短編④
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「・・・・・・・・なん、で」
朝目が覚めて、天井を見て。
もう朝かあ、なんてのんびり考えてごろんと横を向いた。
そして思わず声が出た。
・・・・・あれ。
何で私・・・・・お頭のベッドで、
お頭の隣で寝てるの・・・・・・・・・?
思い出せ。
昨日確かにお頭と一緒のお酒は飲んだ。
たいしたトラブルもなく楽しかった記憶しかない。
他愛もない話をしながら飲んで。
そのまま眠くなって。
・・・・・・・・・そこからの記憶がない、んだけど。
いやいやいや!!!
服着てるし!!
・・・・・・服。
寝間着・・・・だよね、これ。
私いつのまに着替えたんだっけ?
飲んだ時は普通の服着てた・・・・よね。
あれえ!?
「起きたのか・・・・?まだ早いだろう、もっと寝てていいんだぞ・・・?」
パニックになった私の耳に届いたお頭の優しい声。
「お・・・・お頭・・・・・?」
「ん・・・・?」
お頭はそれが普通のことのように私の頭を優しく撫でた。
な・・・・・何この甘い雰囲気は!?
「もう起きるのか?アコ」
「あ・・・・・・・あの・・・・・」
聞けない!!
すっごく聞きたいけど怖くて聞けない!!
「どうした?腹減ったか?」
「い、いえ・・・・大丈夫です、お頭」
「・・・寂しいなァ」
「え?」
「シャンクス、と呼んじゃくれねェのか?」
「・・・・・・・・・そ、それは」
どういうことですか!?」
「可愛かったんだがな、昨日のアコは」
お頭はにっこり笑って確かにそう言った。
勿論今も可愛いが、と付け加えて。
「あ・・・・・・・あ・・・・・・・・・ああ・・・・・」
なんてこと!!
記憶がなくなるまで飲むなんて!!
「アコ?」
「失礼しましたああ!!!」
叫んで慌てて部屋を出た。
無理!!これ以上お頭の顔見てられない!!
いったん自分の部屋に戻って。
冷静に考えてみる。
あの状況。
お頭の言動から考えるに。
・・・・・・そういうことをした、かどうかは不明としても。
・・・・私、お頭に告白した?
それとも、された?
そんな感じだった・・・・・よね。
ああああでも勘違いだったら!?
お頭いつもあんな感じっちゃ感じだし!!!
絶対にそうなったっていう確証はない!!
この後お頭と顔合わせられなあああい!!!
・・・・・いやいや落ち着こう私。
誰か目撃者がいるかもしれない。
誰かに聞いてみよう。
証言者その1。
「昨日?あーお頭がご機嫌だったことは覚えてるぜ」
ヤソップさん。
「わ・・・・・私は?」
「アコも珍しくだいぶ飲んでたな。お頭と楽しそうに飲んでただろ」
「は・・・話しの内容とか・・・・」
「そこまでは覚えちゃいねえよ。俺も酔ってたし」
「そう・・・・ですか」
ヤソップさんからはこれまでかな、と諦めようとしたその時だった。
「あーそういや昨日は随分と距離が近かったな」
「・・・・誰と、誰が」
「アコとお頭」
「・・・・有難う御座いました」
証言者その2。
「肉美味かったぞ」
「・・・・ルゥさん」
「お頭も気に入ってたよなあチャーシュー」
「チャーシュー・・・・」
食べたっけ。
・・・いや、食べた。確かに美味しかった記憶ある。
お頭も気に入ってた・・・酒が進むなあとか言って。
「ほっ、他には!?」
「サラダはアコが喜んでたな」
「・・・・・そうですね。美味しかったです」
食べ物のことしかなさそうだなと諦めた瞬間。
「お頭にもあーんして食わせてたくらいだもんなあ」
「え」
「お頭も美味そうに食ってたし・・・俺も食いてえなあ」
・・・・・・・何で肝心なとこ記憶ないんだろ私。
「・・・有難う御座いました」
証言者その3。
「だいぶ酔ってたな」
「・・・・・誰がですかベンさん」
「2人ともだ。・・・が、特にアコだな」
「・・・・それで、私お頭と・・・・」
「・・・・何かあったのか?」
「それ私が知りたいんですううう!!!」
「なるほどな。だがそういうことなら本人に聞いた方が早いだろう」
「本人?」
「俺は睨まれないうちにさっさと退散させてもらおうか」
ベンさんは優雅に煙草をふかしながら煙のように消えてしまった。
・・・・本人?
「まだ酔ってるのか?アコ」
「・・・・・ぎゃあああああ!!!!」
いた本人!!!お頭!!!
「随分と他の男にちょっかいを出してるみたいだな?」
「おか、しら・・・・・」
「昨日はイケると思ったんだが・・・」
お頭の口から昨日、の言葉が出てドキっとした。
「き・・・・昨日って」
「昨日は随分可愛く甘えてきてくれただろう?酔ってたのもあったんだろうが・・・・」
あれが嬉しくてな、とお頭が寂しそうに微笑んだ。
「・・・・そ、それは」
「寝ちまったから俺の部屋に勝手に連れ帰ったことを怒ってるのか?」
そうだったのね!!
ほっとしたような少しだけ残念なような。
・・・・・でも今ので全部思い出した。
・・・・私。
お頭に昨日告白するつもりだったんだ。
それで頑張って甘えて、お酒の力も借りて・・・ってしてたら寝ちゃったんだ。
「・・・・は・・・・恥ずかしかっただけ、です。・・・・ごめんなさい」
告白なんて私には無理だった。
項垂れた瞬間目の前が真っ暗になって。
「え」
「あんな可愛いアコを見ちまうとなァ」
「・・・・おかしら?」
「もう1度シャンクス、と呼んでもらいてェなァ」
「・・・・・・しゃん、くす」
「俺みたいなおっさんじゃ嫌か?」
「・・・・・何、言っ・・・・」
「もう他の男には絶対やりたくないもんでな」
「・・・・・それ、どういう・・・・」
「俺の女になっちゃくれねェか?」
「わ・・・・・・・っ私で・・・いいんですか・・・・?」
「アコがいいのさ」
「私も好きです・・・・!!」
・・・飲み過ぎたおかげで告白出来なかったけど。
飲み過ぎたおかげで両想いにはなれました。
「今日も一緒に寝ような」
「それはちょっとまだ無理です・・・・!」