちゃった」
「なァアコ。俺と一緒に来いよ。海賊は自由でいいぜ」
再び強く抱きしめられて、
耳元で囁かれる悪魔の誘い。
「・・・・・ねえ、何で初めて会った時キスしたの?」
私が火拳のエースを追いかけるきっかけだった、それ。
その理由をずっと聞いてみたかった。
けれど彼の口から語られた答えは、
「したかったから」
ごく簡単なもので。
「・・・・・・・本当に自由だわね」
「だろ?」
「でもだからって普通海軍に手ェ出す?」
「関係ねェな。・・・・それより、返事。聞かせてくれねェの?」
「・・・・・・・うーん」
当然悩む私に、火拳のエースはトドメをさした。
「好きなんだ、アコ。絶対大切にする」
「・・・・・・・・・・・・今更それを言うのは卑怯でしょ」
「まあ、海賊だからな」
さらりとものすごい告白を言ってのけた火拳のエースに顔の熱はますます上がっていく。
ゆるゆると崩れていく私の正義。
「ちょっと待って?貴方と行くとしたら私も海賊になるってこと?」
「当然、そうなるだろ」
「私海軍」
「知ってる」
「貴方は海賊」
「何か問題あるか?」
そのあっけらかんとした物言いに、
「あははっ、そうかも」
私は笑うしかなかった。
ああ、何かもう色んなことがどうでもよくなっちゃった。
この人の側に居られるなら、
いいかもしれない。
「好きになった私の負けかな。海賊初心者だけどよろしく」
そう言って伸ばした私の手を、
強く優しく掴んでくれた火拳のエース。
「俺が、捕まえた」
満面の笑みの彼に、
私はすべてを委ねる。
皆ごめんなさい、私。
捕まっちゃった。
「はいっ!」
火拳のエースの目撃情報があった。
その為海軍である私も気合を入れて出動。
元々私の目標は火拳のエースを捕まえること!
「ここで二手に分かれる。アコ、大丈夫か?」
「大丈夫です!」
「火拳を見つけたら連絡すること。いいな?」
「・・・・・あの」
「何だ」
「いえ、何でもありません。了解しました」
私が言い終えるのを確認して、上司であるその人は颯爽と走って行った。
「・・・・・・・・・・・・ふぅ」
私も火拳を探さないと、なんだけど。
今回本当に火拳のエースが居ることが信じられないで居る。
さっき言おうとして言えなかったこと。
火拳のエースの目撃情報。
その内容が。
『火拳のエースが一般女性を襲った』
・・・・・・・・本当に、
彼なのだろうか。
一般人を巻き込まないようにと注意をしてくれて、私を助けてくれた彼がそんなことをするなんて信じられない。
信じたくない、だけか。
コレが惚れた欲目ってやつなのかなあ。
まあ、とにかく。
私も火拳のエースを探さないと!
