短編④
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私の恋人のシャンクスはとても優しい、
優しいし、甘いし。
「プレゼントだアコ」
「・・・・ありがと」
頻繁にデートするうえで、
毎回プレゼントをくれる。
「この間偶然歩いてる時に見かけてな・・・アコに似合うと思って買ってみたんだ、つけてみてくれないか?」
「・・・・・うん」
言われた通りシャンクスにもらったネックレスを首にかけた。
「ああ・・・見立て通りだ、よく似合ってる」
「・・・・高そうね、このネックレス」
「そうでもない。手頃な値段だ、気にするな」
「・・・・そう」
「気に入らなかったか?」
「気に入らない訳じゃ、ないけど」
煌めくジュエリー。
こんな素敵な物を贈られる私はきっと間違いなく幸せ者。
それはわかってる。
でも。
「・・・・けど、何だ?」
「私この間も指輪もらったし」
「ああ、似合ってる」
「このバッグももらったわ」
「そうだな」
「腕時計も」
「どれもよく似合ってる」
「有難う。・・・・じゃなくて」
今までもらったものは数知れず。
「・・・・・何か、不満が?」
「もう、大丈夫だから」
「・・・・大丈夫、ってのは」
「もうたくさんもらったわ。だからもう気持ちだけでいいの」
私の言葉にシャンクスは困ったような顔を見せた。
「気に入らなかったんなら売ってくれていい」
「気に入らなかった訳じゃない。もらったのは全部素敵だった・・・気に入らなくても売らないけど」
売れる訳ないけど。
「なら、」
「はっきり言わせてもらうけど、私はシャンクスと対等でいたいの」
「・・・今は対等じゃねェか」
「だってそうじゃない。そりゃあ色んな意味で本当の対等は無理なのはわかってる」
男と女。
それだけでも対等ではいられない。
「それでもなるべく対等でありたいと思ってる」
「それはわかるが・・・・」
「私ばっかりこんなにプレゼントもらってたら対等じゃないわ」
「俺が勝手にしていることだ、気にしなくていい」
「気になるの。気持ちだけで十分だから・・・・・ね?」
「・・・わかった、善処しよう。だが欲しいものがあったときは俺に言ってくれるな?」
「勿論、その時はよろしく」
・・・・シャンクスは会社でも責任のある立場に居る。
だからお金に困ってない。
・・・・でも私はシャンクスの性格が好きで付き合ってるんだから。
これでわかってくれたかな、とほっと安堵した。
・・・・・・駄目だった。
「・・・・シャンクス」
今度は食事を全部シャンクスが奢るという暴挙。
会計の時は大人しくしていたけど、
あとからお金を出せば頑として受け取ってくれない。
「難しいモンだな・・・喜んでもらいたいだけなんだが」
・・・・寂しそうに苦笑するシャンクスに私も同じように苦笑した。
「うーん・・・・わかった、じゃあシャンクス」
「ん」
「これを買って」
「口紅か?勿論構わねェが」
「その代りこれが最後」
「最後?」
「記念日以外のプレゼントはこれが最後」
真っ赤な口紅を1本買ってもらった。
「・・・・そう、か。本当に欲しいものはないのか?」
「私ってあんまり欲がないの。だから本当に欲しいものは1つだけ」
「それは?」
「聞きたい?」
「聞かせて・・・・くれるか?」
買ってもらった口紅を塗って。
シャンクスを見つめた。
「絶対に居なくならないシャンクス」
「・・・・俺、か?」
私が本当に欲しいもの。
「だってシャンクス忙しいのに私とも頻繁に会ってくれるし、過労で倒れたりしないか心配で」
「はははっ、そんなことを心配してるのか?」
「あとあんまり会ってると私が飽きられちゃうんじゃないかって心配したり」
「絶対にない」
「私は、シャンクスが元気で側に居てくれるだけで幸せだから。それが私の望み。つまらない女?」
「・・・いや、愛おしさが募った」
そう言うとシャンクスの唇が私の唇と重なった。
「・・・口紅、うつっちゃったね、シャンクス」
「悪くないな」
ああ、幸せだなあ。
と思ってたら。
次のデートの日。
夜景の綺麗なレストラン。
「・・・・今日はちゃんと出させてね?」
念の為確認してみたら、
「いや、ここは奢らせてくれ」
と言われた。
「でもそれじゃ、」
「今日を記念日にしたいんだ」
と、差し出された上品そうな小箱。
「・・・・これ、って」
「・・・・・俺と結婚、してくれアコ」
まるでドラマのワンシーンのような。
ぱかっ、と小気味いい音と共に開けられた箱の中には約束のようにダイヤモンドの指輪。
・・・・さすがにこれは、喜んで受け取らずにはいられないなあ。
「・・・・有難う、私で良ければ喜んでお受けします」
・・・・・・・・ずっと、シャンクスが元気で私の側に居てくれますように。