短編④
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マルコさんに借りた本が大変面白い。
最近暇さえあればずっとその本を読んでいる。
朝の下ごしらえを終えて、自由な時間。
借りた本の続きが読みたくてマルコさんを探していたら、
「誰か探してんのか?」
「ん、マルコさん。部屋に行ったらいなくて」
エースに声をかけられた。
「マルコ?何で」
「借りた本の続きが読みたくて」
「・・・・本、な。最近ずっと読んでるよなアコ」
「面白いよ、すごく」
いったん読み始めると引き込まれて、
名前を呼ばれても気づかなくなるくらい。
「へェ・・・・・」
「エースも読む?」
「興味ねェ」
「だよね」
エースが本に興味持ったらびっくりする。
・・・・と言ったら失礼か。
「マルコなあさっきオヤジんとこに行くって言ってたぜ」
「あら」
「そのうち帰ってくるんじゃねェ?」
「そっか。勝手にお部屋入ったらまずいよね・・・・」
お部屋に続きの本があるなら今すぐにでも借りて読みたいところなんだけど。
「いいんじゃねェ?」
「いやまずいでしょ。部屋で待たせてもらおうかなあ」
「そっちのが駄目だ」
「え、そう?」
エースが真顔で首を横に振ったので意外だった。
エースって意外とデリケートなのかなあ。
「でも本読みたいし・・・・・」
「・・・・・じゃあ、俺も行く」
「え」
「マルコの部屋で一緒に待つ」
「えええええ!?」
何で!?
「1人で待ってんのはまずいだろ」
「そう、かなあ・・・・・?」
「何か物がなくなった、とか・・・・あるだろ」
「ああ・・・・・確かに」
言われてみれば私1人だと何かあった時不本意に疑われかねないかもしれない。
エースが居れば証人として何もしてないことがわかる。
「な?一緒に行って待っててやるよ」
「じゃあお願いしようかな」
「おう、任せとけ」
と言うことでエースと一緒にマルコさんの部屋へ向かった。
「ん・・・・・と・・・・あ、あった」
鍵は開いてたのでマルコさんの部屋に勝手にお邪魔して、
本を探す。
お目当ての本を見つけた。
「待ちきれない、ここで読んじゃう」
申し訳ないなと思いながらもベッドまで借りることにして、
本を開いて座った。
すぐに隣にエースが腰を下ろした。
でも気にしないで本に没頭。
あああああ面白い!!
こんな展開になるなんて思ってもみなかった!!
ってここで突き落とされるのかあああ!!
「ぶふっ」
ふと隣のエースの笑い声が聞こえて我に返った。
「・・・・・どうかした?」
「さっきから表情がコロコロ変わって面白ェと思って」
「・・・・そう?」
「本を睨み付けたり笑ったりしてたぜ?」
「・・・・エースも読めばいいのに」
「俺はいい。本読まなくてもこれで十分面白い」
「これって・・・・私の顔?」
「あァ」
満面の笑みで頷くエースにちょっと恥ずかしくなるけど、
今は本に集中。
「・・・・・・・・ん」
・・・・・・んん?
ふと気づくと身体が重い。
「・・・・・エース?」
「ん?」
エースが私の肩にもたれかかってた。
「・・・・どしたの?」
「いいだろ、こんくらい」
「いや重いんだけど」
「俺のことは気にしないでアコは本読んでろよ」
「いやめっちゃ気になるんだけど」
エースの髪の毛が頬にかかってくすぐったい。
「気になるんだろ?続き」
「気になるけど・・・・・」
「けど?」
エースの近さの方が気になる。
「・・・・・何か、恥ずかしい」
「・・・・いいな、それ」
「は?」
「何でもねェ。こっちの話し」
・・・・まるで猫みたいなごろごろしてくるエース。
「・・・・マルコさん、遅いね」
何だかマルコさんの存在が恋しくなってしまった。
「忙しいからな、マルコ」
「・・・・・・・・・あんまり留守の部屋に長居しても悪いし、自分の部屋で読もうかな」
そう呟いた瞬間ぐっとエースに肩を抱かれた。
「・・・・なに?」
「勝手に部屋に入って勝手に本持ち出したらマズいんじゃねェ?」
「・・・・・・それね」
・・・確かにそうなのよね。
でもなんかこう、いたたまれないというか。
落ち着かないと言うか。
・・・エースと2人きりがこんな緊張するとは思わなかった。
「面白いんだろ?その本」
「・・・・うん」
「読んでりゃいいんじゃねェ?」
「・・・・そだね」
・・・・そうよね私の気にし過ぎよね。
わかってるんだけど。
ぎゅ。
今度は後ろから抱き着かれた。
「エース君!?」
そして。
ちゅ。
頬にエースの唇が一瞬、くっついて離れた。
「柔らけェな」
「なななな、なにしてっ」
「あーやっぱ駄目だ」
「は!?」
「本より俺を構ってくれよアコ」
どさ。
エースに押し倒された、私。
あ、駄目だ。
もう全部今まで読んでた本の内容吹き飛んだ。
「エース・・・・・っ」
「・・・・悪ィ」
唇の距離、あと1センチ。
「人の部屋で何やってんだよいお前ら」
「あ」
「・・・あーもう帰ってきちまったのか」
2人で物凄くマルコさんに怒られました。
本は最終巻まで全部一気に貸してもらえたけど。
(ていうかエース順序踏んで)
(好きだって言ったらもっと触っていいのか?)
(・・・・・・・いいよ)