「よし!」
と気合いを入れたところで、
「よう」
目の前に見えた暢気な顔に私はがっくりと肩を落とした。
「・・・・・今皆が血眼になって貴方を探してるんですけどね、火拳のエースさん」
探す手間が省けた。
けれど同時に高鳴る胸。
その相手、私が捕まえるべき存在。
海賊、火拳のエース。
「ああ、知ってる。だからアコんとこに来たんだ」
「わざわざ捕まりに来たの?」
「捕まらねェよ。アコと2人きりになりたくて見計らってた」
相変わらずの余裕綽綽の笑み。
「絶対捕まえる!」
「言っただろ?今日はアコを掻っ攫いに来たんだよ」
「言ったでしょ?ぜーったい捕まえるって」
「俺のこと好きなんだろ?大人しく攫われてくれる気は・・・・ねェか」
じっと睨みつけると、火拳のエースは苦笑を浮かべた。
「私は海軍だし、簡単に攫われる気は毛頭ないけど。・・・・聞きたいことが、あるの」
「聞きたいこと?何だ?」
「・・・・・・・・火拳のエースが一般女性を襲ったって」
恐る恐る疑問を口にすれば、
「は?俺が?」
ぽかんと口を開けて聞き返してきた。
「・・・・・・本当?」
その表情だけ見れば違うんだと思うけど、
それだけで完璧に判断する訳にはいかない。
だから直接聞いてみた。
返ってきた答えは。
「どう思う?」
「・・・・・・・え?」
また聞き返された。
何処か真剣な顔で見つめてくる火拳のエースに少したじろいでしまう。
どう、思うって。
「アコはその話を信じたのか?」
「信じられないから探してたの。やってないんでしょ」
「やってないって言ったら一緒に来てくれんのか?」
私の必死の問いを飄々と交わす火拳のエースが何を考えてるのかわからない。
「・・・・・行かない、けど」
「けど?」
「やってないって、言って欲しい」
海賊だけど、私はこの人を信じたい。
信じさせて、欲しい。
すると火拳のエースは優しく笑った。
「やってねェよ。襲うんならアコを襲う」
「・・・・・・・・・それはそれで問題だけど」
「これってヤキモチって思っていいのか?」
「単なる正義の問題。・・・って言いたいとこだけど少しあるかも」
だって好きだから。
そう言えばいきなり腕を捕まれて、引き寄せられた。
「あんまそういうこと言うなよ。・・・・無理やり攫いたくなるだろ」
・・・・ああ、やっぱりこの人は優しい。
絶対にやってないと、言い切れる。
だから、彼の身体をそっと離して、
「火拳のエース確保」
ガチャリ、と腕に手錠をかけた。
「・・・・おい。この流れで何でそうなるんだよ」
呆れたような火拳のエースの声に、私は赤い顔のまま説明する。
「捕まえたの。他の誰でもない、私が」
「・・・・・アコになら捕まるのも悪くねェな、と言いたいところだけどな」
「私じゃ不足?」
「俺は自由に生きるって決めてんだ」
言いながらばきっと割れた手錠。
「・・・・・・嘘」
海楼石の手錠、が。
「さっきすり替えといた」
それにしたって普通の手錠もこうも簡単に壊れるもん?
私は深くため息を吐いた。
「残念。フられちゃった」
「なァアコ。俺と一緒に来いよ。海賊は自由でいいぜ」
再び強く抱きしめられて、
耳元で囁かれる悪魔の誘い。
「・・・・・ねえ、何で初めて会った時キスしたの?」
私が火拳のエースを追いかけるきっかけだった、それ。
その理由をずっと聞いてみたかった。
けれど彼の口から語られた答えは、
「したかったから」
ごく簡単なもので。
「・・・・・・・本当に自由だわね」
「だろ?」
「でもだからって普通海軍に手ェ出す?」
「関係ねェな。・・・・それより、返事。聞かせてくれねェの?」
「・・・・・・・うーん」
当然悩む私に、火拳のエースはトドメをさした。
「好きなんだ、アコ。絶対大切にする」
「・・・・・・・・・・・・今更それを言うのは卑怯でしょ」
「まあ、海賊だからな」
さらりとものすごい告白を言ってのけた火拳のエースに顔の熱はますます上がっていく。
ゆるゆると崩れていく私の正義。
「ちょっと待って?貴方と行くとしたら私も海賊になるってこと?」
「当然、そうなるだろ」
「私海軍」
「知ってる」
「貴方は海賊」
「何か問題あるか?」
そのあっけらかんとした物言いに、
「あははっ、そうかも」
私は笑うしかなかった。
ああ、何かもう色んなことがどうでもよくなっちゃった。
この人の側に居られるなら、
いいかもしれない。
「好きになった私の負けかな。海賊初心者だけどよろしく」
そう言って伸ばした私の手を、
強く優しく掴んでくれた火拳のエース。
「俺が、捕まえた」
満面の笑みの彼に、
私はすべてを委ねる。
皆ごめんなさい、私。
捕まっちゃった。