短編④
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この学校には、1人の問題児がいる。
ポートガスDエースという1コ上の先輩。
色々と噂の絶えない人だ、色んな意味で。
まず校則はあんまり守らないらしいし、
自由だし。
でも何故かモテていて、女子に囲まれていたり、
よく告白されている場面を目撃したりもする。
・・・・まあでも、その辺の不良とかと違って、
何をするにも楽しそうな人だなあとは思ってた。
でも私は彼を見ているだけ。
関わることなんか絶対ないと思っていた。
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その時も彼は何かをしたようで、
先生に追われていた。
放課後の廊下を走っていて。
危ないなあと思いながらも器用に人を避けて行くポートガス先輩を見ていたら。
「あ」
不意に、目が合った。
「え」
と思ったら、ずんずんと近づいて来た。ポートガス先輩。
え、何?
ガシ。
「近づくな!」
「はあああ!?」
先輩は後ろから私を抱きしめるような形をとり、
「こいつは人質だ。何もされたくなかったら近づくなよ?」
「え、ちょ、あの」
嘘でしょ!?
ここ学校ですけど!?
人質って言ったってこの人危険なものは持ってないはずだし先生助けてくれ、
「早まるなポートガス!!」
えええええええ!?
「せ、せんせ・・・・?私何も危険じゃないですよね・・・・?」
「ポートガスは存在自体が危険なんだ・・・・すまん・・・・俺には助けられん!!」
せんせえええええ!?
助けてくれないの!?
驚いて先輩を見ると、ニヤリと笑った。
「走るぞ」
「へ」
「もう用はないだろ?」
「いやこの後部活」
「サボりゃいい」
「な、何言っ」
「というか」
「というか?」
「俺がお前掻っ攫うから諦めろ」
瞬間手を取られて。
先輩は走り出した。
つられて私も全速力。
走るの得意じゃないのに!!
「こらポートガスー!!」
先生の怒号が段々遠くなっていって。
・・・私は全てを、諦めた。
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「・・・・先輩」
「疲れたか?」
「・・・・ひざ、がくがくです・・・・・」
学校を出てしばらく走ったところで私の身体が限界を迎えた。
「体力ねェな。何部だ?」
「・・・・・・これでも、剣道部です」
「なるほど、腕はしっかりしてんな」
私は全力で息をきらしてるのに先輩は息1つきらしてない。
「・・・・・何で逃げてたんですか?」
「忘れた」
私の当然の疑問にポートガス先輩はにこっと笑顔で一言。
・・・・自由過ぎる。
というか。
「何で私を人質になんか・・・・1人の方が逃げやすかったんじゃ」
「人質が居た方が楽しいだろ?」
・・・・最悪だ。
「でも先生からは逃げられましたし、私はお役御免で解放ですよね?」
「まだだ」
「まだ!?もういいじゃないですかポートガス先輩」
名前を呼んだら先輩は一瞬だけ目を丸くして、すぐにふふん、と笑った。
「俺も知ってるぞ、お前の名前」
「え、うそ」
「アコ、だろ?」
しかも下の名前!!
「何で・・・・!?」
「さて、何でだと思う?」
「わかんないから聞いてるんですけど!」
「はははっ、威勢がいいな!先に聞かせてくれよ、アコが俺の名前を知ってる理由」
先輩は本当に楽しそうに笑う。
「そりゃあ・・・・有名だから」
「何で有名なんだ?」
「え・・・・何かとやらかす人。でもいつも楽しそう」
「・・・・・まあ、いっか」
先輩はそう言って真面目な顔で首を捻った後、やっぱり笑った。
「作戦は成功だ、アコ」
・・・また私の名前を呼んだ。
「い・・・・意味がわからな、」
「お前に知ってもらう為にやってたことだからな、全部」
「・・・・・・・・・は?」
「一目惚れしたんだ、前に」
「・・・誰に?」
「アコ以外に居ねェだろ?」
「そ、っそんな・・・・」
「でもいきなり知らない奴から好きだと言われてもピンと来ないだろうと思って目指したわけだ」
「・・・・何、を」
「有名人」
どん。
「俺と・・・付き合わないか?絶対笑顔にしてみせっから」
・・・・・・・もう色々驚き過ぎて何も言えない。
でもまあ。
・・・楽しそうなこの人の側に居たら。
私も楽しいかもしれない。
「よろしくお願いします」
目指せ2人そろって有名人。